« UFOの 正体見たり 偵察機 | Main | デジタルデバイド、という選択肢 »

February 15, 2005

覚えておこう:「通貨大動乱―ドル暴落で個人資産が消えていく」

水野隆徳著「通貨大動乱―ドル暴落で個人資産が消えていく」、ビジネス社、2005年。

日経新聞に掲載された広告には、こう書いてある。
「緊急提言!」
「2005年は通貨大パニック」
「マスコミが伝える虚構の景気回復論をメッタ切り!」
「ドル暴落、ユーロ高騰、人民元切り上げ そして円は1ドル85円に!」
「経営はパラダイムシフトし、個人は資産を死守せよ」

…ふう。血管ぶち切れそうなハイテンションだ。

著者はマスコミなどにもよく登場する有名な「国際エコノミスト」で、現在富士常葉大学副学長・教授だ(2005年4月に学長就任予定らしい)。「水野塾」というのもやっているらしい。このサイトに出ているプロフィールをみると、こんなふうに出ている。

「東京大学卒業後、富士銀行に入行。在職中はNY駐在シニア・エコノミストなどを歴任。
84年に独立。(社)金融財政事情研究会NY事務所長等を経て国際エコノミストに転身。
ウォール街の事情や米国経済に精通し、英語で日米の経済・金融に切込める数少ないエコノミスト。
経済・国際金融関連のコンサルティング、執筆、講演など多方面で精力的に活動中。
2002年に『水野塾』を設立。安岡正篤哲学と禅に基づいて政道、経営道、人道、マスコミ道を説く新境地を開拓している。」

申し訳ないが私は本書を買っていないので、日経新聞の広告の文言だけから、想像をめぐらせてみる。

以下、妄想モード。

…「緊急提言」する。「2005年は通貨大パニック」が起きる。「マスコミが伝える」「景気回復論」は「虚構」である。「ドル」は「暴落」、「ユーロ」は「高騰」、「人民元」は「切り上げ」られ、そしてなんと「円は1ドル85円に」まで高騰する。この事態に備えるため、「経営はパラダイムシフトし、個人は資産を死守」しなければならない…

…米国の緊縮財政は成功せず、双子の赤字は増大して「ドルの暴落」が起きる。1ドル85円といえば過去最高水準に近い円高だ。日本でも米国向けの輸出産業は大ダメージを受けるが、一方中国市場向けの売上は大きく増加する。中国では、人民元切り上げで輸出型企業の業績は悪化するが、内需依存型企業はさらに発展を続ける。切り上げによって輸入物価が低下するため、国内経済はネットで拡大基調であり、設備投資ブームは継続する。ユーロ圏経済も、米国に依存する部分は大ダメージだが、域内経済への影響は限定的なものにとどまる。全体として、世界経済における米国のウェイトが低下し、逆にアジア域内市場の重みが増加することになる。成長エンジンの1つだった米国が不振に陥るため世界経済の成長は鈍化するが、全体としての影響はそれほど大きくはない。ドル建ての決済も為替リスクが大きいので、ユーロ建てのウェイトが増し、アジア域内での通貨バスケット制採用へと向けた動きが活発化する。したがって、日本企業は米国依存度を低め、ユーロ圏および中国市場へのシフトをいっそう加速すべきである。個人はドル建て資産を減らし、ユーロと人民元にバランスよく配置しよう。株式のリスクは高まる。経済の減速で金利は低位安定するうえ、ドルからの逃避資金も流入するだろうから、当面は国債か。ただし金融機関が保有する米国債の下落に伴う信用リスクを恐れるむきは、(ペイオフ範囲内での)預貯金やタンス預金も依然として有効なオプションだ…

以上、妄想モード、終わり。

うーむ。広告コピーから自分で想像すると、あまり明るくはないが、かといって真っ暗でもなさそうな未来が浮かんできてしまう。「景気回復論」が「虚構」と言いきるのはどのへんからくるのだろうか。そういえば、「景気回復論」を伝えるマスコミって、どこのことだ?私の知る限りマスコミの論調はみなどちらかといえば「景気回復は踊り場」だが。

もちろん、経済や金融は生き物だから、どうなるかわからない。何しろ有名な「国際エコノミスト」だ。今私にはそうはみえないが、後からふりかえってみれば卓見なのかもしれない。だから、覚えておこう。国際エコノミスト水野隆徳氏は、こう予測したと。

・2005年は通貨大パニック
・マスコミが伝える景気回復論は虚構
・ドル暴落、ユーロ高騰、人民元切り上げ そして円は1ドル85円に

繰り返すが、上記の「想像をめぐらせてみる」部分は、本書の広告コピーの表現を「所与の条件」と仮定して、私が勝手に妄想したものだ。買った方、本書の内容とちがっていても文句を言わないでもらいたい(買った方、どんな内容か教えていただければと)。また私自身の将来予測でもないので、はずれたと文句をいわれても困る。念のため。ただ、書いた内容が理論に合わずおかしいとかマーケットの実情とちがうとかいったご指摘はぜひお受けしたい。

また、経済面でのアドバイスをお求めの方は、当サイトに居候しているvirtual economistのサカキバラにもご相談を(これまた念のためだが、サカキバラは人工無脳なので、彼女が話した内容について、私は責任を負わない)。見習い中なので満足な対応はできないかもしれないが。

|

« UFOの 正体見たり 偵察機 | Main | デジタルデバイド、という選択肢 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 覚えておこう:「通貨大動乱―ドル暴落で個人資産が消えていく」:

« UFOの 正体見たり 偵察機 | Main | デジタルデバイド、という選択肢 »