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September 03, 2004

暴論:喫煙免許制の提案

私はたばこを吸わない。以下はこれを前提とした暴論である。実現性とか正当性とか公平性とかそういったものは一切考えていないただの思いつきだ、と一応ことわっておく。

喫煙を免許制にしたらどうだろう。

こんなことを考えたのは単純な理由からだ。外を歩いていると、たばこを手に持って歩いている人が少なくない。たばこの火は表面温度が700℃を超えるそうだが、それを指にはさんで元気よく手を振って歩いている人もいる。個人的な経験では、手がぶつかったことがこれまでに数回あった。ほんの一瞬だから手ならさほど問題にもならないだろうが、近くを小さな子供が歩いているときなどハラハラしてしまう。手にぶつかったのなら「やっごめんなさい」ぐらいですむだろうが、子供の目に入ったらそうはいかない。成人式の晴れ着などに触れたら焦げを作るのではないかとも思う。客観的に見て、かなり危険な行為ではないか。

「自分は気をつけている」という喫煙者の方もいるだろうが、問題はそういうことではない。中には気をつけていない喫煙者もいる、ということだ。そういう喫煙者に出会った不運を嘆くしかないのでは困る。そういう事故が起きたらそのときに賠償責任を問えばいいではないかというのは問題の解決になっていない。現に危険な行為がそこらじゅうでまかり通っているではないか。この現状はなんとかすべきだ。

ここまで考えて、たばこを吸うという行為が、ある行為とよく似た性格を持つのではないかと思い至った。車の運転だ。

運転は本来個人の自由だ。ただしこの行為は危険を伴う。事故を起こして訴えられるのはいやだから注意して運転する運転者も多いだろう。しかしそうでない人も混じっているかもしれない。野放しにして事故が多発しないよう、運転はいったん一律に禁止し、一定の資格を備え、訓練を受けた者に対してのみ免許を与えるようにしよう。これが自動車運転免許の思想だ。「運転」を「喫煙」に置き換えて読んでみてもらいたい。けっこう説得力のある理屈にならないだろうか。喫煙は、利便性(快適性のほうがいいかも)はあるが、危険を伴う行為だ。だから一定の資格を備え、訓練を受けた者だけに免許を与えるようにすればよい。

たばこについては、たばこ事業法という法律がある。たばこの製造は日本たばこ産業㈱しか行うことができない(第8条)。小売販売も許可制で、営業所ごとに財務大臣の許可を受けなければならない(第22、23条)。この法律は消費者保護等のために供給者側を律する法律だから、ここには喫煙者の義務は登場しない。

たばこのいわゆるポイ捨てについては、東京都千代田区が「千代田区生活環境条例」を設けてこれを禁止しているほか、他の自治体もさまざまな条例を設けている(千代田区のサイトには他自治体の条例も紹介されている)が、これらは喫煙そのものではなく、吸殻のポイ捨てに対する規制だ。車の運転の例でいえば、「暴走行為の禁止」に近い。ここで言っているのは「喫煙」そのものについてだ。

車の運転に関しては、道路交通法第84条で、免許取得を義務づけている。これと同じような法律を喫煙についても作ったらよい。喫煙を法律でいう「業務」と定めるのだ。これにより、一般的な場合に比べ行為者の注意義務の度合いが増す。他人に怪我を負わせたら業務上過失傷害になるわけだ。吸殻のポイ捨てについても、条例より厳しい取り扱いができる。歩きたばこも相当やりにくくなるだろう。未成年者の喫煙についても、より効果的な抑止ができるかもしれない。

マナーを守り、周囲に気を使ってたばこを吸う人にとっては実害は比較的少ない。もちろん免許の取得と更新は面倒だろうが、健康診断と組み合わせて、その際に免許更新手続きを行う、というのもいいかもしれない。免許更新のためには健康診断を受けざるを得なくなるわけで、喫煙者の健康増進にもいい。免許制度維持のコストは、当然ながら日本たばこが負担し、最終的にはたばこの販売価格を通して喫煙者に転嫁されるのが筋だと思う。それもたいへんだとは思うが、たばこがもたらす健康被害と、それによる健康保険の医療費の増加という観点からみれば、たばこはもう少し高くてもいいのではないか。

念のためもう一度繰り返しておくが、これは暴論だ。生真面目に反論されても困るのでその点よろしく。「なんだこれは」と思う人も多いだろうが、一方で「その通り!」と叫んでいる人も少なくないと思う。喫煙者の方々、少し考えてもらえないだろうか。あ、無理か。問題なのは「気にしない喫煙者」なんだし。やはり法制化が必要なのかもしれない。

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Comments

あと、免許更新の際には真っ黒になった肺の写真を見せるとか。
やまぐちさんのお話は確かに喫煙者からすれば暴論じみているかもしれませんが妙な説得力がありますね。

私は煙草以外に自転車の免許制度も一度真剣に考えた方が良いのではないかと思っています。無灯火、右側通行、歩道の暴走、買い物袋の過剰積載、携帯使用での走行、歩行者や自動車側が被っている事があまりに多い様なので、これも罰則を設けてきちんと取り締まるべきなんじゃないかと。と、二人乗りをする私が言っても説得力は無いんですけど。

Posted by: さかまた | September 04, 2004 01:48 AM

>あと、免許更新の際には真っ黒になった肺の写真を見せるとか。

更新時講習は必須ですね。車の場合も、事故や違反があった人向けのやつは厳しいですからね。

自転車の免許も、ありうべしだと思います。あれも危ないですからねぇ。まあ自転車に乗ってる人の立場からいえば、どこを通っていいのかよくわからないようなあいまいな状況というのも問題なんでしょうけど。

免許だらけの世の中というのも住みにくいだろうとは思うんですが。

Posted by: 山口 浩 | September 04, 2004 09:58 AM

私もタバコは全く吸わない(吸ったことがない)のですが、嗜好の問題なので、喫煙者に吸うなというのはキツイように思います。(私はノンベエですから)
大学の時の教授もまったくタバコを吸わない人で、タバコは人体に有害なそうだから、非常に高い値段にすれば良い、それでも吸いたい人は吸うでしょ、と言われていました。
これは良い様に思っています。一箱で200円とか300円(幾らか知りませんが)と言うより、数千円にしてしまえば、皆さん体に悪いことはしなくなりませんかね。かつ国が全ての販売をすれば税金で潤います。
ダメかな?

酒も高価にしてくれば、私の酒量も減りそうだけど。

Posted by: maida01 | September 05, 2004 12:29 AM

さかまたさん>煙草以外に自転車の免許制度も

暴論ついでに歩行者にも免許を。
免許更新所長にデューク。

Posted by: eda | September 05, 2004 10:14 AM

maida01さん>数千円にしてしまえば
イギリスで確か1000円くらい、ドイツやフランスも500円
くらい。(日本は300円くらい)。日本はJTが政治家と仲良さ
そうなのでじわじわと増税するしかなさそうですね。

その代わりビールはヨーロッパではジュースより安かったりする
ので、生活必需品と言う事か。私は案の定、酒量激増でした。

Posted by: eda | September 05, 2004 05:24 PM

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