投資エージェントコンテスト
日本IBM、野村総研と早稲田大学などが協賛する「カブロボ・コンテスト実行委員会」が、ソフトウェアロボットのコンテスト「KabuRobo.jp」を行っている。仮想市場で株式の取引をするマシンエージェントを作り、それを使って運用実績を競うというものだ。証券版「ロボコン」とでもいえるだろうか。
情報源は「McDMaster's Weblog」のこの記事。多謝。
マシンエージェントには既製品型と自由設計型があり、自分の能力などに応じて選ぶことができる。市場開設期間は2005年1月24日~2月25日の約1ヶ月間。当初1,000万円の仮想資金でスタートし、市場開設期間にエージェントが挙げた利益によって優勝賞金が決まるらしい。
マシンエージェントによる仮想市場での取引コンテストといえば、これまで「U-Martプロジェクト」が有名だった。その他の仮想市場は投資教育などを目的としていて人間が取引するものばかりであったが、U-Mart組にとっては、強力なライバル出現といったところかもしれない。何しろ経済産業省やら日本経済新聞社やらが後援していて、賞金も出るところなど資金もたっぷりありそうだからだ。
ソフトウェアによる自動取引については、古くはブラックマンデーをもたらしたプログラム売買など、大丈夫なのか?という向きもあるだろう。今でもヘッジファンドなどではよくあるようだが、一般にはまだなじみはないと思う。もちろん今回は仮想売買のゲームだし、エージェントを設計するために市場について勉強するであろうから、投資というものを国民の間に根付かせるためにも面白い試みかもしれない。
ある状況に対して有効に対処できるソフトウェアが、それ以外の状況に対しても有効かどうかは定かでない。一般論でいうと、ある状況にあまりに適応してしまったものは、他の状況下ではうまくあてはまらないことがよくある。サーベルタイガーの大きな牙のようにだ。とすると、このコンテストが1回こっきりではいけないと思う。この1回だけに勝つソフトウェアがいい投資プログラムとは限らないからだ。
The comments to this entry are closed.
Comments
今日のIT Proにもこんな記事が出ていましたね。
「カブロボ・コンテスト」を知ってますか?
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20041017/151312/
最近ブログ経由の方が早い情報が多いです。
Posted by: くりおね | October 18, 2004 01:49 PM
くりおねさん
情報の早い人がたくさんいるということでしょうね。オープン型のシステムのほうが優れているケースは多いと思います。
Posted by: 山口 浩 | October 18, 2004 10:16 PM
カブロボ・コンテスト実行委員会なんてあるんですね・・・証券版「ロボコン」かあ・・・色々勉強になります!
Posted by: jack | March 19, 2007 04:42 PM
jackさん、コメントありがとうございます。
面白そうですよね。簡単そうに見えてけっこう奥が深いらしいです。
Posted by: 山口 浩 | March 20, 2007 02:20 AM