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December 21, 2004

ウィスキーを樽で買う

サントリーがウィスキーを樽ごと売っている。「オーナーズカスク」というシステムだ。

よく農家がこれに類似したサービスを提供している。「私だけの米」「私だけのリンゴ」などだ。ワインもあったと思う。それを思えば、確かに「私だけのウィスキー」があってもおかしくない。

基本的には、樽を買い、いいタイミングで瓶詰めして送ってくれるというサービスだ。ちなみに、山崎蒸留所の1979年もので203リットル(ボトル290本分)入りの樽は価格3,000万円とのこと。これは高い。1本あたり約10万円につく計算になる。一方、同じく山崎でも1994年製で119リットル(171本分)入りのものは85万円。これなら1本1万円前後にあたるので、「お買い得」か。

しかし、この樽は大きい。ひと樽買うと、ボトル100~500本分にあたる量がとれる。下手をすればもう一生ウィスキーには不自由しないくらいの量だと思う。いったいだれが買うのだろう。バーなどが営業用に買うならわかるのだが、個人で買う人がいるのだろうか。もしいるとすればよほどのウィスキー好きだろうが、これを買ったら、その人はもう一生ウィスキーを買う必要はなくなる。ということはウィスキーファンを市場から1人失うわけで、ウィスキーを製造販売する会社として、必ずしも賢明なことではないように思えてしまうのはうがった見方なのだろうか。

まあ、個人で買う人は多くはいないだろうから問題はないか。3,000万円はともかく、80万円でもおいそれと手が出る金額ではない。ただ個人的には、「樽」という容器そのものに興味がある。樽に入っているというだけで、味が2割増しぐらいにはなるような気がする。さすがに実物大を家に置くわけにはいかないが、ミニ樽みたいな器に入れて売るのであれば、興味をひかれなくもない。うろ覚えだが、スコッチで20~30リットルぐらいの樽で売っているものがあったと記憶している。ただそれでも、私の酒量では、消費するのにかなりかかるだろうが。

こういうしくみでなく、利用者が自分でブレンドして「自分のウィスキー」を作り、それを販売できるしくみを作ったら面白そうだ。会員組織にして、誰それのブレンドはいいとかやるわけだ。で、人気のブレンドの作者にはちょっとした報酬(ウィスキーで、というのもいい)が入ると。消費を楽しめるしかけを作れればけっこう面白いビジネスになるのでは、などと素人的には思ったりする。

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