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September 14, 2005

「人間を守るロボット」ではなく「人間が守るロボット」という話

gooにあった「『ニンテンドッグス』から「人が欲する人工知能」を考える」というニュースについて。もとはHot Wiredの記事らしい。

記事は「ニンテンドッグス」の魅力に関するものだ。ヒット作であることもさることながら、日本のメディアでもなかなか評価の高いこのゲーム。この記事の筆者は「人工生命体」のあり方に結び付けて考えたというわけだ。われわれはなぜ「ニンテンドッグス」にハマってしまうのか?こういうことらしい。

われわれが『ニンテンドッグス』を愛してやまないのは、単に子犬たちが可愛いからではない。子犬たちがわれわれを必要としているからだ。

この筆者は、この「発見」にたいそうご満悦らしい。いやそれはそれで別にかまわないのだが、実はこれは特段画期的なことではない。ロボットや人工知能のような、生命体に似せた人工物を動物にたとえていえば、産業用ロボットなど、実用のためのロボットは「家畜」に相当する。これに対し、愛玩用ロボットはペット、ということになろう。ペットならば、人間より愚かだったり人間の助けが必要だったりすることはなんら問題ではない。私たちは犬を散歩させれば糞の始末をするし(してよね、ちゃんと)、ハムスターを飼えば週に一度はケージに敷いたチップを交換する。それと同じことがロボットやその他の人工の生命体(あるいはそれに類似したもの)についてもいえるということだ。

もちろん、ロボットないし人工生命体は、本当に生きている動物とはちがう。だから新しいのだといういい方は彼らにとってはもちろんありうるのだろうが、日本に住むわれわれは、おそらくアメリカ人よりももっとずっと以前から、「生活の伴侶」としてのロボット、という発想に慣れ親しんできた。典型的にはマンガやアニメの中でだ。たとえばドラえもんは、四次元ポケットから道具を取り出してのび太を助ける役回りだが、同時にのび太の「友人」であり「家族」でもある。たとえ道具を出さなくともドラえもんはドラえもんであり、のび太にとってかけがえのない存在なのだ。のび太はふだんドラえもんの世話を焼いたりしないが、いざとなれば喜んでするだろう。

「ニンテンドッグス」のようなデジタルペットは、ある意味で「たまごっち」の直系の子孫であるといえる。「たまごっち」を知っている者にとっては、人々が「ニンテンドッグス」に夢中になるのはそれほど新奇なことではない。アメリカでも掃除ロボットの「ルンバ」に愛着を感じる人々がいるそうだが、思い起こせば産業用ロボットの普及期、日本では産業用ロボットにすら名をつけるといって話題になったものだ。やっと彼らも「追いついた」、ということなのかもしれない。

「ルンバ」のような掃除ロボットは、いってみれば牧用犬だ。愛情の対象でもあるがそれ以前に有用であることによって価値が生じている。これに対し、デジタルペットやAIBOには有用性はなく、存在すること自体に価値がある。技術面の優位もさることながら、「ニンテンドッグス」や「AIBO」のような製品が他のどの国でもない日本で初めて生まれたのには、もっと深い思想的背景があるのではないかと思う。

以下はちょっと暴走。

根拠はまったくないが、日本人のこうした特性というのは、日本人のキャラクター好き、しかもかわいい系キャラクター好きという性質と、なんらか共通の根っこを持っているような気がする。そういえば、「87%の日本人がキャラクターを好きな理由―なぜ現代人はキャラクターなしで生きられないのだろう?」なんて本もあったな。人ならぬものに「人格」をみる発想、とでもいうのだろうか。八百万の神という思想に根ざしているのでは、などと言い出すとやや先走りすぎかもしれないが。

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Tracked on November 02, 2005 06:23 PM

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