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March 21, 2005

エンドロールをみる:「名探偵コナン ベイカー街(ストリート)の亡霊」

「エンドロールをみる」シリーズ。今回は「名探偵コナン~ベイカー街(ストリート)の亡霊」。

「名探偵コナン」といえば、原作コミックが1995年から通算48巻で人気連載中、テレビアニメも1996年から続く長寿作品。劇場版もこの4月に公開になる「名探偵コナン~水平線上の陰謀(ストラテジー)」で9作めになる。ありえねー設定も、ここまでくればもはや「既成事実」。小学生になった高校生探偵は、原作の始まった年から考えればもう10年も小学1年生をやっていることになる。このまま「ルパン3世」のように、声優より「長生き」する番組となるのだろうか。

「ベイカー街(ストリート)の亡霊」は6作め。コンピュータゲームの中に再現された19世紀ロンドンの街で切り裂きジャックを追うというオタク趣味満載のストーリーだが、「大人から子供まで楽しめる殺人事件」(!)に仕上がっているのはさすが。

オープニングロールは、最初に東宝、次に製作委員会6社。その後オープニング映像にかぶせながら原作、脚本、音楽、キャラクターデザイン、美術監督、撮影監督、音響監督などの主要スタッフ、主要声優6人。プロデューサー2名、監督。「名探偵コナン」シリーズは、必ず最初に、高校生探偵工藤新一がなぜ小学生江戸川コナンになったのかが紹介される。原作の第1話だ。これを見るたびに、最初はけっこう軽いノリだったのだな、という感慨がある。続けるうちにつじつまを合わせなければならなくなる箇所が増えて話がどんどん複雑になっていく。長い続きものもけっこうたいへんだな。

関係ないが、オープニングのバックに必ず流れる「名探偵コナンのテーマ」は、「太陽にほえろ!」のテーマも作曲した大野克夫だ。そこはかとなくあの雰囲気が漂うがけっこう気に入っている。

さて、エンドロール。

企画 1
原案協力 4
絵コンテ 1
キャラクターデザイン/総作画監督 1
アクション作画監督/レイアウトチェッカー 1
作画監督 1
作画監督補 1
デザインワークス 1
編集 1
演出 1

作画監督がふつうのシーンとアクションシーンで分かれている。アクションの多いこの作品ならではだろう。
ここまでで13人。

声の出演 37
小学館アフレコ体験者 9

「名探偵コナン」の劇場版では、毎回小学館の学習雑誌の読者から声の出演者を出している。もちろん端役の子供役なのだが、なかなか面白い工夫だ。すぐにそれとわかるへたくそな演技もご愛嬌。声の出演は全部で46人。

レイアウト 5
原画 67+9社

原画担当の数がかなり多いのではないだろうか。確かに複雑な絵だし、アクションも多いし。
原作の青山剛昌も入っている。これも毎回のことだ。コナン(というか、新一)と蘭のキメのシーンの顔を描いているらしい。

動画チェッカー 1
動画 4社26人+5社

原画があの人数だから、動画もおそらく相当の人数になるはずだ。みた限りでは、全部国内の会社にみえたが、外国へは出していないのだろうか。テレビシリーズでは韓国あたりに出すこともあるようだが。

ここまでのレイアウト、原画、動画関係で13社、99人。

色彩設計 1
仕上検査 4
仕上 2社45人+2社
特殊効果 1
リスワーク 1社
美術監督 1
音楽 1社+13人
背景協力 1社
演出助手 1
撮影監督 1
撮影 2社30人
撮影協力 2社
デジタルコンポジット 1社

デジタルコンポジットはゴンゾだ。そういえばジブリ作品でもゴンゾを使っていた。デジタル処理関係はここが一番なのだろうか。
この部分で12社、97人。

VFX特技監督 1
3DCGIディレクター 1
3DCGI 2
ビジュアルコーディネーター 1
I/O 1
デジタル制作 1
メインタイトルCGアニメーション 1

この部分で8人。

ドルビー技術協力 2
デジタル光学録音 1
音響監督 1
音響効果 1
音響効果助手 1
1st ミキサー 1
2nd ミキサー 1
アシスタント・ミキサー 1
音響制作デスク 1
音響制作進行 2
録音スタジオ 1社
音響制作 1社
オペラ音楽協力 1
主題歌 1グループ
コーディネーター 2
音楽 1+1グループ
(ゲストミュージシャン 1グループ4人)
オリジナルサウンドトラック 1社
音楽協力 1社
音楽プロデューサー 2

この部分で5社・グループ、22人。

エンディング制作 5(演出、撮影、VE、コーディネーター、制作)
エンディングVIDEO編集 1社+2

エンディング関係で1社、7人。

取材協力 4社
タイトルロゴデザイン 1社
タイトル 1社

ここで6社。

編集協力 1
現像 1社
翻訳協力 1社
ストーリーエディター 1
広報 2
制作デスク 1
アシスタントプロデューサー 1

ここで2社+6人。

次に製作委員会のメンバー。
㈱小学館 4
読売テレビ放送㈱ 8
日本テレビ放送網㈱ 4
㈱小学館プロダクション 3
㈱東宝 2
㈱トムズ・エンタテインメント 2

6社計で23人。

文芸担当 1
設定製作 1
制作進行 3
制作担当 1
アニメーションプロデューサー 1
アソシエートプロデューサー 1
プロデューサー 2
アニメーション制作 1社
監督 1

ここで1社、11人。

これまたお約束で、エンドロールの後が最後のシーンだ。ここで製作委員会6社それぞれのメイン担当者と思しき6名。著作権表示。発売元1社、販売元1社。

この部分は6名+2社。

ここまで全部を単純に合計すると、60社、338人。

内容はここまで。以下はおまけの自分用メモ。

まずは「名探偵コナン」劇場版のこれまでの作品一覧。

1997年 「名探偵コナン~時計じかけの摩天楼
1998年 「名探偵コナン~14番目の標的(ターゲット)
1999年 「名探偵コナン~世紀末の魔術師
2000年 「名探偵コナン~瞳の中の暗殺者
2001年 「名探偵コナン~天国へのカウントダウン
2002年 「名探偵コナン~ベイカー街(ストリート)の亡霊
2003年 「名探偵コナン~迷宮の十字路(クロスロード)
2004年 「名探偵コナン~銀翼の奇術師(マジシャン)

テレビシリーズはアメリカでも放映されていて、「Case Closed」というタイトルだ。「一件落着」ぐらいの意味だろうか。主人公は工藤新一はJimmy Kudo、毛利蘭はRachel Mooreと変えられている。「コナン」はConan Edogawaのままだ。「13歳以上」という指定がついている。コナン君は見られないわけね。

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