国会TVがネットと融合したら面白いのに
今、通常国会が開かれているが、審議の様子がインターネットでリアルタイム動画配信されている。
衆議院はこちら:「衆議院TV」
参議院はこちら:「参議院インターネット審議中継」
ちょっと見る機会があって思ったのだが。
今日の「郵政民営化に関する特別委員会」では、民主党の質問が行われていた。民営化のチラシが随意契約で竹中大臣秘書に関係のある会社に発注された件、公社化した際の「民営化しない」という条項削除の問題、民営化紙芝居の件、独禁法との関係の件。
ここで自分の政治的意見をどうこうするつもりはないが、たとえ賛否どちらの立場の人でも、これを聞いていたら、暗澹たる気持ちになると思う。年収2,300万円也(全部税金だ)の人たちの議論がこれだ。「充分に慎重に審議」の内容がこれなのだ。朝9時から夕方5時まで。1年365日で割れば、1人・1日あたり約7万円。国会開催日数で割ればもっと単価は高い。何人出ていたか知らないが。嗚呼。
しばらくつけっぱなしにしてぶつぶついいながら音だけ聞いていたのだが、つっこみを入れたい気分が充満してきた。で、そういえばと思い出したのが、「攻殻機動隊 S.A.C.」の第5巻収録の第9話「ネットの闇に棲む男 CHAT! CHAT! CHAT!」に出てきたバーチャルチャットルームだ。アバターになって対話する登場人物に対して、ネットのあちこちからリアルタイムでつっこみのコメントが寄せられる。2ちゃんねるを髣髴とさせる状況だが、ああいうしくみは、国会にこそ必要なのではないか。くだらない質問や中身のない答弁に対してつっこみのコメントを入れられるしくみがあったらいいのに。国会の場で長々と紙芝居なんてやってんじゃねー!とかちゃんと質問に答えろ!とか。で、それがリアルタイムで議員たちに伝わったらさらに面白い。評価が数値とかグラフィックとかで表現されたりして。評判の悪い議員は質問を打ち切られてしまうとか。
それから、podcastingみたいに、国会中継に自分の解説をかぶせて配信できる、なんてのも面白いかもしれない。
こういうのは、ネットとマスメディアの融合の1つのかたちとしてありうるんじゃないか。いやもちろん動画配信自体ネットなわけだし、動画配信しているだけ努力しているうちには入るのだろうが、ここまできたらもう一歩欲しい。単に動画を配信するだけではつまらないではないか。技術的にはすでに可能のはずだ。
もしなんらかの理由で難しいなら、せめて国会TVがコメントとかトラックバックとかを受け付ける設定であったらいいのに 。ビデオブログみたいに。少なくとも、ほとんど誰も見ないであろう国会中継を面白くするひとつの試みとして、ぜひ検討してもらいたいと思う。メディアとの連携を狙う「暴れん坊」のL社などどうか。
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Comments
面白いアイディアだと思いました。
そもそも郵政公社の問題に限らず、政治的無関心の問題もあってか、「議員=国民の代表」という図がまったく正確ではなくなっている今、国民の声を反映させるシステムは必要ではないかと思います。
Posted by: tom | June 18, 2005 02:11 AM
tomさん、コメントありがとうございます。
国会も、「ネタ」にすればけっこう楽しめると思います。
これから団塊の世代なんかが退職するわけで、昼間に時間のある人も増えるでしょうから、みんなで楽しみながら「監視」していくといいのではないかと。
Posted by: 山口 浩 | June 18, 2005 01:45 PM