サイト復活にあたって
この文章が読めているということは、このサイトが「復活」したということになる。
ここしばらく、DNS設定のトラブルにより、このサイトのURL「http://www.h-yamaguchi.net/」でのアクセスができなくなっていた。話せば長いもろもろがあるのだが、まあともあれ復活したのなら、それでよい。ご迷惑をおかけした方々にはお詫びを、ご尽力いただいた方々には感謝を申し上げたい。
今回のことで、いくつか学んだというか、考えたことがある。別に目新しいことではないのだが、ここ数日間のどたばたを経た感慨、とでもいおうか。
(1)マニュアルを信じてはいけない
今回私は、マニュアルにしたがって作業をした結果、いろいろあってマニュアルにない結果に至った。マニュアルは、何も知らなくてもそれにしたがっていけば目的を達することができるように作られているもの、と考えがちだが、実際には、必ずしもそうなってはいないことが少なくない。たとえばマニュアルでは、すべての場合を網羅することがなかなかできなかったりする。あまりに完全をめざそうとすると、冗長になってかえってわかりにくくなってしまうからだ。だから、想定されていない状況下でマニュアルをそのまま適用すると、予想しなかったことがおきることもある。また、当初は正しくても、その後実情が変化してしまうこともある。マニュアルはしばしば、作るときには多大な努力をつぎこむがその後のメインテナンスはおざなりにされたりする。しかし、特にITなどの進歩の早い分野の場合、マニュアルは想像以上に早く陳腐化する。その意味でマニュアルは作るよりもメインテナンスしていくほうが重要なのかもしれない。
(2)アウトソーシングは「任せてしまう」ことではない
今回の私のトラブルの一因は、ドメイン管理業者との間の意思疎通がうまくできなかったことにある。いってみれば、アウトソーシング先との間の問題だ。アウトソーシングをするのは、当然ながらそのほうがより安くより高い水準のサービスが得られるからだが、だからといって当該業務についてまったく何も知らなくていいとは必ずしもいえない。もちろん専門性の高い分野についてプロに任せるのは当然だが、委託した内容についてある程度は知っておかなければ、その部分はブラックボックスになってしまう。ブラックボックスになってしまうとそこは「不可侵の聖域」になり、その後の改善が難しくなる。今回は、管理業者を変えることで解決に至った。委託する側としての最低限のレベルは、「代替委託先をもっておくこと」だろうか。
(3)メールで込み入った話をしてはいけない
「込み入った話だからメールで」という場合がある。電話ではとっさにうまく表現できないこともあるから、きちんと考えた上で、練った文章を送ったほうが理解してもらえるだろう、という理屈だ。しかしどうもこれって、昔の紙に印刷した正式な文書の場合ではないだろうか。メールの場合、日常的に受け取るもののほとんどはどうでもいい軽い内容だ。だから回答をするときもごく簡潔になったりする。長い時間をかけて準備したメールに対してそうした軽い回答を受け取ったらどう思うだろうか。つまり、以前はコトの重大性や緊急性によって媒体を変えていたものが、今はどれもメールになってしまったがために区別がつかなくなり、対応を誤ることもありうる。もしそうなら、込み入った話はメールだけではなく、その他のルートでも伝えられるルートがあったほうがいいのではないだろうか。今回は、最後は電話でのやりとりで解決した。よく照会がメールでしかできない場合があるが、あれはかなりフラストレーションがたまる。特にデジタルデバイドの問題を考えるときには、サポート体制の整備は非常に重要だと思う。
実はもうひとつ教訓があって、それは「世の中安いものはそれなりの理由がある」というものだが、あまりにあまりなので、このへんでやめておく。ああ疲れた。
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Comments
何はともあれ、復活されてめでたしめでたしですね。
一瞬、バーンアウトしてブログ界から去られたのではと思っておりました。
Posted by: senu2385 | August 03, 2005 08:24 AM
senu2385さん、コメントありがとうございます。
バーンアウトするほど一生懸命やっているわけではないのですが、たまに休むのも悪くない、とは思いました。しかし設定ひとつで「世界」から消え去ってしまうというのも考えてみれば恐ろしい話ですね。
Posted by: 山口 浩 | August 03, 2005 08:57 AM