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May 30, 2005

祝 ジャパン・デジタル・コンテンツ信託様

5月27日、ジャパン・デジタル・コンテンツ㈱(JDC)は、金融庁より、信託業免許の交付を受けた。6月13日の業務開始とともに、社名もジャパン・デジタル・コンテンツ信託㈱と変更する(ニュースリリースはこちら)。方針はすでに発表されていたものであり、既定方針通りなのだが、信託業開始は同社の「宿願」であったわけで、ともあれお祝いを申し上げたい。

以下は主に自分のためのメモ。

信託業法の改正は2004年11月26日だった。改正のポイントは次の2つ。

(1)知的財産権等の受託可能財産の範囲の拡大
これまで信託の対象となるのは金銭、有価証券、金銭債権、動産、土地及びその定着物、地上権及び土地の賃借権に限定されていた。それが財産権一般に拡大した。知的財産権も含まれる。

(2)信託業の担い手の拡大
これまで信託業は信託銀行に限られていた。それが一般事業会社も信託業務を行うことができるようになった。免許制の信託会社、登録制の管理型信託会社、登録制の技術移転機関(TLO)、届出制のグループ企業内の信託の4つがある。このほか信託契約代理店、信託受益権販売業者といった制度も認められた。

コンテンツ関連でいえば、知的財産権が信託の対象となったこと、コンテンツ関連企業が信託事業を行えることがポイントだ。それをやった第一号がこのJDCということになる。投資家向け資料をみると、同社の計画では、コンテンツ制作の市場規模2~3兆円の10%、約2,000億円の制作に関与し、その約10%のフィーをとりたい、とのこと。で、3~5年後の売上高200億円をめざすらしい。2005年3月期の連結売上が12億4千万円であることを考えれば、かなり野心的ということになろうが、少なくとも現在までのところは右肩上がりだ。

実際に10%の市場シェアがJDCに落ちるかどうかはもちろんわからない。既存のコンテンツビジネスのプレーヤーたちがこのまま見ているとは思えない。新たに信託事業を立ち上げる場合もあるだろうし、信託銀行と提携してその代理店のようなかたちで参入してくることもありうる。ともあれ競争相手が増えてくる可能性は高い。そうしたコンテンツ業界における有力企業が参入してきた場合、どのくらいの競争力が保てるか。先行者のアドバンテージはどのくらいあるだろうか。

信託という器は、法律で決められた枠組みがあるし、定型化しやすいから、投資家の権利保護も整っているし、コストの面でも優れている。もちろん既存の信託銀行にも同じチャンスがあるわけだし、実際信託銀行もコンテンツ関連は手掛けたいところだろうが、コンテンツビジネスに精通した企業が信託業務を手掛けることには意味がある。

個人的に気になるのは、信託業界の帰趨そのものよりも、コンテンツ業界に、信託を含めた「ソリューション」として、どのような資金調達・知財権管理パッケージがどのくらいの価格で提供されるかだ。コンテンツ制作企業がうまく使いこなせるようなものになっていないと、結局は新たな「投資案件」を資本市場にもたらすだけになってしまう。むろんそれはそれで大事なのだが、金融のしくみはやはり裏方であってもらいたい。手続きの煩雑さでもコストでも、「現場」の人たちを支援できるような、そんなしくみができるといい。その点で、コンテンツビジネスに特化したJDCのような企業への期待は大きい。

ともあれ、信託業進出後の第1号プロジェクトに期待!

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