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July 02, 2005

「自由利用マーク」と「Creative Commons」はどうちがうのか

文化庁のサイトに「自由利用マーク」というのがある。「著作物を創った人(著作者)が,自分の著作物を他人に自由に使ってもらってよいと考える場合に,その意思を表示するためのマーク」だそうだ。なんだかクリエイティブ・コモンズに似ているな、と思ったが、どのあたりがちがうのだろうか。

前から関心があったので、自分のメモとして。

自由利用マーク」には次の3種類がある。

jiyuriyo

(1)「プリントアウト・コピー・無料配布」OKマーク
「プリントアウト」「コピー」「無料配布」のみを認めるマークで、変更、改変、加工、切除、部分利用、要約、翻訳、変形、脚色、翻案などは含まれない。要するにそのまま「プリントアウト」「コピー」「無料配布」をする場合のみ。
会社のパンフレットにコピーして配布することも、無料配布ならOK。

(2)「障害者のための非営利目的利用」OKマーク
障害者が使うことを目的とする場合に限り、コピー、送信、配布など、あらゆる非営利目的利用を認めるマーク。変更、改変、加工、切除、部分利用、要約、翻訳、変形、脚色、翻案なども含まれる。

(3)「学校教育のための非営利目的利用」OKマーク
学校の様々な活動で使うことを目的とする場合に限り、コピー、送信、配布など、あらゆる非営利目的利用を認めるマーク。変更、改変、加工、切除、部分利用、要約、翻訳、変形、脚色,翻案などもOK。

(2)と(3)は著作権法の規定とも関係がありそう。法律より広く改変権を認めている、といったところだろうか。(1)は、私的利用のための複製でかなりの部分をカバーできそう。とするとちがいは無料「配布」の部分か。全体として、「権利」に着目している要素が強いように思われる。

このほか、「EYEマーク」というのもあるらしい。
目の不自由な人やその他の理由で活字のままでは本をはじめとする印刷媒体を読めない障害者のために、本等が出版された段階で録音図書や拡大写本を作成してもよいことを著作者が予め宣言するもの。


一方クリエイティブ・コモンズのほうだが、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンのサイトをみると、基本的には6つのライセンスのカテゴリがある。

(1)帰属
利用者は、原著作者・実演家のクレジットを出せば、当該作品を複製、頒布、展示、上演、演奏、口述、上映、公衆送信することができる。また二次的著作物を作成することも、営利目的で利用することもできる。

(2)帰属 - 同一条件許諾
利用者は、原著作者・実演家のクレジットを出し、かつ当該作品を改変、変形または加工した場合、その結果生じた作品をこの作品と同一の許諾条件の下でのみ頒布することができるという条件を満たせば、 当該作品を複製、頒布、展示、上演、演奏、口述、上映、公衆送信することができ、また二次的著作物を作成することも、作品を営利目的で利用することもできる。

(3)帰属 - 派生禁止
利用者は、原著作者・実演家のクレジットを出せば、作品を複製、頒布、展示、上演、演奏、口述、上映、公衆送信することができ、また作品を営利目的で利用することもできる。ただし当該作品を改変、変形または加工することはできない。

(4)帰属 - 非営利
利用者は、原著作者・実演家のクレジットを出せば、作品を複製、頒布、展示、上演、演奏、口述、上映、公衆送信することができ、また二次的著作物を作成することもできる。ただし作品を営利目的で利用することはできない。

(5)帰属 - 非営利 - 同一条件許諾
利用者は、原著作者・実演家のクレジットを出し、非営利で、かつ作品を改変、変形または加工した場合でも、元の作品と同一の許諾条件の下で頒布することに同意すれば、作品を複製、頒布、展示、上演、演奏、口述、上映、公衆送信することができ、また二次的著作物を作成することもできる。

(6)帰属 - 非営利 - 派生禁止
利用者は、原著作者・実演家のクレジットを出し、非営利で、かつ改変、変形または加工しなければ、作品を複製、頒布、展示、上演、演奏、口述、上映、公衆送信することができる。

このほか、以下のようなものもある。
(7)パブリック・ドメイン
作品をパブリック・ドメインに寄贈し著作権を放棄したことを示すライセンス。誰でも何の制約もなしに利用できる。

(8)Developing Nations
途上国の人々であれば、原著作者・実演家のクレジットを出すことにより、作品を複製、頒布、展示、上演、演奏、口述、上映、公衆送信することができる。

(9)Sampling
作品をサンプリングして利用者が自分の音楽や映像作品にとりいれることができる。

(10)米国建国時代の著作権
1790年、米国で最初に成立した著作権法では、著作権の存続期間は14年だったそうだ。それからどんどん伸びて現在の70年に至っている。しかし当時のように、著作権存続期間はそれほど長くなくていいと考える人のために、14年間で著作権を放棄しパブリックドメインに移行させることを示すライセンス。

(11)CC-GNU GPL
ソフトウェア用。GNUのGPL(General Public License)の下でフリーソフトとして公開するためのもの。

(12)CC-GNU LGPL
ソフトウェア用。GNUのLGPL(Lesser General Public License)の下で公開するもの。

こうしてみると、クリエイティブ・コモンズのほうはより幅広い範囲の利用のしかたを念頭においていることがわかる。「権利関係の整理」をベースに考えるか、「利用の促進」をベースに考えるかの差、ということなのだろうか。しかしあまりマークもいろいろあるとわかりにくいという面もあるな。

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