« 集中のリスクと分散のリスク | Main | 残念! 経産省blog »

December 31, 2004

年の終わりに

2004年もいよいよ押し迫った。どんな年でも「激動の年」と形容されるが、今年はその中でも大きいほう、だったのではないか。NHKで今年のニュースを振り返る番組を放映していたが、「大物」ぞろいだと思う。地震や台風などの自然災害だけでなく、戦闘やテロ、あらゆる種類の犯罪、…。

犠牲になられた方々の冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々に対して心よりお見舞い申し上げる。今も苦しんでいる方々があちこちにいる。たいしたことができない自分を心底ふがいなく思う。

特に、自然災害は年末に至るまで各地を襲い続けた。12月26日に発生したスマトラ沖地震の被害者は、各国合計で7万人を超えるという。日本人の被害者も十数人に上った。新潟県中越地震の死者は40人、負傷者は約4,500人だった。スマトラ沖地震の被害規模の大きさは、観測史上4番目の強さだったらしいが、想像を絶する。今後も感染症など被害の拡大が懸念される。被害国の多くはODA先でもあるし、日本もできる限りの支援をすべきだと思う。関係機関のご尽力を期待したい。

その他さまざまなニュースがあったが、いちいち挙げていてはきりがないのでこのへんでやめる。来年は、今年よりも少しはいい年になりますように。

私個人にも、人様に語るほどのものはないが、いろいろなことがあった。全部合わせれば、やはり「激動」だったと思う。こまごまのうちの1つはこのblogを始めたことだが、おかげでさまざまな人に出会うことができ、新たなことを知ることができた。お世話になった皆さんには心より感謝したい。

個人的には、正直いってかなり面白い1年だった。しかもいつどんなことを考えていたのか、blogというかたちでしっかり残っているのだ。他の方にはわからないかもしれないが、本人が読み返してみると、さまざまなことがものを考えるきっかけになり、それらが融合してまた新しい考えを生み出すといったプロセスをたどっているさまがみてとれる。これまで脳内でもやもやと起こっていたことが、ネットで公開された「パブリック」な場で起きているというのも、とても面白い。

私はまだ、「昔はよかった」と嘆く人々の組には入りたくない。誰かがああしてくれればよかったのに、とこぼす人にもなりたくない。地べたをあくせくと這い回り、「時間がない」と言いながら、ちぎっては投げちぎっては投げ、を続けていくことになるだろう。来年の終わりに、「いろいろ面白いことがあった」と振り返ることができるような、そんな1年になったらいいと思う。

|

« 集中のリスクと分散のリスク | Main | 残念! 経産省blog »

Comments

山口浩さん、こんばんわ、

いんやぁ、私もすごく同感です(笑)。脳の思考プロセスのパブリック化!あ、あとで記事トラックバックさせてください。ちょっと浮かぶところがありました。

実は、告白してしまうと...すんごくはずかしいんですが、自分の書いて文章好きなんです。ほんとうに人にはわかりにくいこと書いていて、何年たってもわかりやすい文章を書けないという反省は真摯にしているのですが、数ヶ月あるいは数年たった文章を自分で読み返して、「おもしろい!だれだこんなにおもしろいこと書いたやつは!」と感じたことがままあります(爆)。

それやこれやと山口浩さんに今年は本当に知的刺激をたくさんいただきました。ありがとうございます。多々失礼なことがあったかと思いますが、今年の早い時期に山口さんとお知り合いになれて本当によかったなと思っております。良いお年をお迎えください。

Posted by: ひでき | December 31, 2004 09:04 PM

ハッピーニューイヤー!
最後の一段落を読んで、ニンマリとしちゃいました。こういう風に魅力的なオトナがいると、歳をとるって悪くないなと、ホントに嬉しくなります。
人生のセンパイとして、かっこいいオトナの見本として、今後も我々若造をニンマリさせてください。アタシも若造なりの「ちぎっては投げ」を披露できることを願っております。
それでは今年も……いや、まだまだ当分、よろしくお願いします。

Posted by: ドリ | January 01, 2005 01:30 AM

あけましておめでとうございます。私も昨年は激動の一年でした。やまぐちさんのブログの更新頻度とクオリティにはいつも頭が下がる思いです。今年はこのパブリックな場での新たな思考の模索に、私も少しでも携われたらと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。

Posted by: さかまた | January 02, 2005 02:55 AM

皆さま、コメントありがとうございます。

ひできさん
自分で書いておいて何ですが、「思考プロセスのパブリック化」はいうほど簡単なことではないとは思います。私もうーんと思いつつ、ネタも多少加減しつつやってるわけですが。本当はこういうことってもっと適任者がいるんでしょうねぇ。

ドリさん
「魅力的なオトナ」が誰のことかわかりませんが、歳をとるのは確かに悪いことばかりではないです。若い衆がこのへんをわかってくれると、社会も変わるんじゃないかな、と思ったりします。

さかまたさん
ぜひぜひお知恵を貸してください。というか、お互いにネタにできるような刺激を与えられたらいいですね。がんばりましょう。

Posted by: 山口 浩 | January 03, 2005 09:45 PM

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 年の終わりに:

» ネットワーク、自己組織化、そして理解 The Moment of AHA! [HPO:個人的な意見 ココログ版]
先日書いた「対話、ネットワーク、そしてマッハの原理 Mach!」という記事で書き [Read More]

Tracked on December 31, 2004 09:03 PM

« 集中のリスクと分散のリスク | Main | 残念! 経産省blog »