「国際町」な「町」で行われるとてもローカルな「国際」祭りの話
新潟県には多少の縁があってたまに行ったりするのだが、自治体再編でいつの間にか「国際町」という地名ができていたのを知らなかった。
毎年5月、ここでとても小さくローカルな「国際」祭りが開かれる。
国際町があるのはもとの南魚沼郡、大和町と六日町が2004年11月1日に合併して南魚沼市になったところだ。「町」とついているが、市町村のような自治体というわけではなく、あくまで南魚沼市の中の地名、ということらしい。なんだか複雑だが、まあとりあえず措くとして。なんで「国際」かというと、おそらくここに国際大学があるからだ。国際大学のある地名は、以前は「南魚沼郡大和町大字穴地新田」だった。これが「南魚沼市国際町」になったわけだ。最寄の浦佐駅から国際大学までは約4kmあるが、途中のガードレールには世界各国の国旗が描かれたプレートが取り付けられていたりして、なかなか「国際的」な雰囲気になっている。たとえその4kmの間に信号が3つしかなかったとしても。
この国際大学、地元の人は「ダイガク」と呼ぶが、実は学部がなく大学院だけの、いわゆる大学院大学だ。もともと学部を作る構想もあったらしい。バブルの頃だ。実際、国際大学は大学院に必要な水準をはるかに超える規模の敷地を持っていて、どうも学部開設に備えていたらしいふしがあるのだが、結局まだ学部はできていない。ちなみによく知られている国際大学グローバルコミュニケーションセンター(通称「GLOCOM」)は、同じ学校法人の傘下だが別組織で、場所も異なる(GLOCOMは東京の六本木)。これまた少々ややこしい。
ちなみにだが、実はこの近くに、新潟県立国際情報高等学校というのがある。てっきりこれも国際町の中に入るのかと思ったら、こっちは「南魚沼市浦佐」なのだそうだ。ますますよくわからんが、まあいろいろと事情があるのだろう。
長くなった。さて本題。
「とても小さくローカルな『国際』祭り」とは、2005年5月28日(土)に国際大学で開かれる「ASEAN Night」のことだ(イベント案内はこちら)。時間は午後6時半から9時前後まで。会場は体育館なので、雨でも問題ない。
どんなイベントかというと、まあこういうイベントだ。
ASEAN Night, an affair showcasing ASEAN songs, dances, cuisines and other exciting activities, which has been held annually will be held on Saturday, May 28th 2005 at the IUJ Gymnasium. The foremost objective of this event is to promote and heighten awareness of ASEAN countries' traditions, cultures and values, not only within the IUJ community but also among the Japanese populace as well.
「IUJ」とはThe International University of Japan、つまり国際大学のことだ。念のため。要はアジア各国から来ている留学生たちが、それぞれの国の文化などを紹介するという祭りだ。国際大学の学生はたしか半分以上が海外からの留学生だが、中でもアジア諸国からが多い(アセアン諸国とは、具体的にはインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ (ここまでが原加盟国)、ブルネイ・ダルサラーム、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアだ。念のため)。以前はインドネシアが最も多かったが、今はどうだろう。そこで自分たちの国をもっとよく知ってもらおうと、こういう祭りをささやかながらやっているわけだ。
入場料は300円(12歳以下は無料)だが、中に入ると、学生たちが作った各国料理が「食べ放題」になる(あくまで「試食」レベルだ。量を期待しないこと。それでも回を重ねれば、けっこう腹いっぱいにはなる)。プロではないので「絶品!」だの「まったり」だのとは無縁だが、けっこういけるものが多い。その他典型的には民族舞踊などが披露されるのだが、こういうのもその年の学生によるので、内容は毎回変わる。全体としてなんとも「手作り」感の強い、学生のお祭りだ。
来場者は国際大学の学生や教職員だけでなく、地域の人たちもけっこう来る。ずっと前からやっているので、地元ではそれなりに知られているのだ。やはり目当ては料理らしい。安くいろいろ楽しめるのは、やはり魅力的なのだろう。東京からわざわざ行くべき、とまでは言わないが、近くにいる人なら、私はお勧めする。少なくとも私は行きたいぞ。行けるかどうかわからないが。
以上、「国際町」な「町」で、とてもローカルな「国際」祭りが開かれる話。
最後に言わずもがなのおことわりをしておくが、私は国際大学とは多少の関係がある。だから一般論として、国際大学に対しては若干ひいき目に見る傾向があるので念のため。
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