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「総選挙はてな」、米オンラインメディアで紹介

Japan Media Review」というジャーナルがある。アメリカのオンラインメディアで、日本における新技術と社会のかかわりなんかについて取り上げているらしい。なんてマニアックな、と思ったら、大学関係だった。

Japan Media Review is funded by a three-year grant from the U.S. Department of Education, and is a joint project of the University of Southern California Annenberg School for Communication, the USC East Asian Studies Center and GLOCOM -- the Center for Global Communications at the International University of Japan. JMR launched in March, 2003 and is a sister publication of Online Journalism Review.

なんだGLOCOMも入ってるじゃん。

だからそれがどうしたという声が聞こえてきそうだが、簡単にいえば「総選挙はてな」がこのジャーナルで取り上げられたのだ。

記事のタイトルは「Japan's First Virtual Prediction Market Doesn't Predict LDP Landslide」という。「予測に失敗」とは聞き捨てならないが、まあ確かにあれほどの自民完勝は予測できなかったのだから反論もしにくい。

といっても別に否定的な扱いではなく、ニュートラルといえるだろう。私のところにメールで質問が来たので、「将来に希望のもてる結果だったと思う」とか答えたら、しっかり引用されていた。

いや、そんな自慢めいた話をしたいのではない。その記事に、さらに聞き捨てならないくだりがあったのだ。

「Nakaoka's Alternative Viewpoints on Japan」(元週刊東洋経済の人らしい)の記事を引用するかたちで、メディアが世論操作を意図的に行ったという話を紹介している。

Just two days before the election, a small private meeting was held at the center of Tokyo, where journalists, diplomats, scholars, government officials and others attended and freely exchanged their own views about various topics. This time, naturally, the main subject was about the election. One participant, who is well acquainted with newspaper editors, said that the newspapers intentionally reported the conservative forecasts because if they report the most likely results, it would surprise the readers greatly and might influence their voting behaviors. Needless to say, the most likely outcome would be a land-slide victory for the LDP. In a sense, the opinion polls made a correct prediction. Other participants agreed with his comment and analysis.

ぜひマスメディアの皆さんにお聞きしたいのだが、こういうことって本当にあるのだろうか?私がちょっと前にこのサイトに書いた内容から拾うと、8月25日夕刊フジの「自民単独過半数」という記事があった。「大手報道機関の情勢調査」がソースで、「組織団体票といった修正値が加わっていない非公開データ」だとのことだった。このあたりの話をいっているのだろうか?これが「自民300」だったという話は聞いていないが?当時の記事は、他のところもせいぜい「単独過半数」とか「自公で300議席」とかであり、強気のものでも「単独300議席」というのはなかったように思う。上記引用部のくだりがもし事実で、「newspaper editor」が言った意味が「新聞各社は自民300議席を予想していたが意図的にそれを隠した」との主張だとしたら、それは限りなく「言い訳」に近いのではないか。そこまで予測していたとはちょっと信じがたい。それに、あの時点で「自民300議席」などと報じようものなら、世論に影響するどころか袋叩きにあっていただろう。万が一予測していたのなら、慮ったのは、世論への影響ではなく、自社の評判ではなかったのか。

JMRの記者David Jacobson氏向けにひとことだけ。
In your article at JMR, the "most likely outcome" at that time, in my understanding, should have been the majority of LDP with 260-270 seats or something like that. This seemed as feasible but kind-of dare forecast, and they underestimated it and reported "majority of LDP-Komeito coalition (or similar outcomes) as most feasible. I don't think newspapers could forecast LDP's 296 seats, which should have been thought as too outrageous. In this sense, you had better write another article "Opinion Polls Doesn't Predict LDP Landslide, Too."

まあ、そこまで悪意にとらなければ、Jacobson氏の早合点というあたりが真相かもしれない。「自民圧勝」が単独過半数なのか単独絶対安定多数なのか単独300議席なのか、別に決まった定義があるわけではないからだ。それに、メディアが世論調査結果を「conservative」に報じたこと自体は事実っぽいし。ただ、理由は何にせよ、調査結果をきちんと公表しないというのはいかがなものか。調査の公正に名誉をかけるプロの方々に対して失礼だし、第一「真相を明らかにすれば選挙に影響するから控えておく」みたいな考え方は国民をバカ扱いしているようで気に入らない。解決前の誘拐事件を報道しないのとはわけがちがう。別に現政権の肩を持つつもりはないが、最近目立つ「小泉首相にだまされた国民はバカだ」みたいな論調を展開している一部の日本のマスコミに対しては、「そうか、国民がバカだからあんたのところもバカな記事を書いてるのか」と言い返しておく。

国民が報道に影響されることはもちろんありうるのだろうが、世論を大きく動かすことがそれほどたやすいとは思えない。政治のように意見の対立しているものならなおさらだ。世に報道機関はたくさんある。一社が強気の見通しを出したぐらいで、世論を動かせるとも思えないが甘いだろうか。それに、もし仮にそういうことがあるなら、対策はむしろ報道を制限することではなくより活発に報道させてさまざまな情報を伝えることだと思う。報道機関による情報の操作は、いわば独占企業による価格操作のようなものだ。「独占企業」にモラルを求めるより(いや当然求めるべきだが)、競争を促進して独占企業の影響力を薄める方向のほうがよほど健全で実効性がある。

仮定や想像に基づいてこれ以上批判するのもどうかと思うので、このへんにしておく。事情をご存知の方、ぜひご教示いただきたい。

あ、ちなみにこの「Japan Media Review」、他の記事にはR-30とかYes!Projectとか湯川さんのブログとかの話も載っていたりする。このあたり、GLOCOM系の情報がかなり入り込んでいるとみた。興味のある方はぜひご一読を。

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