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「セレブ」学会が開かれる

学会にもさまざまあるものだ。メールマガジンに登録しているとさまざまな案内が送られてくるのだが、たまに「!?」と思うようなものがある。

というわけで今回目にしたのが「セレブ学会」。

何じゃそりゃ!?

もちろん大まじめな、アカデミックな会議だ。正式な会議名は「CELEBRITY CULTURE: AN INTERDISCIPLINARY CONFERENCE」という。日本ふうにタイトルをつければ「セレブリティ文化国際コンフェレンス:学際的アプローチ」ぐらいな感じか。

開催場所はスコットランドのUniversity of Paisley(ペーズリー大学、か。いい名だな)。「Ayr」という海沿いの街だ。日本からだとグラスゴー国際空港からが近い。日程は9月12日から14日まで。

最近梅田望夫さんにお会いする機会があったので、先日まで書かれていた人気blog「英語で読むITトレンド」のまねをして、英文を入れてみる。Call for paperによると、この学会の目的はこうだ。

The aim of this conference is to examine the role played by celebrity and stardom in contemporary societies. The conference plans to develop existing work on celebrity through a uniquely interdisciplinary range of perspectives. It is open to a wide range of methodological approaches including audience research, historical studies, textual analysis, industry research and theoretical analysis.

これまでセレブリティに関する研究がさまざまな分野でなされていたということらしい。私は見たことがないが、社会学、歴史学なんかではあるのだろう。「セレブの経済学」なんてあるのだろうか?うーん、少なくともまじめなものはあまり例がないと思う。経営学関連では、たとえばいつぞやとりあげたcurated consumptionみたいなものはこの範疇なのだろう。アカデミックな検証がなされたことがあるのかどうか、私は不勉強にして知らないが、マーケティングの人なんかはきっとやってるのではないか。ご存知の方、ぜひご教示いただければ。

Areas considered will range across the cultural industries, including film, television and popular music, as well as sports celebrities, politicians, monarchy, and literary celebrity.

セレブといってもいろいろジャンルがあるわけだ。日本だとどうだろう?映画やテレビ、音楽、スポーツはまあいい。政治家?政治家をセレブと呼ぶかね?政治家夫人、みたいなのは入るか。皇族は確かに含まれるだろうが、なんだか違和感がある。

しばらく考えてわかった。「セレブ」という表現がいかんのだ。「セレブリティ」ならわかる。これなら雅子妃殿下やら紀宮殿下やらを含んでも失礼にあたらないだろう。「セレブ」というと、どうしても安っぽくなる。日本では「セレブ」のハイパーインフレが起こっているということなのだろう。アメリカはロイヤルファミリーがいないからパリス・ヒルトンあたりが代表格になるんだろうけど。

イメージしているのは以下のようなテーマらしい。もちろんそれ以外でもいい。

・What is the changing role of celebrity/stardom in the 21st Century and is it similar to/different from earlier periods?
・How important are celebrities to the contemporary global media industries?
・What new academic paradigms are needed to consider the commercial and symbolic significance of celebrities in an era of increasing inter- media connections?
・What can we learn from studying audiences' consumption of celebrities?
・How do celebrities articulate constructions of ethnic/national identity, gender, age, class and sexuality?
・How do celebrities/stars perform and how can we analyse their performances?
・To what extent is the political sphere mediated through celebrities and celebrity discourse?
・What is the historical importance of celebrity figures, and have they replaced traditional role models and heroes?
・How do celebrities function as brands, and how important is celebrity sponsorship of public causes?
・Has celebrity journalism changed contemporary news production?
・What is the contemporary star system in Hollywood/other national cinemas?
・How do celebrities control their intellectual property rights?
・What has been the effect of celebrity biography on literary publishing?
・How important are celebrities to a sense of national/cultural identity?
・Are there alternative forms of celebrity/fame?

日本でこういうテーマの研究をしている人がいるかどうか知らないが、けっこう考えてみると面白いテーマだ。ちょっと思いつくだけでも、たとえば皇族の結婚や出産が日本国民の結婚や出産の動向に与える影響とか、日本における「セレブ」像の変遷とか、「セレブ」たちの社会貢献活動がどんな影響をもたらしたかとか、いろいろ考えられる。データで実証研究ができるものも少なくないだろう。

論文は、レビューの上でだが、学術論文誌「Cultural Politics」の特集号に掲載される可能性がある。われこそはという方は、250語以内の要旨を4月30日までに以下のところにe-mailで送られたい。

Dr. Philip Drake & Dr. Andy Miah
School of Media, Language and Music, University of Paisley - University
Campus, Ayr, Beech Grove, Ayr KA8 0SR, Scotland, UK

Email: conference@celebrityculture.net

情報はこちらから。
http://www.celebrity.paisley.ac.uk

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Comments

「セレブ」って。

セレブ学会の記事から、学会の研究テーマ一覧をつらつら拝見していて思ったこと。つまり、セレブリティとは究極のIntangible Assetなわけですよね。当たり前といえば当たり前ですが。
曰く「How do celebrities function as brands」となるわけですね。
したがって、このテーマは「マーケティング」を専門とする方や、Intangible Asset(Brand)の評価にやっきになる会計学者にもきっと興味あるテーマかと...。

Posted by: 白田佳子 | May 02, 2005 at 12:44 AM

白田さん、コメントありがとうございます。
確かに人につくブランドですよね。で、貨幣価値として測ろうとすると、やっぱり「ベッカム印のおまんじゅう」(?)みたいな商品の超過収益力ってことになるんでしょうか。
こういう学際的な学会って、すごく刺激的になるか、あるいはとっちらかって訳わからなくなるかどっちかでしょうが、面白そうですよね。金と時間があれば覗いてみたい気がしますが、自分に持ちネタがないとつらそう。
日本から参加する人はいるんですかねぇ。白田さんはIntangibles系はいかがでしょうか?

Posted by: 山口 浩 | May 02, 2005 at 01:27 AM

日本のセレブ("Serebu")についてアブストラクトを送ってみました。

Posted by: McDMaster | May 03, 2005 at 11:19 PM

McDMasterさん、コメントありがとうございます。
「eBay学会」に引き続いて「セレブ学会」にも挑戦、ですか。ご健闘を。ぜひ「叶姉妹」とか「デビ夫人」とか、そういった「香ばしい」あたりのニュアンスをうまくガイジンたちに理解してもらえるといいですね。それとも、外国にもああいう人たちがいるんでしょうか。

Posted by: 山口 浩 | May 04, 2005 at 12:12 AM

ヴィッキー・ベッカムあたりはかなり香ばしいと思います。(笑

Posted by: McDMaster | May 04, 2005 at 07:40 AM

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