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May 05, 2004

「映画に毛が3本!」

黒田硫黄著「映画に毛が3本!」。講談社、2003年。
漫画家の黒田硫黄が「ヤングマガジンUPPERS」に連載中の、映画評論本というか、感想コラムマンガというか、そういったものである。

黒田硫黄といえば、2002年文化庁メディア芸術祭大賞を受賞し、2003年には連載中のマンガ「茄子」(第1巻第2巻第3巻まで発売中)の中の1話が「茄子~アンダルシアの夏」が映画化されるなど、注目を集めた。

邦画、洋画とりまぜて61本の映画がそれぞれ2ページずつ、マンガ形式で紹介されている。似ているとも似ていないともいえる俳優の似顔絵もさることながら、映画に対して自分の視点を失わず、しかも頭ごなしに批判するような傲慢さも見せない。「乾いた温かさ」といった印象を受ける取り上げ方がいい。

わかったふうな口を聞く評論は嫌いだ。映画評論にはそうしたものが多く、どうも好きになれなかった。本書を映画評論と読んでいいなら、これは今まで目にした中で唯一、読んで面白かった映画評論本だ。

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