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November 22, 2004

雑誌目次をみる:「月刊 mr partner」

一部に好評の「雑誌目次をみる」シリーズ。第2弾は「月刊 mr partner」。

「少ないお金で夢の暮らしと結婚を両立させる!」。わかったようなわからないような、ちょっと不思議なキャッチフレーズだ。「ミスター・パートナー は個性的な暮らしと生き方を応援する月刊女性誌。結婚・仕事・住まい・旅・健康・海外生活を柱に、個性的な暮らしを実現したい読者の夢をサポートしています。」とある。知らない方、これでどんな雑誌をイメージされるだろうか。ピンときた方、あなたは鋭い!

(しつこいようだが、この雑誌や読者を揶揄する意図はまったくないので念のため)。

さっそく最新号、2004年11月号の巻頭特集から。
「イギリス、フィレンツェ、上海、ソウルほか ごちゃごちゃ迷路の夢世界 世界の路地裏ブームをさぐる!」
なぜイギリスだけ「国」単位なのかわからないが、まあいい。選択も個性的だ。なぜこの4つなのだろうか。

インタビューは村山由佳。「ほんとうに泣ける恋愛小説が読みたいあなたへ」

・時の人「長塚京三」:パリ留学時代を振り返る
・人生の目的「奥田瑛二」:跳べない歳だからこそ、僕は、跳びたかった
・女の冒険「廣川まさき」:自然に抱かれる旅 ユーコン川1500km川下り
・ドキュメント「冬ソナブームの仕掛け人が予想する 人気確実の次に観たい韓流ドラマ」
・海外特集「スコットランドの編み込みニット サリーおばさんのセーター物語」

続いて大人気コーナー。
・「MP白書 大地震が来たらそのときあなたは?」
・「外国人からラブコール 国際結婚プレス」
・「英国人シェフポールの奮闘記 from London」

連載エッセイはこちら。
・岸本葉子「40代のひとり暮らし」
・いぢち氏のトレンド漫画[徒然犬]
・岡野あつこ「バツイチ再婚への掟」
・野浪まこと「男が愛に醒めるとき 男が愛に燃えるとき」
・井形慶子の人気エッセイ「英語を話す人 あきらめる人」
この「井形慶子」さんというのは、この雑誌の編集長だ。何冊も本を書いているけっこう有名な人らしい。

MPコミュニケーション広場
・INTERVIEW「私、人と関わるのが好きです 予備校講師 表三郎さん」
・11/10(水)~12/9(土)「フリマカレンダー 首都圏社会人のためのネットワークリスト」

その他の情報も。
・産地直送!全国うまいものセレクション「お歳暮ギフト」
・秋を楽しく過ごすアイテム大集合
・個性あふれる人気宿と話題のスポット大集合「Resort Special 」
・スゴ腕テクニックで身体が喜ぶ「MP編集部オススメスポット」
・心のバランスを取り戻し、元気エネルギーを補給「Healing」
・憧れの住まいを実現するヒントがここにある「井形慶子の住まいと暮らし」
・キレイの近道を徹底検証「Beauty&Health」
・週末旅行にフラリのんびりくつろぎの休日「私をどこか連れてって!」
・人気グルメショップを総チェック!!「MPオススメショップ」
・冬がくる前に人気サロンで体エネルギーをチャージ「MP編集部オススメスポット」
・冬じたくで足りないものネットでショッピング「WEB特集」


傾向がみえてきただろうか。これだけではまだ難しいかもしれない。次に、バックナンバーをいくつか拾ってみる。「~月号」の次にある「」内は巻頭特集だ。

2004年10月号「恋人は外国人」
・30代からの国際結婚のススメ、秋の日のオペラ・デート、他

2004年9月号「1日5,000円イギリスの旅」
・オリンピックアイドルの時代、有名人のスタイル‥パク・ヨンハ、他

2004年8月号「日本の中の外国に行こう」
・米軍基地のある街恋愛事情、ルポルタージュ‥‥日韓恋愛どこまでホント?、他

2004年6月号「あなたの憧れの国 ピザの値段」
・If‥もしもあの人がブスだったら、他

2004年3月号「仕事を辞めて語学留学ビザで海外暮らし」
・ネパールの国際結婚、夢の住処‥都心に1000万円ボロアパートを買う、他

2004年2月号「島は買えるのか?」
・部下と上司は本当に仲良くなれるのか、小さな商売で手に入れた夢の人生、他

2003年12月号「英国セント・ギルダ島の何も持たない生き方」
・止まらない物欲完全ガイド、生活大国イギリスの知られざる習慣、他

2003年11月号「30代からできる海外移住の夢」
・ドキュメント‥真夜中私は買物に行く、ドキュメント‥ネパールの野草、他

2003年10月号「理想の家を1万円台で借りて住む」
・男と女の経済学‥稼いだ金を返せ!、ドキュメント‥運命を変える言葉の力、他

2003年8月号「イギリス 2度目の歩き方」
・ドキュメント‥なぜあの人は英語を話せるのか?、ドキュメント‥医者は命の恩人か?、他

2003年8月号「国際恋愛 外国人とつきあって泣く人、笑う人」
・ドキュメント‥真夏の夜に見るブリティッシュミステリー、夢の住処‥キャメロンハイランド、他


だんだんみえてきたのではないだろうか。こうしてみると、この雑誌が「望ましいもの」としているポイントは、おおまかにいえば「海外」「結婚」「安い」の3つだ。ちなみに2003年12月号は面白い。巻頭特集の「英国セント・ギルダ島の何も持たない生き方」と、その次にある「止まらない物欲完全ガイド」がどのように共存するのだろうか。

それでもよくわからないという方、最大のポイントは誌名だ。なにしろ「ミスター」で「パートナー」だ。1988年10月に創刊されたこの雑誌は、うろ覚えだが、以前はもっとちがったキャッチフレーズ(「一生のパートナー」との出会いを演出する、とか何とか)で、コンセプトは「どうやったら外国人と結婚できるかを追求する雑誌」のような感じだったと思う。あまりにベタな誌名と内容なので記憶に残っている。

事実、11月号にも同名のコーナーがあるが、この会社のサイトには「国際結婚プレス」というページがあって、「海外に暮らす外国の独身男性と、MP読者の出会いを取り持ってしまおうという国際恋愛応援コーナーだ。掲載された人に直接エアメールを送って、まずはコンタクトを取ってみよう。憧れの恋のカタチに一歩近づけるかも・・・!」とある。マンハッタンに自分のお店を持ち、「世界にチェーン展開したい」と語るNY在住のレストランオーナー(41歳、趣味/映画鑑賞、瞳/ブルー、身長/189cm、体重/80kg)やら、「お母さんが日本人女性。だから彼も日本が大好きだ。将来のパートナーは日本の女性以外には考えられない」と語るホノルル在住の医療セラピスト(38歳、趣味/サーフィン・旅行・スポーツ全般、髪/ブラウン、瞳/ブラック、身長/178cm、体重/88kg)やらが、写真とインタビューつきで紹介されている。外国人だ。「海外に暮らす日本人男性」ではだめなのだ。

要は、この雑誌の読者にとっての理想像は「ごくふつうの日本人女性の私がリッチな外国人男性と結婚して海外で優雅に暮らす」といったところだということになる。徹底したシンデレラ志向だ。ぐぅの音も出ない。しかし80年代から一貫してこのコンセプトを守り続けていることをみれば、この雑誌がちゃらちゃらした軽いものではないことがわかるだろう。本気なのだ。真剣勝負なのだ。決して他力本願などではない。現代の「シンデレラ」は、ただため息をついて床を掃除していたりはしない。情報を仕入れ、訓練を重ねて、戦略を練りつつ「その日」に備えており、いざチャンスとあらば果敢に飛び込んでいく「戦士」なのだ。気合の入っていない男(特に日本人男性)は、ゆめゆめうかつに近寄ってはならない。

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Comments

山口浩さん、おはようございます、

朝からのけぞってしまいました。

この「Mr.Partner」の編集長って井形慶子さんとおっしゃって以前、仕事でお世話になった方です。井形さんは、トラックバックさせていただいた「イギリス式月収20万円の暮らし」の作者でもあります。なんつうか、世の中狭いですね。

Posted by: ひでき | November 22, 2004 07:19 AM

コメントありがとうございます。
「イギリス式」は知ってます。確か最近イギリスの住宅に関する本を出されましたね。この雑誌には、実は創刊当時から注目していました。「こういう雑誌が存在しうるのか」と驚愕した覚えがあります。当時はその真価がわかりませんでしたが、最近目からウロコが落ちたように納得がいきました。ある意味すごい雑誌だと思います。これからもがんばってほしいです。
ただ、男性版はありうるのかと考えると、少しうーんとうなってしまうのはなぜなのでしょう?このへんは別の機会に。

Posted by: 山口 浩 | November 22, 2004 09:12 AM

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Tracked on November 22, 2004 07:17 AM

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