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April 13, 2005

ゲーム内プロダクトプレースメント続報

2005年4月11日付New York Timesより、ゲーム内プロダクトプレースメントに関する記事「Play to pay: Service inserts ads in games」。(元記事は要無料登録)

同趣旨の記事が「CorpWatch」にも紹介されている。メインにフィーチャーされているのはMassive Incorporated社。ゲームのプロダクトプレースメントについては、前に書いたことがあるが、そこでも取り上げた企業だ。同社はゲーム内に広告を配信するシステムを開発したわけだが、同社の4月11日付ニュースリリースによれば、ベータテストを終えていよいよ事業開始、なのだそうだ。

今年末までに40タイトルのゲームに搭載予定。広告を出す企業としては、Dunkin'Donuts, Intel, Paramount Pictures, Coca-Cola, Honda and Universal Music Groupなどと契約している。 当面ゲーム内広告はPCゲームのみだが、技術的にはインターネットに接続されていればPS2やXboxの中でも可能であり、実際今後予定されている。広告はゲームの進行に合わせて切り替えられる。レベルが上がると広告も変わる、ということらしい。

記事は、ゲーム内プロダクトプレースメントの先行きについてまだやや懐疑的だ。どれほど広まるかわからんとかゲームの内容が影響を受けるとか。実際Electronic Arts社は、技術がまだ充分検証されておらず、たいした収入でもないのにゲームの質が下がっては困るといった理由でまだ契約していないらしいが、最大手としてはまあ当然といえば当然の懸念だろう。しかし広告主がゲーム内容に口出しをする可能性があるとの懸念そのものについていえば、映画でもテレビでもよくある話だし、何を今さらという感じがする。映画やテレビで問題にならないなら、ゲームで問題になると考えるのは何なのだろうかね。また、ゲーム内広告がゲームをよりリアルに感じさせる効果もある、という考え方もあるから、悪いことばかりではないと思う。エルフだの魔法使いだのがコカコーラを飲んでいたらそれは変だろうが、コカコーラだってそんなところに広告出すわけがない。映画で考えてみればわかるだろう。「007」で、ジェームズ・ボンドがWalMartで買い物をするようなことはないはずだ(あ、イギリス人だからMarks & Spencerか)。

スポーツゲームが多いEAは、ファンタジーRPGばかり出している企業よりはずっとプロダクトプレースメント向きだ。実はEAでは、オンラインでないゲームの中には以前から広告を入れている。しかしまだ規模は小さくて、EAの昨年の売り上げ40億ドルのうち、ゲーム内広告収入は1,000万ドルにすぎない。EAもMassiveの技術に注目はしているようで、効果が見込めれば同様の広告に乗り出す方向性らしい。ただしそのときは自前で展開することになるだろう、と記事にはある。他の大半の会社は、自前でやるよりアウトソーシングする方が効率的かもしれないが。

広告主を説得するのも、今はまだひと苦労のようだ。ゲーム内広告の広告効果を計る方法が確立されていないからで、このためMassive Inc.は昨年12月にNielsenと契約し、ゲームプレーヤーがゲーム内広告を見ているかどうか分析した。一般論的には、ゲーム内広告は18-34歳の男性への訴求力がある。この層はあまりテレビを見ず、ゲームをする時間が長いからだ。

ゲームからの広告収入はゲーム1パッケージあたり1~2ドルくらいになると予想されている由。これだと、100万本売れて100~200万ドルか。うーんこの規模ではやや厳しいかも。もうちょっと増えないと、メインストリームとはいいにくいなぁ。

以下はちょっとした脱線。

CorpWatchの記事ではMassive Inc.社を「ビデオゲーム専門の広告代理店」と紹介しているのだが、ああそうだよなといった納得感がある。官報というメディア専門の広告代理店もあれば、テレビというメディアを得意とする広告代理店もある。で、Massive Inc.は、技術面に着目すればIT企業なのだが、ビジネスモデルそのものに着目すれば、ビデオゲームを活動領域とする広告代理店なわけだ。

ネットとメディアの融合とかよくいうのだが、そもそもネットはメディアの1カテゴリーではないか。上記記事の趣旨とは関係ないのだが、その意味では、たとえばネット企業とメディア企業が争っていたとしても、それは新聞対テレビの争い(そんなものがあるかどうか別として)と同じように、新旧メディア間の争いということなんだよなぁ、と。あたりまえすぎる話なのだが、どうもネット対メディア、みたいな図式で語られていると、私なぞはつい2つがちがうもののように思ってしまいそうになるので、覚えておくために書いておく。


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