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中国政府主催のコスプレ大会が開かれる

「えっ!?」となった方もいるかもしれないが、より正確に書くと「政府主催のイベントでコスプレ大会が行われる」だ。2005年6月1~5日、中国の浙江省杭州市で「第1回中国国際動漫節」(アニメ・マンガ祭)が開かれる。「祭」というが、いわゆる「お祭り」ではなくコンベンションだ。東京で「東京国際アニメフェア」をやったりするが、その「フェア」と同じようなものだと考えていただければ。主催は中国国家広電総局および浙江省杭州市政府だ。で、その場でコスプレ大会が開かれるというわけだ。

中国でアニメなどのコンベンションが開かれることはもはやそれほどめずらしくない。じゃ何で「第1回」なのかというと、「第1回中国国際動漫節」は、中国で広電総局(国家放送映画テレビ局)が主催するイベントとしては初めてだからなのだそうだ。全国で「競争公募」した結果、杭州市が選ばれた由。同市は中国国内でのアニメ・マンガに関する拠点となることを目指しているらしい。この国の場合、大学が新しい動きの震源地になることが少なくない。ここでも浙江大学に動漫画産業研究所が開設されており、この動漫節にも関わっている。

会期5日間のうち、前3日間はビジネスデー、後2日は一般開放とか。企画は展示、フォーラム、イベント、大会の4つに分かれており、「国内コスプレ大会」は、「私が選ぶ10大キャラクター」、「中国アニメオリジナル大賞」、「中国ネット大戦ゲーム大賞」、「アニメ人材発掘オーディション」などとならぶ集客イベントとなっている。「ネット大戦ゲーム大賞」というのは、「Warcraft」とかあたりだろうか。

コスプレ大会に「国内」とついているところに注目したい。この動漫節のサイトをみると、中国語のサイトには5月6日に開かれた(とおぼしき)コスプレ大会(予選、なのだろうか?中国語読める方助けて!)の模様がレポートされており、「犬夜叉」の衣装を着た人たちの写真が出ているが、英語ページにはない。ちなみにこのコスプレ大会のレポートページには「哆啦A梦」(あの「青いやつ」だ)やら「名偵探柯南」(これはわかるね)やらの原画も展示されているとある(フォントがないと作品名が表示されないかもしれない。あしからず)。つまりコスプレ大会は中国国内ファン向けイベントなのだ。政府主催のアニメフェアで犬夜叉だのコナンだののコスプレをされたのでは外国人に面目が立たない、ということなのだろうか。

…それとも、日本からコスプレーヤーが参加するのを抑制したい、とか?実は杭州では2004年11月に企業主催の「漫画・アニメ交流展」が開かれ、その際日本人コーディネーターが企画して「日本のトップコスプレーヤーの団体」が参加した由。「トップコスプレーヤー」っていうのが誰のことなのか、この世界には詳しくないのでわからないが、まあコスプレ発祥の地日本からとなれば世界一の水準なのだろうから、参加してもらいたくないと思うのはむしろ当然かもしれない。というわけで、腕に覚えのあるコスプレーヤーの皆さんも、今回はご遠慮いただきたい。

実はこの動漫節のことはさるセミナーで聞いたのだが、その講師は「日本からプロのコスプレーヤーを」と言っていた。コスプレーヤーにプロがいるのだろうか?「プロのコスプレーヤー」というと、私はつい、遊園地なんかでショーをやっている種の方々を思い浮かべてしまうのだが。ご存知の方ぜひご教示いただければ。

さて、コスプレの話はこのへんにして、動漫節自体についていうと、要は中国政府として、自国コンテンツ産業の強化をはかるためのイベントだが、コンテンツの供給や共同での事業展開なども含め、日本企業への関心は高いようだ。想像力をたくましくすると、北京や上海でなく杭州という開催場所についても、日本企業への配慮という要素がまったくないとはいえないのではないか。

あれ」も中国だが、これも中国だ。

手元にこの動漫節のパンフレットがあるのだが、開催に関する広電総局からの通達の翻訳が載っている。なんだかとても雰囲気がよく出ているので転載する。(全体のごく一部だし、政府だし、文章の性質からいっても著作権の問題にはならないと思うが、問題があるようならご指摘いただければ削除する)

初回中国国際漫画節を行う部門を決めるお知らせに関する部委号:[2005]11

 各省、自治区、直轄市放送映画局(庁)、各放送映画集団(総局)、中央テレビ局、中国教育テレビ局:
 1月26日、初回中国国際漫画節競争活動は北京で完璧に終わった。今度競争活動は共に七つの部門が現場競争を参加した。公正、公開、公平のルールに基づいて、国家国際漫画節入札募り評価審査委員会は投票で決まり、総局共産党組織に報告し、初回中国国際漫画節は浙江省人民政府、杭州市人民政府、浙江省テレビ集団に行われることになった。
 これを知った後、行う部門は大切にし、詳しく企画し、実施も努力し、漫画節の展示を更に完璧し、真剣によく準備しなければならない。人を中心として、重点を突出し、新しく創造し、効率を追求し、高い基点から、高いレベルで初回中国国際漫画節をよくさせ、そして、それを国際水準が持ち、国内外にも有名な優れた漫画節展示会にさせる。
 各競争部門は積極的、真剣、切実の態度を持ち、いろいろな準備をし、総局が行う現場競争会でも、いい精神や実力を示した。私たちは各競争部門に誠に感謝の意を表したいと思う。

国家放送映画テレビ総局
2005年1月28日

翻訳の堅さはご愛嬌としても、熱気というか力み具合というか、気合の入っているさまが伝わってくるようではないか。

反日運動があったとしても、海賊版が出回っていたとしても、日本のコンテンツに対するニーズは強い。ビジネスのやりようはあると思う。事業機会をニセモノに奪われることをよしとするのか、ホンモノの価値を彼らに浸透させていくのがいいか、考えどころなのではないだろうか。

…最後に話題をコスプレに戻すと、昨今の中国人ツーリストの増え方をみていると、これからはコミケにも中国人コスプレーヤーが大挙して闊歩する時代になるかもしれない。まあそれはそれでよしとすべきなのではないか。

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Comments

面白く読ませていただきました。

あの例の中国語の記事は予選ではなく、場を盛り上げるために呼ばれた中国のコスプレイヤーのことを紹介しておりました。

それからこれは私の個人的な意見ですが、冊子に書かれている内容からは熱意ではなく、ただ単に中国語の原文を直訳しただけの文章なので手抜きしたんじゃないかと思われて仕方がないのでは? 本当に熱意や今回のイベントに意気込みがあるのなら、日本語がわかる人にではなく、日本人に翻訳をさせるべきではないかと。

厳しいことを言いながら、どこか今回のイベントには期待してるのでした。

Posted by: dashan | May 17, 2005 at 03:23 AM

dashanさん、コメントありがとうございます。
ええと、冊子の翻訳は、聞いたところでは急遽やったので、きちんと直す時間がなかった由。
ご指摘はその通りですが、まあ「走りながら考える」ような状態なんでしょう。
ほんのちょっと前までは「市場経済」も名ばかりだったことを思えば、日本語版を作ることに思い至っただけでもそれなりの熱意だと、私には思えたので、あのように書きました。それに、あの訳文の堅さもなんだかほほえましいじゃないですか。
ともあれ、いい方向に進展していくといいな、と私も思います。

Posted by: 山口 浩 | May 17, 2005 at 09:33 AM

書き忘れました。
dashanさん、記事の内容について教えていただき、ありがとうございました。

Posted by: 山口 浩 | May 18, 2005 at 12:49 AM

私の書き込みの表現が少しきついような印象を受けられたかもしれませんが、とりあえずこのイベントには期待しているので、もちろん良い方向に進んでいってほしいと思っています。

このイベント開催中、または終了後に私のブログで内容をまた取り上げようと考えておりますので、ご興味がありましたら見に来てください。

Posted by: dashan | May 20, 2005 at 04:00 AM

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