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雑誌目次をみる:「壮快」

一部に好評の「雑誌目次をみる」シリーズ。今回は「壮快」。

「健康雑誌のパイオニア」だそうだ。出版元はマキノ出版。サイトをみると、出している雑誌4冊のうち3つ、「壮快」「ゆほびか」「安心」が健康関連だ。もう1つが「特選街」というわけで、なんだかとても「強力な布陣」だ。

さて、2005年6月号の目次は次のとおり。

◎クジラの鳴き声
あの和合教授推薦の特製CDつき!≪クジラの鳴き声≫を聴いたら10キロ5キロ4キロ速やせた、深ジワ、かすみ目、ひざ痛、不眠が消えたと急人気
(クジラの鳴き声で10キロやせてウエストにくびれができ更年期障害からも解放など)

サイトをみると、こんな要約が載っている。「…自然界の音の中で、モーツァルトの音楽療法の第一人者・和合治久先生(埼玉医科大学短期大学教授)が今注目しているのが、クジラやイルカなど海の哺乳動物の鳴き声です。クジラやイルカの鳴き声が発する高周波音が、ゆらぎ効果のある波の音といっしょに耳から入ってくると、モーツァルト音楽を聴いたときと同じような健康効果が現れます。」…だったら、モーツァルトの音楽を聴けばいいのに、と思うのは私だけだろうか。別に減るもんじゃないんだし。いや別にクジラさんをないがしろにするわけではないのだが。

◎水キムチ
パッと作れる≪水キムチ≫で15キロ10キロやせた!高血圧に大効果、濃いシミが消えた!色白美人に大変身
(水キムチを100人にプレゼント!阿部美穂子さんも3キロやせて美肌に!韓国女優の羨望ボディの秘密は水キムチなど)

「阿部美穂子」さんって誰だ?と思ったら、この人だった。韓国語がお得意のようで、だから「水キムチ」なわけだ。どうでもいいのだが、さっきから「10キロ5キロ4キロ」とか「15キロ10キロ」とかって何だろうね。どれなんだよ?と聞きたくなる。

◎脳活性ドリル
1日5分 脳が10歳若返る!!川島教授の最新最強≪脳活性ドリル≫
(ボケに効いたとテレビで大脚光! 貧乏ゆすりの我慢、B級グルメ的食べ歩きなど脳が若返る裏ワザを新たに大紹介など)

「川島教授」というのは、東北大学未来科学技術共同研究センターの川島隆太教授だ。「脳機能イメージング研究の第一人者」なのだそうで。さっきの阿部美穂子さんといい、本誌の読者にはすでにおなじみなのだろうが、いきなり出てくると面食らう。「B級グルメ的食べ歩き」は、本誌が追求する体の健康という観点からはどうなのだろう。

◎胸十字
1分でできる≪胸十字≫で耳鳴り、ひざ痛が消えた!7キロ4キロ急やせた、胸も大きくなった人大続出
(テレビで大反響の脂肪燃焼ポーズ!)

…「大続出」は日本語としていかがなものか。だいたいさっきから「急人気」「大効果」「大変身」「最新最強」「大脚光」「大紹介」といちいち大仰なのだが、こういうのは誇大広告にはならないんだろうか。

◎別冊・身長急伸術
完全保存版別冊付録 大人も子供も10センチ6センチ5センチスルスル背が伸びた!!≪身長急伸術≫No.1事典

本誌の読者はまずまちがいなく大人だと思うのだが、そんなにスルスル伸びちゃっていいのだろうか。

そのほかの内容も盛りだくさんだ。
・脳天ハゲ、スケスケ薄毛に黒髪がどかっと生えた!≪卵の薄皮≫手作り育毛剤
・〈耳の治療地図つき〉≪耳こすり≫で緑内障、耳鳴り、難聴、高血圧が正常化、15キロやせた!英語力も大向上
・白内障、飛蚊症、老眼が大改善、花粉症にも大効果!≪ニンジン≫は名病院
・太ジワ、巨大シミ、無数イボが速消えた、胸、おしりも急アップ!≪ツバメの巣≫ドリンク
・≪アリの粉末≫で重症リウマチ、五十肩、ひざ痛、腰痛が見事消えた、性力も大爆発

本誌の関心の範囲はそれほど広いという感じではない。まず体重、目、腰だのひざだの、歯とか髪とか脳とか。中高年の気になるのはまあこのあたりなのだろう。ここでは、とりわけ「大爆発」に注目したい。実はこの「壮快」、ほぼ毎号でこの「大爆発」アイテムを紹介しているのだ。どうも特別なこだわりを感じる。ちょっとバックナンバーから拾ってみるとこんな調子だ。

森光子さんも実行の体操(2005年4月号)
カマキリの卵(2005年3月号)
ニラの種、指ひっぱり(2005年2月号)
指のまたたたき(2004年12月号)
ツバメの巣(2004年11月号)
カルニチンダイエット(2004年10月号)
スイカ(2004年9月号)
ワンワン呼吸(2004年8月号)
ウナギの肝(2004年7月号)
足の指、ソラマメ(2004年6月号)
ショウガみそ汁(2004年4月号)
にがり(2004年2月号)
ショウガみそ汁(2004年1月号)
指ひっぱり(2003年12月号)
ハチの子の粉末(2003年11月号)
別冊付録:大爆発マル強術(2003年8月号)
キウイ(2003年7月号)
キムチ豆腐(2003年6月号)
マル秘No.1大増強食(2003年5月号)
納豆菌(2003年4月号)
性感ゾーンセラピー(2003年3月号)
手のひら、ゴボウ、アリの粉末(2003年2月号 )
折り紙(2003年1月号)
ハブの粉末(2002年12月号)
大爆発最強事典(2002年10月号)
沖縄もろみ酢(2002年9月号)
ニギニギ(2002年6月号)
手、自転車(2002年4月号)
手のひら握り(2002年2月号)

…いやまあなんとも多彩なアイテムで「大爆発」してしまうものだ。これ全部やったらどんなになっちゃうんだろうか。ともあれ、こうやって並べてみると、過去にとりあげたものを再度とりあげている例が少なくないことに気づく。コンテンツ産業におけるリメイクにかねてから関心をもっているのだが、そうか雑誌記事というコンテンツにもリメイクがあったのだ。これは気づかなかった。いってみれば雑誌というのはコンテンツのポートフォリオだ。単体ではなく団体で勝負するコンテンツ。ネット化でアンバンドルへ向かう動きもあるが、目利き機能を生かしたポートフォリオの価値も依然として高い。ああそういえば、雑誌記事にもプロダクトプレースメントはよくあるな。

雑誌を考える際にも他のコンテンツと同じ発想で考えられそうだ。雑誌のコンセプトは、さしずめ「世界観」といえる。「壮快」の世界観は、「ちょっとした努力で簡単に生まれ変われる。若々しさと健康を取り戻す!」といったファンタジー、ということになろうか。



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