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October 08, 2004

米大統領選市場:共和党優位続く

米大統領選挙が近づいてきた。これまでアイオワ大学の「米大統領選得票率予測先物市場」の動向については、1ヶ月に1回のペースでお伝えしてきたが、少し間隔を縮めることとしたい。予測市場も、予測対象となる事象と時点が近いほうが予測力が高まる。

前回、9月29日時点(10月1日の記事)では、第1回めの討論会直前の状況をお伝えした(2日に追記)。その後新聞報道などでは、ケリー候補が急速に勢力を盛り返し、支持率で現職のブッシュ大統領に並んだとの調査結果が伝えられている。しかし、予測市場においては、まだ共和党勢の優位が続いているのだ(10月5日時点までのグラフはこちら)。

グラフをみると、確かに第1回の候補者テレビ討論以後、共和党の価格は下げ、民主党の価格は上げている。この点では世論調査結果と整合的だ。しかし10月5日時点の終値では、民主党の価格は$0.489と、共和党の価格$0.512を上回るには至っていない。過去の価格トレンドをみると、差が上下してはいるが、ほぼ一貫して共和党の優勢が続いている。直近である10月7日19時15分(CST)時点のquoteをみると、共和党が$0.517、民主党が$0.484であり、共和党の価格はさらに上がっている。(ちなみに、アイオワ大学の市場は24時間取引可能なので、ここでいう「終値」は、東京株式市場などでいう終値とは若干意味が異なり、「最後に取引されたときの価格」である。)

この傾向は、アイオワ大学で運営しているもう1つの米大統領選予測先物市場である、「勝者総取り型(Winner-Takes-All)予測先物市場」においてもみられる。この予測先物は、ある2択型(Yes-No)の事象について、それが実現したら$1、実現しなければゼロのペイオフが得られるように設計されている。つまり、この予測先物の価格は、その事象、ここではある候補が大統領になるという事象が発生する確率についての期待値、ということになる。したがってその価格は、得票率予測先物とは自ずと異なったものとなる。
10月に入ってからの価格の推移を挙げておこう。

       共和党  民主党
10月1日   0.629   0.375
10月2日   0.603   0.450
10月3日   0.578   0.415
10月4日   0.584   0.426
10月5日   0.593   0.406
10月6日   0.561   0.440
10月7日   0.574   0.430 (19時15分時点の終値)

テレビ討論以降下降傾向にあるものの、水準としてはやはり共和党勢の優位が続いていることがわかる。この市場は6月から始まったが、価格推移のグラフはアイオワ大学のサイトで見ることができるので参照されたい。予測先物としての設計上、本サイトで作成しているグラフよりややふれが大きいが、価格の動き方自体はかなりよく似ていることがおわかりいただけるだろう。

前回、2000年の大統領選挙のときはどうだったのであろうか。再び得票率予測先物市場に戻って、2000年10月1日から7日までの価格推移を挙げてみる。このときは改革党が候補(ブキャナン氏)をたてていたので、得票率としては3つの党の争いになっていた。

       共和党  民主党  改革党
10月1日   0.490   0.505   0.014
10月2日   0.483   0.490   0.025
10月3日   0.489   0.495   0.021
10月4日   0.478   0.507   0.021
10月5日   0.470   0.513   0.022
10月6日   0.472   0.515   0.022
10月7日   0.476   0.510   0.018

この市場は結局、指定された日のニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト両紙の報道に従い、共和党$0.497、民主党$0.499、改革党$0.004で清算された(実際の選挙結果は例のすったもんだのあげくにブッシュ氏が大統領となったわけだが、それはまた別の話)。10月時点の価格からは若干ちがうが、ほぼ趨勢を適切に予測しているのがおわかりいただけるだろう。

ポイントは、10月時点の価格でみたときに、2000年の大統領選挙のときに比べて、共和党はより高く、民主党は低い価格であるということだ。

一方、世論調査などでは、ケリー候補の巻き返しに注目が集まっている。ここ数日の報道をみると、以下のような感じだ。ただし、世論調査などは、どんな質問に対する答えかに注意していただきたい。「あなたは誰に投票するか」という質問は、「今日の討論会でどちらが勝ったか」「イラク問題への対処能力はどちらが上か」といった質問とは、あきらかにちがっている。結果として、一連の報道は、直近の動きをいたずらに強調する方向、しかもどちらかといえばケリー候補が優勢となった場合をより大きく報じる傾向がある(マスコミはいつも「犬が人間にかみつく」ほうが好きだ)。

10月5日に行われた副大統領候補によるテレビ討論では、共和党のチェイニー副大統領と民主党のエドワーズ上院議員が激しい舌戦を繰り広げ、それぞれの持ち味を出して「ほとんど五分五分で優劣は付けがたい」(CNNテレビ)との評価を受ける引き分けとなった。この討論終了直後の世論調査では、ABCテレビが43%対35%でチェイニー氏の勝利、CBSテレビは逆に41%対28%(引き分け31%)でエドワーズ氏勝利となり、ケリー候補がどの調査でもブッシュ大統領を上回った第1回大統領選テレビ討論のような明確な差はつかなかった。

10月6ロイター電では、ABCが10月3~5日に選挙登録有権者を対象に行った世論調査で、支持率はブッシュ大統領が49%、ケリー候補は47%となり、2~4日時点の調査ではブッシュ大統領が51%、ケリー候補が45%と6ポイントあった両候補の差が2ポイントに縮小したと伝えている。

9月30日の第1回テレビ討論会終了後に主要な世論調査機関とメディアが行った「大統領選が今日行われたら誰に投票するか」を尋ねた世論調査の結果が、10月4日までにほぼ出そろった。討論会前の調査はいずれも「ブッシュ勝利」だったが、今回は6つの調査のうち、ブッシュ大統領が優勢を保ったのは3つだけ。2つは両氏が同率で並び、残り1つではケリー候補が逆転した。

10月4日、米主要メディアや調査機関は第1回テレビ討論会を受けたブッシュ大統領とケリー候補の支持状況に関する世論調査を相次いで発表した。全般的に両者の支持率の差は前回に比べて縮小している。調査は10月1~3日、約500~1,500人の成人を対象に実施された。
◎ニューヨーク・タイムズなど
 ブッシュ大統領48%、ケリー候補47%(現職がリードを保つも差は前回から7ポイント縮小)
◎ワシントン・ポスト調査
 ブッシュ大統領51%、ケリー候補46%(差は1%縮小)
◎ピュー・リサーチ・センター調査
 ブッシュ大統領49%
◎ニューヨーク・タイムズ紙調べ(国際問題と、テロの脅威への対処能力について)
 ケリー候補を評価する回答は、それぞれ討論前に比べ2ケタ前後上昇
 ブッシュ大統領はケリー候補を上回ったが、評価の比率は前回から横ばい状態

第1回テレビ討論会を受けた世論調査結果(4日時点)
◎CBSテレビ調査では、ブッシュ大統領ケリー候補の支持率はともに47%
◎ゾグビー調査でも、ブッシュ大統領46%、ケリー候補45%

ニューズウィーク(電子版)は10月2日、第1回テレビ討論後に実施した世論調査結果を発表し、「統計的に互角の戦いになった」と報じた。
◎ケリー候補に投票すると答えた有権者は47%
◎ブッシュ大統領に投票すると答えた有権者は45%

第1回テレビ討論で、ケリー候補はイラク問題など外交政策でブッシュ大統領との違いを鮮明にすることに成功し、政治評論家らの間ではケリー氏に軍配が上がったとの見方が有力となった。
CNNテレビとUSAトゥデー紙、ギャラップ社の共同調査では、「どちらの候補が良かったか」との質問に53%がケリー候補と答え、37%のブッシュ氏を圧倒した。同様の質問に対し、ABCテレビの調査は、ケリー候補勝利が45%、ブッシュ大統領が36%、引き分け17%。CBSテレビ調査でも、43%対28%でケリー候補が優勢であった。
CNN調査によると、ケリー候補に対する「好感度が増した」との回答も46%に上ったほか、60%が「ケリー候補の方がより明確に自身を表現した」と答え、課題とされた自己アピールでも成果があった。

さて、結果はどうなるだろうか。両候補の第2回討論会は10月8日(日本時間9日)、第3回は10月13日(同14日)、一般投票は11月2日だ。選挙関連の情報はこちらも参考になる。

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