日本アニメ、東へ西へ
「アフロサムライ」は、岡崎能士氏のコミックが原作で、「ブラックカルチャーとサムライ文化が融合」した新感覚の作品だ。サミュエル・L・ジャクソン氏がこの作品にほれ込んで参加を申し出たらしい。作品は2006年末にまず全米でテレビ放映される予定で、その後日本に作品を逆輸入し、英語音声に日本語字幕をつける形で公開するとのこと。作品自体のクォリティもさることながら、アメリカ製の左ハンドル日本車をありがたがるこの国の風潮も追い風になるかもしれない。
このプロジェクトに関しては、最近ゴンゾがしばしば使う匿名組合契約によるファンドスキームが組まれている。SPC(特別目的会社)「㈲サムライプロジェクト」が営業者となって匿名組合を組成し、㈱フジテレビジョンとGDHが匿名組合員として出資、三井住友銀行からの融資も受けているらしい。これだけのプレイヤーが揃っていて、海外展開が約束されていれば融資もしやすいだろう。
一方TYOだが、6月10日に大連市の大連精英美術電影制片などと、合弁で「大連東方龍動画発展」を設立する。資本金は200万ドル(約2億1600万円)で、出資比率は大連精英が51%、TYOが35%となる見通しだという。大連精英はCCTV(中国中央テレビ)のネット調査で最も人気があったアニメ「聊斎(りょうさい)」を制作した企業だ。合弁新会社はこのシリーズの続編を制作するらしい。おそらく作品は中国の国産扱いとなるのだろう。合弁をどう組成すれば「国産」となるのか、これまで誰に聞いてもはっきりした答えは得られなかったが、これがひとつの先例になるかもしれない。「大連」というのがひとつのミソかも。地域振興をはかりたい地方政府との連携が突破口になるという話を聞いたことがある。
東へ行って北米市場をめざす企業があれば、西へ行って中国市場をめざす企業もある。道はそれぞれだが、いずれも市場をより拡大し、日本のアニメ産業の基盤を拡充するためのアプローチだ。どちらがいいとかいうものではない。きわめて大胆にいえば、カッティングエッジ系は北米へ、萌え系は中国へといえなくもないが、まあ納得感のある成り行きではある。いずれもぜひ成功していただきたい。
以下はメモ。
ゴンゾ、TYOの過去の作品を挙げておく。
まずはゴンゾから。
2005年
・バジリスク~甲賀忍法帖~
・スピードグラファー
2004年
・巌窟王
・砂ぼうず
・SAMURAI7
・GANTZ
・爆裂天使
・超重神グラヴィオンツヴァイ
2003年
・クロノクルセイド
・PEACE MAKER
・鐵
・カレイドスター
・LAST EXILE
・GADGUARD
・デジガールPOP!~STRAWBERRY&POP MIX FLAVOR~
2002年
・戦闘妖精雪風
・キディ・グレイド
・超重神グラヴィオン
・最終兵器彼女
・ゲートキーパーズ21
・フルメタル・パニック!
2001年
・FF:U~ファイナルファンタジー:アンリミテッド~
・Hellsing
・ヴァンドレッドthe second stage
・i -wish you were here-
・リアルバウトハイスクール
2000年
・ヴァンドレッド
・ゲートキーパーズ
1999年以前
・青の6号
・メルティランサーTHE ANIMATION
次にTYO。グループ会社の㈲ハルフィルムメーカー、GENCO、㈱ゆめ太カンパニーがアニメ制作を行っている。
まずはハルフィルムメーカーから。
2004年
・うた∽かた(TV放送作品 全12話)
2003年
・低俗霊DAYDREAM(OVAシリーズ・全4巻)
2002年
・プリンセスチュチュ(TV放送作品 全26話)
・ハートカクテルアゲイン(OVAシリーズ・全1巻)
2001年
・新白雪姫伝説プリーティア(TV放送作品 全13話)
・スレイヤーズ『ぷれみあむ』(劇場公開作品)
2000年
・BOYS BE・・・(TV放送作品 全13話)
・ストレンジ ドーン(TV放送作品 全13話)
・天使禁猟区(OVAシリーズ・全3巻)
1998年
・セイバーマリオネットJtoX(TV放送作品 全25話)
1996年
・セイバーマリオネットJ(TV放送作品 全25話)
・またまたセイバーマリオネットJ(OVAシリーズ・全6巻)
1995年
・3×3EYES・聖魔伝説 OVAシリーズ・全3巻
・劇場版マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!
次にGENCOの作品リスト。
2005年
・絶対少年(NHK BS2にて放映中)
・ハチミツとクローバー(フジテレビ『ノイタミナ』枠にて放映中)
2004年
・げんしけん
・エルフェンリート
・DearS
・鉄人28号
・光と水のダフネ
2003年
・瓶詰妖精
・東京ゴッドファーザーズ
・おねがい☆ツインズ
・エイケン
・一騎当千
・キノの旅
・ななか6/17(じゅうななんぶんのろく)
2002年
・千年女優
・七人のナナ
・あずまんが大王
・おねがい☆ティーチャー
・アーケードゲーマーふぶき
・パルムの樹
2001年
・フィギュア17(セブンティーン) つばさ&ヒカル
・エイリアン 9(ナイン)
2000年
・ドッと KONIちゃん
1999年
・宇宙海賊(ステラバスター) ミトの大冒険 2人の女王様
・菜々子解体新書
・天地無用! in LOVE 2 遥かなる想い
・宇宙海賊(ステラバスター) ミトの大冒険
1998年
・スーパードール リカちゃん
・スーパー ミルクチャン
・聖ルミナス女学院
・時空転抄 ナスカ
・異次元の世界 エルハザード
1997年
・天地無用!真夏のイブ
・バトルアスリーテス 大運動会
最後に㈱ゆめ太カンパニーの作品。
2002年
・アニメーション制作進行 くろみちゃん
どうも「くろみちゃん2」を制作中らしい。
関係ない話だが、GENCOの作品リストにある「宇宙海賊(ステラバスター) ミトの大冒険」について。この作品、主人公の名前が「光国 葵」、その母の名が「ミト」という。どうみても「水戸黄門」からきているわけだが、「水戸黄門」というと、どうしても1981年に制作された「最強ロボ ダイオージャ」を思い出してしまう。「ダイオージャ」のほうは主人公の「ミト王子」が「カークス」と「スケード」をお供に連れて諸国、じゃなかった諸星を漫遊するというさらに「まんまやねん」なお話なので、話の内容はちがうのだが、同じ「水戸黄門」をモチーフにしている点は共通だ。いったい「水戸黄門」のどこがアニメの作り手をひきつけるのだろうか。謎だ。
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