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April 07, 2005

雑誌目次をみる:「NICHIYUKYO」

「雑誌目次をみる」シリーズ。今回は「NICHIYUKYO」。

日遊協、つまり社団法人日本遊技関連事業協会の広報誌だ。

知ってる人は知ってるだろうが、「遊技関連事業」とは、いわゆるパチンコ・パチスロ産業を指すことばだ。私はこちらのほうはやらないので、何しろ用語が難しい。

「NICHIYUKYO」2005年1月、第165号の目次はこちら。

新春特別対談
・警察庁 田端智明生環課長
・日遊協 深谷友尋会長

「生環課長」とは何か。この業界を所管する警察庁の組織図をみると、生活安全局生活環境課というのがあるから、ここの課長さんのことらしい。風営法の適用を受ける業界だし、ここが担当課なのだろう。パチンコは、法的には「ぱちんこ」とひらがなで書くようだ。で、この対談、田端課長の発言は「ぱちんこ」、深谷会長の発言は「パチンコ」と書き分けている。なんとも細やかな気の使いようだ。

年頭所感
・日遊協 深谷友尋会長「人の身になって行動する、新しい『社会貢献』活動を」
・警察庁 田端智明生環課長「日遊協の健全化活動を評価 より一層の努力に期待」

で、対談されたお2人の年頭所感。

業界8団体新年ご挨拶
・日工組 全日遊連 日電協 自工会 全商協 回胴遊商 補給組合 メダル工業会

こんなに団体があるのか、という感じだ。正式名称を全部いえる方はあまり多くないだろうと思うので、書き出しておく。

・日本遊技機工業組合(パチンコ製造業者の組合)
全日本遊技事業協同組合連合会(パチンコ屋の組合)
日本電動式遊技機工業協同組合(パチスロ製造業者の組合)
・遊技場自動サービス機工業会(周辺機器業者の組合)
・全国遊技機商業協同組合連合会(機械の保守管理業者の組合)
回胴式遊技機商業協同組合(パチスロの組合らしい)
・遊技場自動補給装置工業組合(周辺機器製造業者の組合か)
・遊技場メダル自動補給装置工業会(パチスロのメダル補給機製造業者の組合か)

これらが別々の団体でなければならない理由というのがよくわからないが、きっと何かあるのだろう。それぞれが「NICHIYUKYO」みたいな機関誌を持っているのだろうか。ちなみに日本遊技関連事業協会は、この一群の業界の横断的な上部団体、らしい。

日遊協活動報告
・ボランティア支援先、2団体を決定―日遊協ボランティア応援基金助成団体審査委員会
・社会貢献活動の質問事項など決定―在り方特別委
・「優良店」ガイドラインの条件を全委員が提示―経営委
・スロット筐体部の「再利用は木炭化」で―リサイクル特別委

ボランティアにリサイクル。「よき市民」たらんとする必死の努力だ。「健全な娯楽」だけではなかなか受け入れてもらえないとみえる。「在り方」とはめずらしい字の使い方だが特段の意味があるのだろうか。

日遊協と業界活動
・不正ホールにメーカー・販社は"遊技機販売自粛"を検討―SEC委
・都道府県別に貯玉加盟率を色分けしてHPに―貯玉保証分科会
・登録販社2社に資格停止と取消処分―登録資格審査委員会

「貯玉加盟率」って何だ?

行政・業界ニュース
・防犯カメラで駐車場の車上狙い等6割減少―大阪府警調査
・ラーメンテーマパーク「名古屋麺屋横丁」オープン―ナムコ
・新基準機第1弾がトップ、昨年の重大ニュース―エンビジ総研

どうも業界では「新基準機」というのが話題によくのぼっているようだ。このサイトに詳細な説明があるのだが、正直よくわからない。要は射幸心をあおりにくいよう新たに定めた基準に適合したもの、ということらしいが。

生活探偵
・食と健康の不思議な関係

ホールの人事管理
・離婚したのに配偶者手当を受領

ドラマ仕立てのコラムだ。離婚していながら配偶者手当をもらい続けていた社員をどう処分するか。これがまた面白いのだ。社長さんは「…解雇も辞さないといっているが、私も当然だと思う。しかし、この10年会社にはよく尽くしてくれた。この功を考え、降格させても適当な人材もいないから、罪1等を減じて2週間の自宅待機処分とする」と温情を示し、違反者は「不服だなんて滅相もございません。…復職しましたら、ご恩返しのため一生懸命働きます」と答える。なんだか時代劇だな、ましかし、めでたしめでたし、と思ったら、ワンポイントアドバイスで「2週間の自宅待機はいかにも甘すぎる。会社の都合で甘い処分をすると、後々同じような事例で頭を悩ますことになろう」とばっさり斬り捨てている。いや経営者というのも難しい。

パチンコ文化史
・「原田丸」天気晴朗なれど波高し

本誌最大の目玉だ。都遊協の原田理事長の半生を記したものらしい。今号では1990年、原田副理事長(当時)が理事長を退陣させたときの話。暴力団排除のための抜本対策を渋る現職理事長と、理事長選挙で一騎打ちとなる。投票所へ向かう原田副理事長の前に理事長が立ちふさがり、「貴様理事長になりたいならオレを殺してからなれッ!」と絶叫したそうな。なんとも生々しい。こんなこと書いていいのか?で、就任早々「換金システムの改革」に取り組む。暴力団との関係の原因ともなっていた「特殊景品」(なんだそりゃ?)をやめて一般景品(なんだそりゃ?)にする。実体経済で通用する一般景品で換金が比較的容易な景品として「金地金」を採用した、とのこと。ここで注目されるのが、警視庁の対応だ。警視庁は当時、一般景品として何がいいかについて、独自に検討をしていたのだとか。金、銀、銅、プラチナの4種の中でどれがいいか、「グラムあたりの単価と景品限度額との兼ね合い、偽造防止、さらに還流防止の手だて」など、科警研で実験、検討してもらった、とある。なんだかあうんの呼吸ではないか。いや別に悪いといっているのではないのだが。

特集 パチンコ産業と社会貢献(その9)

ホール名所図会
・東京都中央区日本橋人形町、富沢町、堀留町と"歌舞伎芝居、元吉原、蠣殻銀座、椙森神社"

業界誌の目・マスコミの目
・好調な新基準機のスタートと今後の課題

「北朝鮮にもパチンコ店開店?」と題して、平壌市青春通りのメアリ射撃館内でパチンコを楽しむ市民の写真が朝鮮中央通信から配信されたとの記事。いや「北朝鮮初」もさることながら、「メアリ射撃館」っていったい何だ?そのほうがよほど気になる。

マンガ
・第5回 パチンコ笑ホール

頑張れ!!店長
・"今年の願い"―転換の年を迎えて

風営法ミニ講座(116)
・風営法に基づく報告・立入り

新台情報
・パチスロ新基準機はまだ先

「新基準機」について、「平成16年11月の型式試験等状況」が出ている。

遊技機種別   受理件数 結果書交付 適合 不適合 みなし不適合
ぱちんこ       70      52     26    26      0
回胴          9       7     0    7      0
アレンジボール    0       0     0    0      0
じゃん球        0       0     0    0      0

なんだか新基準というのは、難しいテストがあるらしい。「試射試験の結果、短時間出玉率、中時間出玉率、役物比率、連続役物比率の一つ又は複数の試験結果が規則で定める値を超えた」ものはだめ、ということだそうだ。回胴は前記のとおりパチスロ。アレンジボールは?と思ったら、はてなに出ていた。しかしじゃん球はどうしてもわからない。ピンボールのことか?

東西南北コンコース
・支部長が立ち入り検査の推進を強調―中部支部ほか

編集委員会から

ちなみに表紙の写真はイギリスのストーンヘンジ。裏表紙には㈱平和取締役販売事業部長の平野征宏氏が登場する同社の広告。「よく学び よく遊べ。」とコピーがついていて、平野部長がオフィスでパソコンを前に紙風船で遊んでいる写真だが、その背景にある本棚の「蔵書」がいい。「銀玉と禅」「回転寿司の掟」「回転運動と右脳の考察」「平和紳士録」「超常現象と遊技」「上野駄菓子屋一代記」「球体のスペクトル法」「5番台のマリー」「愛と勇気と決断と」「デジタル3D童話集」「江戸そば大辞典」「楽理論」「世界摩訶不思議物語」「パーラーの中心で勝ちを叫ぶ」「居酒屋ダンディ論」「キムチの掟」「満員御礼の科学」「遊びの達人」「東上野の宇宙人」「遊技場進化論」…。どれも読んでみたいではないか。

さらに気になるのはいすの陰に隠れた「経済学とカルビの…」。いったいどんなタイトルなんだーっ!

まったくどうでもいいことだがこの雑誌、全56ページで定価840円。けっこう高い。

で、感想をひとこと書いておくと、全体としてこの業界、警察との緊密な連携が窺われる。いや別に批判しているのではなく、現実的な対応ということなのだろう。しかし、だとすれば、パチンコ、パチスロにはここまで前向きに対処しているのだから、カジノについてももっと前向きな対応をとってもいいのではないだろうか。カジノが合法化されれば、これでまた業界団体が5つや6つは増えるかもしれないのだし。

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Comments

ネットワーク構築で、この業界の仕事のお手伝いをしたことがあります。いろいろ、なつかしく思い出してしまいました。

換金周辺の話では、警察が中心となって「浄化」。それまで「そのスジ」の方が業務(シノギと呼ばれるらしい)としてやってきたものを完全排除し、警察管理下の別の福祉系団体が換金窓口を運営。福祉団体との連携をとって換金窓口要員を派遣すると同時に、「そのスジ」との接点を完全にぶち切り。

都内でも、業務(シノギ)を失った「そのスジ」からの報復で命を落とした警察関係者の方もおられたそうで、関東だけでなく関西の遊技業界でも語りぐさとなっております。

警察関係はがっちりこの業界に入り込んでいます。しかし、私の勝手な憶測ですが、新たにカジノのことを言い出すと、他の省庁や政治家も首を突っこんできそうで、今の利権までも揺らいだりするとまずい、ということが背景にあるのではないでしょうか。

遊技関係会社では、どの店にも本社中枢に警察の生活安全課と連絡をとりあう警察担当の方が配置されていて、新台の設置届け出や旧台の撤去など、すべてに関して届け出/検査/許可という形が守られています。

Posted by: miyakoda | April 07, 2005 09:45 PM

miyakodaさん、コメントありがとうございます。
とにかくこの関連は、用語が難しくて。業界内のことばもそうだし、それを警察が表現することばもそうだし。
射幸心を過度に煽らないようにした新基準機を入れると人気が落ちるのではという危惧が業界の中に強いようですけど、実際のところどうなんですかね。

Posted by: 山口 浩 | April 09, 2005 10:30 AM

質問なんですが、パチンコ業界を仕切っている政治家はだれなんだろう?

Posted by: 宝島 | September 15, 2005 08:33 PM

宝島さん、コメントありがとうございます。
ご質問について、私は情報を持っておりません。一般的にはパチンコ業界は警察庁の管轄ですから、もし「警察族」のような議員がいるなら、そういう人は影響力をもっているかもしれませんね。また、警察と関係がなくともパチンコ業界の方々と親しい政治家というのがいるかもしれませんが、私は知りません。あしからずご容赦ください。
でも、そもそも政治家が仕切っているんですか?

Posted by: 山口 浩 | September 15, 2005 10:50 PM

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