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June 08, 2005

空港で丸裸にされる話(virtually)

アメリカの空港のセキュリティチェックで「丸裸」にされる、という物騒な話が、Electronic Privacy Information Center (EPIC)のサイトに出ていた。

X線で、だが。

6月5日付の「スポットライト」欄だ。米運輸保安局(The Transportation Security Administration:TSA) が新しく、「backscatter」型 と呼ばれる新型のX線検査機を米国内主要16空港に設置し、一般乗客を検査する方針と発表した。従来のように服の上からさわる検査よりもプライバシーの侵害は少ない、というのがTSAの主張だ。

この検査機、実は2003年6月のWired Newsで取り上げられていた。その記事では導入予定となっていたが、それがついに設置される方向となったということか。1台10万ドルするそうだが、現在すでに全米12空港の税関で、違法薬物を所持していると疑われた乗客に対する検査に使われている由。ロンドンのヒースロー空港にもあるそうな。それを一般乗客にも使おうということらしい。一般乗客向けの検査がいつから行われるかは明らかにされていないが、Baltimore/Washington、Dallas/Fort Worth、Jacksonville、Phoenix、San Franciscoなどの空港では使われる予定、と伝えられている。

だが。

こんな機械らしい。この検査機は、医療用に使われるものより高エネルギーのX線を使う。人体には安全だということのようだが、これまでの機械よりX線が強いのであれば、フィルムとかそういったものの対応も必要かも。いやそんなことより、これにより、検査された人体のかなり精細な画像が生成される、というのが問題だ。服は透過するので、当然、丸裸だ。冒頭にリンクした記事に出ているのは男性だけだったが、先のWired Newsの記事やこちらのページには女性の画像も出ている。記事によれば、運輸保安局のスーザン・ハロウェル氏、だそうだ。けっこう精細なクォリティの画像だと思う。毛髪が映っていないように見えるが透過しているのだろうか。とすると、…ということだ。繰り返すが、対象は一般乗客で、男性も女性も関係ない。子供もだ。

昔、男の子のなりたい職業に「風呂屋の番台」というのがあったが、これからは「空港の検査官」になるのだろうか。なんたってアイドルもセレブもここを通るのだ。やんごとなき方々は、…免除されるかもしれないが。

冗談はさておき。

空港で手荷物検査を受けるとき、検査機の画面が見えることがある。自分のかばんの中身が精細な画像で見えることに驚かされるのだが、人体の場合は服が透けてしまうわけだ。4コママンガなんかだと、肌も透けて骨だけ見える、なんてオチになるところだろうが、こちらは嘘でも冗談でもない。検査官だから信用せよ、ということなのだろうが、全員が信用できるかね?ひそかに横流しされたら?外部からハッキングされたら?これだけの画像なら、表面にデジタル処理で肌のテクスチャを貼り付けることもできるんじゃないか。でもって、PtoPで流されたら。

どうしてもいやなら、当面乗る空港を選ぶしかない(鋼鉄の下着、という選択もあろうが、かえって怪しまれて本当に丸裸にされてしまいそうだ)。後処理で電子的に「イチジクの葉」をつけるアイデアもあるようだが、当該部分に、あるいはその「中」に探し物が隠されている可能性を考えれば、検査の目的に反するだろう。アメリカでもプライバシー面で物議を醸しているそうだが、これも「テロとの戦い」の一環、ということになるのだろうか。国民そろって「裸の戦士たち」だな。アメリカに行かれる方はご覚悟を。

関連情報として、EPICの 「Air Travel Privacy page」はこちら。

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