ネット通貨としての「認知」:修正
平山氏のblogに対するトラックバックとして書いた「ネット通貨としての『認知』」について、一部修正する。通貨の機能は、おおざっぱにいえば、①交換の媒体、②価値の基準、③価値の保存手段の3つであると考えられている。この意味でいうと、この「認知」通貨は、①ではあるようだが②でも③でもないというわけで、通貨とは少々ちがうように思われる。地域通貨もこの3基準は満たしているのが普通であるから、その意味で地域通貨とも異なることになる。ここでいう「認知」の交換は、いってみれば貨幣誕生以前、物々交換経済の考え方に近い。
以前私がレッシグ教授に聞いたのは、「クリエイティブコモンズ」の中にも、なんらかの価値単位を設けてやりとりをするしくみにしないと、幅広い層の参加者のインセンティブを呼び起こすことができないのではないか」ということだ。彼は「そのような考え方もあるだろうが、特に今は考えていない」といった回答だった。ここで私が言及した「価値単位」とは、「人によってちがう」ものではなく、ある程度の客観性をもち、したがって②価値の基準となり、かつ何らかの記録機能をもっていて③価値の保存手段となるような種類のものだ。そうなれば、これはネット「地域通貨」ということになろう。このようなネット地域通貨が自然に発生してくるかどうかはわからないが、希望はある。今後の動きが期待される。
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