米大統領選市場:動き始めたか?
イラク戦問題でブッシュ大統領は支持率を落としていたが、対する民主党最有力のケリー候補も敵失を必ずしもうまく生かしきれていない。世論調査などでは勢力が拮抗しており、甲乙つけがたい状況であるとされている。しかし、世論調査や専門家の見解ではなく、米大統領選先物市場の動向だけでみる限り、5月下旬を境に再び共和党側が優勢になってきているようだ。
2004年初頭からの主な動きをみると、市場は当初乱高下しつつも「ブッシュ」が優勢であったが、その後2004年に入って勢力伯仲に転ずると同時に、変動幅が次第に縮小してきた。今年3月ごろからの推移をみると、反ケリーキャンペーンの効果か、「ブッシュ」が$0.53前後まで値を上げ、一方「ケリー」を含む「民主党ポートフォリオ」は$0.47前後まで下がった。5月に入って「ブッシュ」は再びじりじりと値を下げ、「民主党」とほぼ拮抗していたが、5月下旬以降動きが反転し、6月5日の終値は、「ブッシュ」が$0.535、「民主党」は$0.495となっている。
数日前にテクニカル分析に詳しい同僚に聞いたところ、5月以降下旬までのトレンド線は「ブッシュ」が下降、「民主党」は上昇方向にあり、マーケットは方向感を探りつつも膠着状態にあった。価格帯が$0.5付近に収斂しつつあることから市場にエネルギーがたまってきており、今後なんらかのきっかけでいずれかの方向に大きく動く可能性があるということだった。
そのときはどちらの方向に動くかはわかりにくいとのことであったが、現在はややトレンドがはっきり表れはじめているようにみえる。はたして「ブッシュ」が再び大きなリードを固めるのか、また「民主党」が勢力を盛り返すのか、予断を許さない状況である。当分目の離せない状況が続きそうだ。
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