FRB次期議長:コーン氏急浮上
FRB次期議長をめぐるInTradeの予測市場の状況については、10月11日に「FRB次期議長:ダークホース台頭か?」で取り上げたのだが、その直後から大きな変化が生じている。
11日時点で「異変」とみたのは、名の挙げられた候補ではなく「それ以外」が伸びてきているという件だった。「それ以外」は確かにその後もじりじりと値を上げていて、今では11~12%前後となっている。が、今回の焦点はそこではなく、11日時点ではほとんどゼロに近い価格だったドナルド・コーン氏だ。
まずは10月21日午前11時45分(JST)時点の価格を。
証券 | 買い | 売り | 最終 |
バーナンキ | 34.1 | 37.9 | 37.9 |
リンゼー | 10.4 | 12.8 | 12.9 |
フェルドシュタイン | 10.4 | 12.8 | 12.9 |
マクティア | 0.2 | 1.2 | 1.0 |
ハバード | 12.2 | 16.3 | 15.0 |
ファーガソン | 0.2 | 1.9 | 1.0 |
テイラー | 0.2 | 0.9 | 0.9 |
コーン | 15.1 | 17.0 | 15.2 |
ジョンソン | 5.1 | 6.4 | 6.0 |
ルービン | 0.4 | 1.2 | 1.0 |
その他 | 11.1 | 12.9 | 9.9 |
合計 | 99.4 | 121.3 |
で、最近のコーン氏の価格推移はこんな感じ(グラフはInTradeより)。
10月13日に相場が大きく変わったことがわかる。原因はほぼはっきりしていて、10月12日付Wall Street Journalなどに「コーン氏最有力」との報道がなされたためだ(関連記事はこれとかこれとか)。米東部標準時とInTradeのサーバがおかれているアイルランドとは4時間の時差があることをみても、コーン氏の名は10月5日前後時点ではすでに挙がっていたことをみても、13日の価格上昇がこのWSJの記事を受けてのものであろうことはほぼまちがいないだろう。
13日、コーン氏の価格はいったん50%に達したが、最終的には比較的小さな価格上昇にとどまった。実際に終値ベースで大きく上げたのは17日だ。17日ごろに何かがあったのか、不勉強でよくわからなかった。ともあれ10月13日に発生したコーン氏の「バブル」は1日ともたなかったあたりは、きちんと市場メカニズムが働いていることの証拠だろう。現時点でいえるのは、(1)バーナンキ氏の価格はほとんど変わっておらず、依然として最有力であるということ、(2)しかしコーン氏が急速に対抗馬として浮上したということ、の2点だ。
だんだん佳境に入りつつある後継者レースだが。はてさて。
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