「ネットは投票に影響しない」という話
9月2日付産経新聞に、選挙におけるネットの活用についての記事が出ていた。
その中で、東海大学の時野谷浩教授が、「ネットは人々の投票行動に影響しない」とコメントしていた。
この時野谷教授、専門は「マス・メディアと電子メディアの効果、受け手に関する理論的実証的研究および理論の国際比較研究」とのこと。新聞でコメントするぐらいだから当然だが、ご専門でいらっしゃるわけだ。
コメントを要約するとこうだ。
(1)以前は新聞もテレビもネットに吸収されるといわれたが、現在では、新聞やテレビなどのマスメディアの方が、ネットより影響力が強いというのが定説。
(2)人々はマスメディアの情報は信用するが、ネットの信用度は極めて低い。
(3)政治家のホームページを見るのシンパだけ。
(4)ネットはマスメディアの取材力には及ばず、投票行動に影響しない。
記事だけを見る限り、「ネットは投票行動に影響しない」はネットそのものの性質に起因するという趣旨に読める。つまり、かなり長期間変わらないだろうという予測と理解した。
いや別にどうこういうものではない。ただ、このことば、覚えておこう。そうだな、あと5年ぐらい。
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Comments
私もこの記事を読んでおやっと思っておりました。
そうですね。覚えておきましょう。
自民と民主の双方がネット解禁についてはかなり大胆に動いていますから、遅かれ早かれネットについては今後議論の対象になると思われます。
専門家がまた山程出てきていろいろ意見も述べるでしょうし・・一有権者として注視していきます
Posted by: こえだ | September 08, 2005 02:03 PM
へへ、この記事をメモリーに入れるのもったいないよね。何処かに晒し者掲示板があればなぁ。(品がなくてごめん)
Posted by: でんすけ | September 08, 2005 10:31 PM
エントリ内容よりもカテゴリが気になった私でした。
記憶期間は確かに5年くらいかもですね。
Posted by: SW | September 09, 2005 12:30 AM
コメントありがとうございます。
こえださん
あちこちでいわれるようになってきましたね。ブロガーにとっては共通利益のように思われますので、大同団結して国を動かせたらいいなと。
でんすけさん
申し訳ありませんが、「晒し者」にするのが目的ではありません。誰しもまちがいをおかすものですし、ひょっとしたらこの教授のほうが正しいかもしれません。私たちがものごとを考える際の参考になればいいなと思って記録しておくものです。
SWさん
「カテゴリが気になった」って、「覚えておこう」のことですか?いや別に他意はなく、覚えておきたいことばなんかを書き付けているものです。5年っていうのはある意味私の「予測」でもあるわけですが、どうでしょうね。
Posted by: 山口 浩 | September 09, 2005 03:39 PM
昨日はありがとうございました。良い頭の整理になりました。
> 「カテゴリが気になった」って、「覚えておこう」のことですか?
ですです。なんともストレートで分かりやすいなぁ、と(笑
ちょっと真面目にコメントすると、現状のスナップショットを取ると1~4まで割とその通りでしょうね。広告費を基準指標とすると2010くらいまでには新聞とネットが入れ替わるんじゃない?と予測する数値がちらほら出ているのでその辺りが転換点になるかが勝負なのでしょう。
あとは、ピンポイントの情報量の多さや口コミCGMみたいな世界が投票行動にインパクトを与えるようになるかというところでしょうか。こればっかりは社会全体の現象でシュミレーションするわけにもいかないのでそのときが来るのを待つしかないですね。
Posted by: SW | September 10, 2005 05:59 AM
SWさん
>ちょっと真面目にコメントすると、現状のスナップショットを取ると1~4まで割とその通りでしょうね。
なるほど。
それは広告媒体としての、ということですよね。選挙となるとどうでしょう?
個人的に知っている範囲だと、マスメディアの方はけっこうあちこちのblogからネタを拾っているような気がします。なので、マスメディアの影響と考えられているものの少なくともいくばくかは、実はネット発かも、と。とすると、そもそも影響力はどうやって測るんだ?と。
Posted by: 山口 浩 | September 11, 2005 12:00 AM