駐日フランス大使のblog
駐日フランス大使であるベルナール・ド・モンフェラン氏が日仏両語でblogを書いている、と今日の朝日新聞夕刊に出ていた。どれどれ、と見たら、確かにあった。
そのまんまのタイトル。わかりやすい。
フランスでもblogが広く使われている話は、いくつかのニュースで見た。朝日新聞のインタビューでは、「世界で最もブログが進んでいる日本では、ブログが一番いい発信手段だと思ったのです」と語った由。世界で一番進んでいる、とな。まあ社交辞令だろうが、善意で受けとっておけばいい。
先のEU憲法条約否決に関しては、「ヨーロッパは立ち止まらない」と題して、否決がすなわちEUの終わりではないと主張している。以下の文章が気に入った。
「これが民主主義の利点であり、こうした議論を繰り返しながらヨーロッパの土台を確立して行くのです。次に妥協点を見出さなければなりません。ヨーロッパでは、このようなペースで物事を進めるようになって、かれこれ50年近くになります。」
こういう大局観というのは、日本のメディアでは(というか、メディアに登場する人たちの言説において)、あまり目にすることがないように思う。フランスのメディアがこの問題をどう扱っているのかあまり知らないが、これまでもさまざまな紆余曲折はあったことだろう。今後これまで考えられていたのとは少しちがった方向に進むのかもしれないが、これまでたどってきた道のりにもそれなりの理由があったのだから、「EUは終わり」みたいなセンセーショナルな論陣を張るのは短絡的すぎる。
ともあれ、一国の大使と直接対話できる(少なくとも可能性がある)のは、貴重な機会だと思う。まあ立場が立場だから限度があるだろうが、議論という点においては日本とは比べものにならないくらいの蓄積のある国の人だし、新聞やテレビ経由の情報とはちがった角度からのものの見方が得られるかもしれない。情報のチャネルが増えること自体は大歓迎だ。
関係ないが、なぜ数あるサービスの中ではてなダイアリーを選択されたのか、聞いてみたい気がする。
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Comments
こんにちは
ちょびっとだけ類似記事を昔書きましたのでトラックバックさせていただきます。
Posted by: Hiroette | June 07, 2005 07:25 PM
Hiroetteさん、コメントありがとうございます。
確かに、いかにも「民主主義」が根付いている感じ、しますね。自分たちの問題としてとらえているように見えます。だからって社会がうまく運営されるとは限らない、というあたりはなんとも面白いですが。
それと、私はパンのおいしさという点でも、フランスをうらやましいと思います。あ、あとワインも。
Posted by: 山口 浩 | June 08, 2005 12:41 PM