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財務大臣になれるゲーム

新しくできたのか、見逃していたのかわからないが、財務省サイトに「財務大臣になれるゲーム」があることに今日、気づいた。

為替王」さんのblogで取り上げられていたのを見かけたわけだが、財務省サイトを探してみると、確かにあった。「財務大臣になって予算を作ろう!」というそのまんまのタイトルのゲームだ。以前「ゴーゴー!ふぁいなんす☆たうん」にはまった際、財務省サイトはいろいろ見たつもりだったのだが。子ども向けではない「財政に関するページ」の中にあるコンテンツなので気づかなかったのだろうか。

以前、「こんな官庁ゲームが欲しい」という記事の中で、財務省にはバーチャル主計官ゲームがいいのではないかと書いたのだが、一段上の大臣なわけだ。

最初に名前を聞かれる。「山口」と入力すれば「山口大臣」と呼ばれるわけだ。ここらへんでくすぐろうという設計なのだろう。当然ながら「ほげほげ」と入力すれば、いかにも官僚然とした頭のよさそうな若手官僚君から「ほげほげ大臣」と呼びかけられる。

…ともあれ、名前を入れるとゲームスタート。約80兆円ある国家予算の歳入と歳出が示され、ざっと20億円のプライマリーバランス赤字が発生しているという警告メッセージが出ている。その横には歳出のおおざっぱな内訳とその金額がグラフであらわされている。その上には各予算項目のボタンが配置されていて、それを押すと、当該項目の予算を増額・減額するかどうかを決定することができる。

予算項目の中で最も大きいのは「地方交付税交付金」の16兆円だ。たとえばこれを選択すると、「新年度の地方交付税交付金予算の作成」と出て、増減とその幅を選べるのだが、このゲームでいいのは、ここで「国民の声」が出てくることだ。「地方の活力が国の活力につながる。もっと地方に金を流して欲しい。」と増額を求める声と、「日本の財政は厳しい状況。地方交付税交付金も見直すべき。」と減額を求める声と。それぞれ10~50%の幅で動かすことができるが、決定すると、採用されなかったほうはたらたらと不満を述べる。財務大臣の気分が味わえるというわけだ。

作り手としては、財政再建の必要性を訴えたいのだろうが、もちろんそうしない選択もできる。脳天気なほげほげ大臣が歳出をすべて50%増、税収は50%減にすると、歳出は100兆円を超えるのに対し、税収は25兆円程度。棒グラフの地方交付税交付金がぐんぐん伸びていくさまを見ていると、なんだか手がふるえてしまうぐらいだ。で、こんなメッセージが出る。

「当年度の政策のための支出について、租税及び印紙収入等の内でまかなうことができず、借金に頼ることとなりました。 PB赤字は前年より悪化しました。 借金を増加させ、次世代の負担を大幅に増加させることになります。」

これはいかんというので、こんどは「しぶしぶ大臣」にご登場いただいて、すべての歳出項目を50%カットしたうえで50%の増税を行ってみると、今度は10兆円程度の財政黒字にすることができた。最後のメッセージもなんだか誇らしげだ。

「当年度の政策のための支出について、租税及び印紙収入等の内でまかなった上、剰余金を出すことが出来ました。 借金残高を減らし、次世代の負担を減らすことが出来ました。」

ただしこのために、国民負担は増え、サービスの水準は下がる。国民は不満顔だ。それに、背景画像の街から自衛隊員や燃料・食料の備蓄なんかが消えてしまう。

全体として、よくできていると思う。予算の増減額いずれを行っても、プラスの面とマイナスの面があること、それが自分の生活にはねかえってくることがよく伝わってくる。私が想像した「バーチャル主計官ゲーム」は、「陳情に訪れる政治家や他官庁の官僚の要求をはねつけ、いかに予算をシーリング以下に収めるか」を「革新的な自然言語処理技術」を使って実現し、「各官庁の職員研修にも使えるすぐれもの!」というものだったが、さすがにそこまではできないだろうし。

ただ、意見を誘導しているといわれる可能性はありそうだ。予算項目のプライマリーバランス赤字を解消しようとすれば、大きな項目を大胆に削減することがどうしても必要になる。と、目は自然と地方交付税交付金に向く。それに、かなり歳出を減らしても、厳しい予算ではあるわけで、やはり増税は避けて通れない、という方向に目がいく。上記の「しぶしぶ大臣」みたいなことをしたらさすがにまずい、ぐらいの設定をしてもばちは当たらないと思うぞ。

もちろん簡単にできるゲームだし、細かいところをかなりはしょっている。何せ国レベルの話だから、その細かいところですらものすごい規模なのだ。社会保障を50%カットなんて、現実に行うのはもちろん難しい。そういう複雑な話だから問題は遅々として進展しない、という事情があるわけだ。だったらやはり、思い切ってもっと高度なもの、そう「シム政府」ぐらいのものを作ってしまってはどうか。…あ、これも「シム日本」ていうので以前書いたな。いかん、考えることがちっとも進歩しとらん。

ともあれ、財務大臣になりたい方、まずはここで予行演習だ。

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