February 24, 2023

「就職戦線」から「就活」へ:就活の大衆化と個人化

「就活」ということば

いま、就職活動に言及するとき、「就活」と略すことが多い。このことばがいつごろ生まれたのかは定かではない(おそらく「就職活動」とそう変らない時期にその略語として生まれたのだろう)が、メディアで多くみられるようになったのはそれほど古いことではない。

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February 14, 2023

なぜ「就職協定」は破られるのか

まもなく3月1日、企業の大学新卒者採用活動の「解禁」日を迎える。いよいよ今年の就活シーズンを迎えて云々といった調子の報道がまもなく出てくるタイミングだろう。

といってもこれは正確な表現ではない。政府が2022年3月28日付で経済団体等に対して行った「要請」では、この日は採用活動にかかる「広報活動」の開始日だ。

内閣府「2023(令和5)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請



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September 17, 2021

新聞はHPVワクチンをどう報じたか

いま「ワクチン」というと新型コロナウィルス感染症のワクチンがまず頭に浮かぶが、もう1つ、今話題になっているワクチンが、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウィルス(HPV)への感染を防ぐHPVワクチンだ。2008年のWHOの報告によると、子宮頸がんは全世界で年間約50万人に発生し、約27万人が死亡しているとされる。

WHO (2008) “Cervical cancer, human papillomavirus (HPV), and HPV vaccines: Key points for policy-makers and health professionals.”

その主な原因はHPVの感染であり、有効な予防方法としてHPVワクチンの接種がある。世界の多くの国で接種が行われており、日本でも行っていないわけではないが、政府が積極的勧奨を行っていないこともあり、接種率はきわめて低い。

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September 11, 2021

「45歳定年制」を実現させたいなら

サントリーホールディングスの新浪剛史社長が経済同友会の夏季セミナーで、45歳定年制を提唱したとして一部で話題になっている。
45歳定年制導入を コロナ後の変革で―サントリー新浪氏(時事通信2021年9月9日)

記事だけでは具体的な内容はわからないが、上記報道では「社会経済を活性化し新たな成長につなげるには、従来型の雇用モデルから脱却した活発な人材流動が必要」「会社に頼らない姿勢が必要」と述べたようなので、よくある「給料の割にパフォーマンスが悪い中高年社員を追い出して若い元気な人と優秀な一部の人だけ残したい」という類の考え方であるようにみえる。

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September 06, 2021

結果か機会か

ツイッターで書こうと思ったらちょっと長くなってきて連投ツイートだと長すぎそうなのでブログ記事にしてしまえ、というわけで以下ひとくさり。

きっかけはこれ。ここ数日話題になってる「高市氏を女性が支持すべきか」問題、個人的には「女性の社会進出を望む立場なら政治的立場にかかわらず高市氏が首相になることを支持すべき」などとは思わない。そもそも高市氏に首相になってほしくないし、性別より政治的立場の評価が優先するのはむしろ当然だ。

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September 02, 2021

CoeFont CLOUDを試してみたのだが

CoeFont CLOUDというサービスがある。自分の声で音声合成ができるというサービスで、面白そうなので試してみたのだが、結果からいうと、少なくとも自分で作ったCoeFontは実用にはならなかった。

自分のCoeFontを作るにはたくさんの文章を読み上げる。3つほどプランがあって、自分のは松竹梅の竹。確か400くらいの短い文章を読み上げたかと思う。それから一晩待つとできあがりというわけだ。

文章はこないだ書いた自分の記事から抜粋したもの。おおむねよくできていて、ああ自分の声はこんな感じなのかと思ったが、自分の発音が不明瞭なのか知らんが、一部がことばになっていない。音がおかしくなっていたところは「空襲の心配がなくなり」ということばなのだが、崩れ方がちょっと変で理由がよくわからない。あと「お茶」も一部発音がおかしかった。もともと自分自身が発音不明瞭であることは自覚していて(だからこそこういうものがあるなら利用しようと思ったのだ)、かなり意識してはっきり読んだつもりだったのだが、だめだった。

自分のオンライン授業動画にこれで声を入れられないかと思って試してみたのだが、これではちょっと使いものにならない。運営に質問しようとも考えたがサイトを見る限りどこにも問い合わせ先の記載が見つからないので、とりあえずここに出してみる。

このサイトはプロの方のCoeFontのほか、一般人もCoeFontを作って収益化できるようで、いろんな人たちが作って売っているわけだが、こういう人たちのは大丈夫なのだろうか。YouTubeとかにはいろいろ作品も上がっているようなので大丈夫なのだろうが。

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August 15, 2021

『草生す屍』よりよい余生

お茶を少々かじることもあって、骨董というほどではないがいくつか古いものを持っていたりする。親が遺したものもあるが、多くは買ったもので、江戸時代の茶碗だのといった茶道具的なものもあるが(むろん特段値打ちものでもないのでふつうに使っている)、それとはやや離れたものもけっこうあって、まあそういうものが好きなんだろう。もともと子どもの頃から古銭を眺めてニヤニヤするタイプだったので、三つ子の魂百までとはよくいったものだと思う。

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June 26, 2021

『映画大好きポンポさん』感想

気になってた作品。超よかったのでもう一度見てきた。いろいろ語りたくなるが、映画作りがテーマなだけあって、ネットをざっと眺めたらすんごい詳しそうな人たちがけっこう突っ込んだレビューや論考を出しているようなので、ちょっとだけ個人的な(偏った)感想と、あと連想をいくつか。

 

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March 12, 2021

「子供・若者育成支援推進大綱(案)」パブコメ書いてみた

いま一部で話題になってる内閣府の「子供・若者育成支援推進大綱(案)に対する意見募集について」パブコメ、ちょこっと書いてみた。
締切は3/15。募集期間がやったら短いんだがよほど意見されたくないんだろう。というわけで皆さんもぜひ。

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August 28, 2020

ジブリアニメにみる日本女性のあゆみ

毎年、夏はジブリアニメがテレビ放映されるわけで、今年も例によって放映されたわけだが、2020年8月21日(金)に放映された『コクリコ坂から』(2011)を見ながらふと頭をよぎったことがある。

それは登場人物、特に女性キャラクターたちの世代差だ。それぞれの物語の中ではその時代設定の中で登場人物を追うわけだが、一歩引いてみると、「この人は自分とどのくらい歳がちがうんだろう?」「この物語のこの人物とあの物語のあの人物は何歳ぐらいちがうのだろう?」などと思うことはないだろうか。まあそういう話だ。

というのも、ジブリアニメの中には、『コクリコ坂から』もそうだが、昭和あたり以降の現実の日本社会を舞台にしたものがいくつかあるからだ。もちろん現実そのものではないにせよ、それらの作品群はそれぞれその時代の空気をよく伝えているように思われる。それらに登場するキャラクターも、典型的かどうかは別として、その時代に生きた人間像として現実味がある。あの作品のあの人物はこの作品の時代には何をしていただろう?などと想像してみたくなるわけだ。

以下の計算はWikipediaその他のネット情報によるところが大きいので正確性は保証しない。ネタ程度にご覧いただければ。ジブリ作品の舞台となった時代の背景については5年ほど前に書いたものがあるのでそちらもご参照(この記事の記述と一部異なるところがある)。

ジブリで振り返る20世紀日本
http://www.h-yamaguchi.net/2015/01/20-2fa8.html

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March 20, 2020

『Fukushima 50』感想

Fukushima 50』については別記事で書いたのだが、そこで書かなかった映画自体の感想についてごく手短に。

 

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March 11, 2020

事実と表現、記録と記憶

東日本大震災から9年たった。新型コロナウィルス感染症のため大がかりな式典は行われないが、多くの人たちがそれぞれの場所であのときを思い出し、犠牲者を悼み、今なお苦しんでいる人たちに心を寄せたりするのだろう。このタイミングに合わせてだろうが、福島第一原発事故の際、多くの職員が避難した中、原発にとどまった人々を描いた映画『FUKUSHIMA 50』が公開されている。
https://www.fukushima50.jp/

震災もそれに続いた原発事故もまだ記憶に新しいこのタイミングで、実際のできごとを映画化したとなれば、映画を語りながら現実の人々や組織、状況を語ることになってしまうのはある程度はやむを得ない。事故自体についてもいろいろな意見がある以上、本作への評価も割れるのは自然なことだろう。実際、みる限り反応は賛否が真っ二つに分かれているようだ。

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February 17, 2020

830万ドルの七面鳥

世に「Nigerian Letter」と呼ばれる詐欺の手口がある。

昔は小金持ちなど多少なの売れた人のところにエアメールで送るのが定番だったらしいが(実物を見せてもらったことがあるが本当にナイジェリアからのものだった)、今はインターネットが普及したのであちこちにばらまくスタイルに変化していて、だから私のような者のところにもたまに来る。これを読むのは私のひそかな趣味の1つ(といっても殺到してほしくはないが)で、このブログでも以前二度ほど取り上げたことがある(これとかこれとか)。いわゆる「advance fee fraud」、つまり巨額の金銭や財宝を入手できるチャンスをちらつかせて、そのために比較的少額の(といってもそこそこの額)の金銭を先に支払う必要があるともちかけて金をだまし取る手口だ。

当初この種の詐欺がなぜかナイジェリア発であったことが多いことから「Nigerian Letter」と呼ばれるわけだが、昔はともかく、今はナイジェリアに限られるわけでもない。 日本だと「M資金」が有名だが、この種の手口は世界中にある。 善良なナイジェリアの方々にとってはいい迷惑だろう。

なんでこういうことを書いているかというと、「新作」を入手したのでご披露しようというわけだ。いやこれがなかなかに面白いのでついいつもの悪乗りが始まってしまって。以下全編ネタなのであらかじめ念のため。

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September 25, 2019

議論すべきは日本のエネルギー政策

2019年9月23日、ニューヨークで国連気候行動サミット2019が開かれた。

国連気候行動サミット2019(UN Climate Action Summit 2019)
国際連合広報センター - 2019年08月15日
アントニオ・グテーレス国連事務総長はすべてのリーダーに対し、今後10年間で温室効果ガス排出量を45%削減し、2050年までに正味ゼロ・エミッションを達成するために、2020年までに自国が決定する貢献(NDCs)を強化するための具体的、現実的計画を持って、9月23日にニューヨークで開かれる国連気候行動サミットに参集するよう呼びかけています。

背景には、近年特に欧米の若者を中心に高まりつつある、地球温暖化に対する強い危機感がある。運動は欧米にとどまらず世界各国に広がりを見せており、多くの人々がデモに参加するなど対策を求める抗議活動に参加している。日本では欧米ほどではないようにみえるが、行動を起こす人は少なからずいるようだ。若者が中心になっているのは、長期的な影響への懸念をより強く持つゆえであろうか。

「私たちの家が燃えている」 温暖化対策求め、地球各地で数百万人が抗議
BBC - 2019年09月21日
米ニューヨークで開かれる国連気候行動サミットを前にした20日、若者を中心に地球温暖化への対策を求める様々な抗議行動が欧米やアフリカ、アジアなど世界各地の150カ国で行われた。数百万人が行進したとみられ、人為的な気候変動に対する抗議としては過去最大規模のものとみられる。

「国境超え、気候変動止めよう」26都市で若者らがデモ
朝日新聞 - 2019年9月21日
主催者によると、日本では東京や大阪、京都、名古屋、福岡、札幌など26都市で約5千人が参加した。

客観的にみても地球温暖化は重要な課題で、これまでも何度か国際的な合意形成の試みがなされてきたが、ありていにいって、うまくいっていない。大切であることは理解するが実際に自分たちの行動を変えることには消極的な国が多く、中には背を向けるかのような動きもある。

気候行動サミット、次世代への課題解消見えず
日本経済新聞 - 2019/9/25
米ニューヨークの国連本部で23日開いた「気候行動サミット」は加盟国の温度差が目立った。2050年に温暖化ガスの排出をゼロにする目標を掲げたが、実現は見通せない。自分たちの命運を左右する気候変動への取り組みが不十分だと若年層は不満を募らせている。

その意味で「行動」をタイトルに入れた今回のイベントは重要な意義を持つと思うのだが、どうも日本の(他の国のことはよく知らない)報道や世論は本筋からそれているようだ。

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September 15, 2019

「腕を組んで歩く」の衰退

小ネタ。先日、姪の結婚式があって出席したのだが、そこで気づいた、というか改めて思い出したことがあった。

結婚式や披露宴というと、結婚した当のカップルが腕を組んで歩いたりする場面が多々ある。実際今回もそうした場面があったわけだが、ふと思い当たった。こうやって腕を組んで歩くカップルを街中ではとんと見かけなくなったなあ、と。

Wedding_syukufuku

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«「対面して辞退」を望む企業は16%