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October 10, 2005

雑誌目次をみる:「月刊 旬なテーマ」

一部に好評の「雑誌目次をみる」シリーズ。今回は「月刊 旬なテーマ」。

新聞広告を見て、そのあまりにベタなタイトルに驚愕、さらにそのあまりにベタな内容に絶句した。「ブログも新会社法もわかるってか!?読んだら人に話したくなるオトナの新雑誌」だそうだ。なんで「ってか」なのかね。

2005年9月創刊。出版社は中経出版。こういうふれこみ。

情報誌やオピニオン誌とは一味違う総合実用誌。必ず生活の役に立つ!
テレビ・新聞・インターネット…情報が溢れかえる今、「他人は知っているのに、自分は知らないこと」が多すぎませんか? 「今さら人に聞けない知識」「わかったようでわからないキーワード」が「旬なテーマ」を読めば、すっきりわかります!

新聞広告には「話題に困らない、知識が身につく!カンバセーション・スタート・マガジン」とある。いったいなんだよ「カンバセーション・スタート・マガジン」って。会話のネタそのものじゃなくって、きっかけになるってことか。「オトナ」というが、要はオヤジが会話のきっかけを予習する本、というわけだ。表紙もオヤジ色全開!これならオヤジが本屋で手にとっても恥ずかしくない、な。

話題に表面だけついていこうとか、話を合わせるための知ったかぶりができるようにしようとか、なんとも動機が「身近」というか「志が低い」というか。最近は「LEON」「NIKITA」あたりの欲望丸出し型のファッション雑誌もめずらしくないわけだが、これもある種「モテたいオヤジ」のための雑誌、しかもテーマを「話のネタ」に絞り込んでいて、「LEON」より実用的というか、「飲み屋で部下のOLにいい顔できる」ぐらいのレベルに落としているというか。いずれにせよ「こうまでして」という感じが否めないが、コンセプトを一生懸命検討した結果なんだろうなぁ。

「新書3冊くらいのお得感!「テーマ×人」の単行本スタイルでお届けする創刊2号の特集は……」と謳う2005年11月号の目次はこれ。

特集1
・ハマるオヤジが激増!ブログの女王 眞鍋かをりにみんなに読んでもらえる「ブログ」のやり方を教えてもらう
~開設からウケる書き方まで

はあブログですか。「開設からウケる書き方」ね。しかし「ハマるオヤジが激増!」はないだろうよコピーとして。あと、ブログのウケる書き方を眞鍋かをりに聞くのもまちがいだな。眞鍋ブログの魅力は本人のパーソナリティがあってのものなんだから、「女王」の書き方をオヤジがまねしてもだめだって。

特集2
・日本第1号のLLPをつくった 『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者 山田真哉さんの"体験的"日本一やさしい新会社法の話

はいはいわかったわかった。大事だよねこういう話は。念のためだけど、LLPは「有限責任事業組合」で、根拠法は「有限責任事業組合契約に関する法律」。会社法にはLLPは出てこないからね。組合は法人格はなくて、代わりに導管性がある。会社は逆に法人格があって、代わりに導管性はない。あと、法律のこと聞くなら、公認会計士じゃなくて弁護士のほうが適任だと思うがなぁ。

特集3
・かわいい息子や娘を世の中の"お荷物"にしてたまるか! 多湖輝の「自分の子どもを絶対にニートにしない30の方法」

「かわいい息子や娘」だって。いや気持ちはわかるけどさ。「お得な情報」レベルの知識で防げるぐらいなら、日本は安泰なんだがね。多湖輝さんは昔なつかしい「頭の体操」の人。まだまだ現役、なわけでけっこうけっこう。

フリー記事
・ウォームビズ、このアイテムで差をつけてみる オヤジが光るこの冬いちばんのカッコいいは何?

おおファッションページもあるのか。オヤジにも話題の「ウォームビズ」。夏はボタンダウンでしのいだが、冬はそれだけじゃすまない。ここで差がつく。OLの見る目が変わる。なんて感じか。いいんだよ別に、気にしなくても。誰も見ちゃいないって。それはそれでありがたいことだと思うぞ。

話したい順 旬なキーワード20連発
1. 特定保健用食品(トクホ) 厚労省のお墨付きが次々ヒットしている
2. フィッシング詐欺 「自分は大丈夫」とタカを括っているとやられる
3. ラップ口座 団塊世代の退職金が一気に流れ込むか!?
4. 中皮腫 アスベスト吸入者が続々と発症する恐怖
5. 預金者保護法 偽造カード犯罪に対応した補償制度が法制化
6. スパイウェア 「パソコンの調子が悪い」ときは疑うべし
7. 防災士 相次ぐ自然災害で注目されている資格
8. 同窓会関連ネット 手軽さが受けて中高年を中心に大ブーム
9. インターネットTV 「放送と通信の融合」はどうなった?
10. ボラバイト 農業に汗を流す中高年が急増中
11. スカイプ 無料のインターネット電話の利用者が急増
12. 駐車監視員 違法駐車の取り締まりも民営化かい
13. NANA こんなスゴイ少女マンガ、知ってる?
14. 食育 子供も親も「食」のことを知らなさすぎる!
15. ナンバーポータビリティ 携帯電話の番号のルール、知っていますか?
16. オタク検定 「アキバ系」がこぞって参加するという
17. マウス症候群 パソコンを長時間使う人は潜在患者!?
18. RSS 情報収集がうまいあの人はすでに使っている
19. オヤジバトル 普通のオヤジが格闘技に続々参戦!
20. 手元供養 新しい故人の悼み方がにわかに浸透中

出た!飲み屋ネタ20連発!!なんだかオヤジ版「R25」みたい。でも、必ずしも「若いコ相手にいばる」テーマばかりでもなさそう。特保は気になる年代なんだろう。特保のカツ丼、なんてのができたらオヤジ大行列だなきっと。「スパイウェア 『パソコンの調子が悪い』ときは疑うべし」っていうのは、会社のPCで変なサイト見てるからだって。「同窓会関連ネット」も、なんだか不謹慎な動機が見え隠れするように見えるのは邪推だろうか。「NANA」については、こんな説明が書いてあった。

自身も熱心な読者だという紀伊國屋書店新宿店・コミック売場担当の田中幸子さん(22)はこう話す。 「最も多いのは10代後半から30代の女性のお客さんですが、映画が公開されてから男性客がぐっと増えました。2~3割が男性で、50代の方もいます。今までの少女マンガのヒロインはまっすぐで強い子ばかりでしたが、『NANA』のふたりは弱かったり、ずるかったり、とても人間味があるんです」

私は「熱心な読者」ではないが、「今までの少女マンガのヒロインは」っていうところはちがうような気がする。「NANA」の主人公2人がそれぞれ「弱さやずるさ」をもっているというのはわかるが、だからといってこれまでの主人公が「まっすぐで強い子ばかり」だってわけじゃない。こんなこと言うかね。ひょっとすると田中さん、オヤジ記者に合わせてわかりやすく話を脚色していたのかも。

連載
・深川裏店回想 一力さんがいく!
・しびれる話をしようか
・うまいものを美味しく食べたい
・映画のように生きたくて
・「頭がいい人」の文章教室
・男の生きる道 女の生きる道
・脳が超変する生活術
・沖縄結婚物語
・祝!日中(?)交 モテル中国語
・千夜一夜の閨物語
・男にはわからない女のマーケット
・最新デジタル家電の手とり足とりガイド
・本当は知りたい!あの会社の給料明細(再生ダイエー、トホホな賃金の裏側に見えるもの)
・梨元勝の芸能界とっておき
・クラシック音楽が好き
・ジャズよ、死ぬな!
・旬な本
・あらすじで読むベストセラー
・シネマパラダイス
・気になるニュース過去ログ3マンス
・データで見通すここ1カ月の天気予報

なんだか味わい深いラインアップだ。「しびれる話をしようか」はスポーツジャーナリストの二宮清純氏だからスポーツの話、なんだろうな。しかし「祝!日中(?)交 モテル中国語」って、なんだかあやしいぞ。いったい何を狙ってるんだ?それに「本当は知りたい!あの会社の給料明細」も、なんだか「週刊○○」あたりによくありそうな企画。しかもよりによって今のダイエー。それから、この世代向けの芸能ネタはやはり梨元サンにお任せか。

以上、「話のネタになる」記事満載で580円。まあなんてお買い得。でもオヤジ同士ならこの雑誌の存在自体が「お得な情報」だな。

…なぜだかどうしても辛口になってしまう。ひょっとするとそこに「想定読者層に入っている自分の姿」を見たからなのか?ああきっとそうだ。やだやだ。

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