映画「Harry Potter and the Prizoner of Azkaban」
来る6月26日から日本で公開される映画「Harry Potter and the Prizoner of Azkaban」を、一足先に公開された米国で見てきた。米国では6月上旬に公開されたが、調子のいいスタートを切ったと思われたものの、意外に伸び悩んでいる。
英国の作家J.K. ローリング原作の人気小説を映画化したシリーズ3作目となる本作品は、全米公開直後の週末に9,370万ドルと記録的な興行収入を挙げたが、翌週末は一転して3,490万ドルと63%もの落ち込みを見せる結果となった。USA TODAY誌の調べによると、ハリー・ポッター映画3作品の中でも、本作品は公開初週末と次週末の興行成績の差が最も大きいという。
映画タイトル 公開初週末 次週末
Harry Potter and the Sorcerer's Stone (2001) 90.3 57.5
Harry Potter and the Chamber of Secrets (2002) 88.4 42.2
Harry Potter and the Prizoner of Azkaban (2004) 93.7 34.9
※単位は百万ドル。
※第1作のタイトルの「賢者の石」は、英国では「the Philosopher's Stone」だが、米国では「Sorcerer's Stone 」となっている。
こうした状況を受けて、一部にはハリー・ポッター人気の衰えを指摘する声もある。これはシリーズが進むにつれ、作品自体の新奇性が薄れたことや、新たな監督の下でタッチが若干変更されたことのほか、なかなか次作が出てこない状況であり、また映画公開時点にからめた原作小説の新作発表という「支援」を受けていないといった事情もあるらしい。原作の遅れが主な原因であるから、映画のせいではないのだが。
ただ、全体としてはそこそこいい評価を受けているようだ。もともと公開第2週の興行収入の落ち込みは、大型作品ではむしろ通常のことで、「The Day」 After Tomorrow」などは68%も落ち込んだというから、上には上がいる。USA TODAYの記者は、第1週の記録的な売上が「pent-up demand」によるものであったため、反動で第2週が落ち込んだように見えるのだ、と分析している。
(以下ややネタばれかも。注意)
以下は感想である。
前2作と比べサスペンス色が濃いが、全体としていい雰囲気に仕上がっている。ただ、どうしても「時間が足りない」という印象を禁じえない。1作ごとにどんどん長くなる原作を約2時間の枠に収めるため、相当苦労したようだ。物語の進行上必要最小限まで刈り込まれたと思われるエピソードもある。今回配役が変わったダンブルドア校長は、ひげと衣装の印象が強いため、違う人という印象はあまりない。その他主要キャストは前作と同じで、それぞれの成長ぶりが楽しめる。特にネビルの顔つきが一変しているのは必見。
The comments to this entry are closed.
Comments