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February 27, 2005

eBayの学会が開かれるらしい

日本からはもう撤退してしまったが、eBayは、世界全体で125百万人(2004年)のユーザーをもつ世界最大のインターネットのオークションサイトだ。2000年とやや古い文献では、世界のオンラインオークションの70%がeBayなのだそうだ。

今年の夏、eBayの文化的、社会的、経済的影響について考える学会が英国で開かれる。「Cultures of eBay: making sense of social and economic aspects of the eBay ‘phenomenon’」という。

概要は次の通り。

開催日:2005年8月24-25日
場所: University of Essex, Colchester, UK

英国ではこのテーマの学会は初めてだそうだ(アメリカではどうなのか書いていないが気になる。「eBayの」とまで銘打ったものはあまりないかもしれない)。もちろん、とりあえず英国ではeBayが最大手なのでこういうタイトルにしているわけで、別に他のインターネットオークションに関する発表は受け付けないというものでもないらしい。どうも主催者の側も、こうしたテーマの学会にどのくらいのニーズがあるのか測りかねているらしく、関心のある人は先に知らせてほしいと呼びかけている。ちなみにこの学会は、ESRCの研究プロジェクトに根ざしているとのことだ。

主催者側が想定される参加者は以下の通り。
・ニューメディア、Eコマース、社会学などの研究者
・関連する分野の実務家
・大学院生
・業界のコンサルタント

リンク先の告知文に、趣意のようなものが書いてある。オンラインオークションサイトは、われわれが中古品を探し、買う際のやり方を根本的に変えた。これまで分断された市場の下で不充分な情報しかなかったものが、情報の伝達コストを劇的に下げるネットワークの力により、大きく変化したのである。しかしそれだけではない。eBayの特徴の1つは、その「在庫」が個人の手元にあり、それがeBayのデータベースに登録されるという分散型の構造である。 さらに、単なる買い物サイトではなくコミュニティとしての性格を持っているという点も、重要な要素として挙げられよう。

これらの特徴は、社会のあり方にもさまざまなインプリケーションを持ち、個人だけでなく政府にとっても大きなインパクトがある。たとえばeBayは、身体の障害などのために自由に外出しにくい人々にとって、これまで不可能だった自営業を営むためのプラットフォームとなりうるというメリットがある。また逆に、インターネットであるがゆえに不可避的に発生する詐欺的な行為にどう対処していくかといった消費者保護面での課題も発生する。

これまでeBayについては、出品者の評判に関するフィードバックシステムなどその一部が研究対象となったことはあるものの、e-societyにおける知識、アイデンティティ、コミュニティといったもののあり方など、より広い視野からの研究はまだなされていない。それを進めていくきっかけにしたいというのが、この学会の動機であるようだ。

関心のある方は、2005年3月21日までにMr Martin Hicks にご連絡を。

さて日本は?とふりかえってみる。日本だといわゆるYaHoo!オークション、「ヤフオク」が最大手だ。シェアはどんなものかと思って調べたら、「オークション統計ページ(仮)」というサイトがあって、出品数のランキングが出ている。2月25日正午あたりでこんな具合だ。
サイト名 出品数
Yahoo! 7,369,150
BIDDERS 1,581,256
WANTED 127,137
ぐるぐる 64,645
・アイオークション 2,272
Give You 2,163
・ジャスニコ 503
BOOKBANK 310
なんじゃもんじゃ -

あれ?楽天フリマがない。そのほかにも、楽天スーパーオークションやらEasySeekやらlivedoorオークションやら、いろいろある。リンク集としては、「オークションサイトやや最強リンク!」が幅広くカバーしている。

研究はされているのか。日本学術振興会 未来開拓学術研究推進事業プロジェクト「電子社会と市場経済」のディスカッションペーパーの中に、こういったものがある。

野島美保, 國領二郎, 新宅純二郎, 竹田陽子(2000) 「インターネット・オークション・サイトの戦略に関する研究」、ITME ディスカッションペーパー No.48。
野島美保,竹田陽子(1999)「電子オークションのリスク削減メカニズムのタイプについて」 、ITME ディスカッションペーパー No.21。

財団法人マルチメディア振興センターの委託研究にも、「ネットオークションの利用に関する調査報告書」(2000年)というのがある。

どれも数年前のものだ。日本ではもう「終わった」テーマなのだろうか。英国で今問題になっていることとは何だろう。少々、気になる。

※本題とまったく関係ない追記。中国ではeBayを「易趣」と書くらしい。意味がわからないが音でこうなっているのだろうか。

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