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October 04, 2004

社会保険庁に意見しよう

社会保険庁長官が業務やサービスの改善・効率化に関する意見・アイデアを募集している。新たに民間から就任した長官が、国民の声を広く集めようということだろう。同庁は今、山積するさまざまな問題に直面している。いろいろ意見をいいたい人もいるだろう。せっかくの機会だ。おおいに利用しようではないか。

社会保険庁といえば、今渦中の役所だ。年金の赤字という根本的な問題もさることながら、特定業者への不透明な随意契約による発注、年金過払い・未払い、年金保険料の無駄遣い、CM製作に関する収賄、レセプトの個人情報流出など、こまごまとしたミスや小悪事のオンパレードがニュースをにぎわしている。

7月6日、厚生労働大臣が「社会保険庁改革について」を発表し、社会保険庁長官の民間からの起用とその補佐体制の整備などを定めた。これに従い、7月30日に損害保険会社から村瀬新長官が就任し、その下で9月10日には最高顧問として、㈱リコー最高顧問の浜田氏と弁護士の堀田氏を起用した。今回のアイデア募集は、その一連の流れに沿ったものなのだろう。

社会保険庁は9月17日、同庁の改革に向けた65項目の「緊急対応プログラム」をまとめた。ファクスによる年金相談サービス開始、相談窓口増設、年金保険料の強制徴収、年金相談窓口の業務時間延長、インターネットによる年金情報閲覧サービス、競争入札の徹底、調達委員会の設置、内部通報制度、本庁と地方庁の人事交流など、さまざまな項目にわたる。ただ、いかにも官僚的な総花式政策で、ややインパクトに欠けるようにも見える。大半が都道府県採用者であるために人事面での柔軟性に欠ける点など、業務改革に向けた「本丸」の部分は手つかずとの批判もある。

もちろん、意見を出せばそれが即反映されるというものでもないし、これだっていわゆる「ガス抜き」策である可能性もある。だが少なくとも、ものをいえる機会があるのはいいことだ。もしわれわれ一般市民が社会保険庁のあり方になんらか自分の意見を反映させたいと思うなら、このルートは当面唯一のものといってもよいかもしれない。うさ晴らしに罵詈雑言を並べても先方は「貴重なご意見」と承るだろうから、そういう目的で使おうとする人もいるかもしれないが、それではあまりにもったいない。入力フォームで許された1,000字の範囲内で、自分なりの改革案を提唱するもよし、市民としての率直な感覚を示すもよし。建設的に使ったほうがお互いのためにいいと思う。私たちが思っている以上に、官僚は「世間の評判」を気にしている。直接的な効果はなくとも、「自分たちは関心をもたれている」という意識自体が、社会保険庁改革の大きな推進力になるかもしれない。Bloggerの中にも年金問題に関わっている人々がいる。実名では書きにくいかもしれないが、意見を出して、その内容をblogでも公開してはどうか。

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