フィルム・コミッションのアジアネットワーク
当面は、各地のロケ地の写真や動画をインターネットに載せ、撮影機材や通訳、法律、通関、税金などの情報を載せることから始める。多様なアジアにふさわしいFCの基準を作ってアジア全体に広げ、アジア以外の映像関係者にもAFCNetの活用を働きかけていく、ということらしい。
各国とも、各地のフィルムコミッションが参加している。日本からは、札幌から沖縄まで、以下の10団体が正会員になった。ちなみに、全国フィルム・コミッション連絡協議会には71のFCが加盟している。
①札幌フィルムコミッション
②東京ロケーションボックス
③横浜フィルムコミッション
④名古屋ロケーションナビ
⑤大阪ロケーションサービス協議会
⑥神戸フィルムオフィス
⑦姫路フィルムコミッション
⑧福岡フィルムコミッション
⑨長崎観光地映像化支援センター
⑩沖縄フィルムオフィス
日本以外では、韓国は3カ所、中国は2カ所、インドネシア、マレーシア、ロシアからは各1カ所のフィルムコミッションが参加している。
フィルムコミッションについてアジアのネットワークが必要という機運が日韓主導で高まってきたのは、ここ3年ぐらいのことのようだ。韓国では、複数の国にまたがる撮影や合作が増えるにしがたい、文化やことばのちがいから、ロケ地でのトラブルも目に付くようになったらしい。
映画産業振興策については、韓国の積極的な取り組みが目立つ。フィルムコミッションについても同様のようだ。日本では、経済効果をあてこんでフィルムコミッションを設立したはいいが、スタッフも行政現場の理解も不足して実際の活動はなかなか、というところも少なくないらしい。確かに、自然環境やら何やらでロケをどんどん呼べる、という状況ではないだろう。
アジアの少なからぬ人々にとって、日本は魅力的なところだ。しかしその多くはまだ潜在的なものにとどまっている。「冬のソナタ」が韓国旅行者を増やし、韓国語学習者を増やしたように、日本で撮影された内外の映画が、アジア各国の人々の日本への関心を高める可能性がある。日本映画界にはなかなか注目してもらえないフィルムコミッションも、むしろ海外に目を向けたほうがいい結果を生むかもしれない。
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