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December 19, 2004

マスメディアの社会的責任:アーカイブの開放

マスメディアの社会的責任について、あちこちでいろいろ議論されている。だいたいは、社会にとって重要な問題をきちんと取り上げるべきだとか、取材において守るべきルールとか、そういったことだ。

マスメディアの社会に対する責任について、もう1つ提言したい。
「アーカイブの開放」だ。

ここでイメージしているのは、メディア各社がインターネットで公開している情報サイトだ。今、新聞社やテレビ局のサイトでは、最近の記事やニュースの検索・ダウンロードができるが、一定期間経過後は、削除されたり、有料サイトに移したりしていることが多いと思う。これをなんとかできないか、というわけだ。

私たちがさまざまな考えをめぐらせたり、意思決定をしたりする場合に必要な情報は、最新のものばかりではなく、むしろ昔から蓄積された情報をひもとくことが多い。言論の分野では、調べものなどにおいてネットを利用したり、サイトの記事などをハイパーリンクで参照したりすることが増えているが、少し古くなると、ニュースや記事などへのリンクが切れていることがよくある。最近、国会図書館がウェブサイトを記録し始めるとの報道がなされたが、年に数回程度というから、上記の意図からみればほとんど無力だ。Googleのキャッシュに残っていたりすることもあるが、システマチックでないし、網羅的でもない。

今まで、マスメディアの責任というと、情報をどのように発掘し、伝えるかという「フロー」の部分にばかり注目が集まっていた。ここで書いているのは、過去に伝えられた情報を利用可能な状態に保持し続けるという「ストック」の部分においても、マスメディアの社会的責任があってしかるべきではないだろうか、ということだ。

もちろんコスト面の問題もあるだろうが、近年の技術の発達により、情報量あたりの記憶媒体の価格は劇的に下がっているし、これからも下がり続けるだろうから、過去の記事やニュースを公開し続けることの負担は、以前と比べて比較にならないほど小さくなってきている。少なくとも、国会図書館のような施設で中央集権的に集めるよりも、情報の出所がおのおの保持しておくほうが全体のコストが安くすむのではないか。詳しく知らないが、Wired Newsみたいなところは、リンク切れになることがあまりないように思うが、あれは過去のニュースをそのまま残しているのだろうか。

記事やニュースという貴重な「コンテンツ」を収益につなげるため、有料サイトに移すというのも、確かにわからなくもないが、もともと無料で公開していた情報だ。ビジネスモデル上資金は別のところですでに「回収」しているわけだし、過去のニュースをコンテンツとして有料で売ろうという発想は、必ずしも利用者にとって納得のいくものではないような気がする。たとえば現在の購読者には過去のアーカイブを開放するとか、なんらか方法があるのではないか。

人は過去に学んで未来を考える。学ぶべき過去が身近にあることは、人間を手っ取り早く賢くする。過去と同じあやまちを防ぎ、うまくいった経験を思い出させてくれるからだ。ぜひご検討いただけるとよいのだが。


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