「リスク・リテラシー」教育が重要であるという話
以下は、2005年6月15日の衆議院 郵政民営化に関する特別委員会の議事録の抜粋に、コメントをつけたものだ。その意図は、日本における「リスク・リテラシー」教育の重要性を喚起すること。といっても、いきなりすべての日本国民を、といっても始まらない。しかし日本の政治や経済をリードする人々には、せめて最低限は、ということだ。
ことわっておくが、この文章は、郵政民営化についての賛否を表明するものでもないし、特定の議員、特定の政党に対して賞賛したり批判したりするものでもない。このやりとりを選んだのは、前に国会審議のインターネット中継について本サイトで取り上げた際にたまたまこれを目にしたからだ。たとえどの党のどの議員であっても、同様の発言があれば私は同じように扱うと思う。この佐々木憲昭議員は、サイトで確認したら、「函館商業高校、小樽商科大学を経て、大阪市立大学大学院博士課程で経営学を専攻」という経歴となっている。貶めるつもりはまったくなく申し訳ないが、この文章の主題に関して「言い訳」の余地はない。
だらだらと議事録を丸写ししているように見えるかもしれないが、ここで私が伝えたいのは、日本の将来を決めるべき重要な場で、日本の将来を決めるべき重要な立場の人が、リスクに関する議論をしているまさにその場において、このようなレベルの発言をしている状況は、日本の将来にとって好ましくない、という強烈な問題意識だ。
さっそく議事録スタート。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 郵便局は、身近で役に立っている存在でございます。特に郵便貯金は、国民の零細な資金を安心して預けられる。一番多いのは二百万円程度の貯金でございます。家族の中でだれかが利用している。貯金の目的は、老後のため、不慮の災害や病気に備えてというのが一番多いわけですね。 この国民の大事な財産である貯金を安全確実に運用してしっかり守る、そういう金融サービスをすべての国民が受けられるようにする、これが政府の大切な責務だと思いますけれども、まず、総理大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 金融機関の健全性、信頼性、これは極めて重要なことだと認識しておりますし、そのような改革を今進めているところでございます。
○佐々木(憲)委員 今、国民の中で、民営化して一般銀行のようになったら身近なところでそのサービスが受けられなくなるのではないか、こういう不安が広がっているわけです。 前提として確認をしておきたいんですけれども、貯金事業が民営化した場合と公社を維持した場合、採算の見通しはどうか。まず、民営化した場合、骨格経営試算で郵便貯金銀行の二〇一六年度の利益は幾らになるか。長短スプレッド一%という厳しい金融環境になった場合の数字を示していただきたい。
○竹中国務大臣 これは二〇一六年度ということですね。長短スプレッド一%の場合の収益は幾らか。郵政民営化準備室で、民営化後十年間の民営化四会社の収益水準を見積もるという試算を行っております。 このスプレッドが縮まるという意味でリスクシナリオでは、二〇〇七年度から二〇一六年度までの移行期間に、そのスプレッドが一・三%から、委員の御指摘のような一%に縮小するという前提によりますと、郵便貯金銀行は二〇一六年度には六百億円の赤字になるというふうに試算をされております。
○佐々木(憲)委員 六百億円の赤字になる、民営化したらそうなると。非常に大きな赤字であります。 では、郵政公社が続いた場合はどうか。預金保険料も手数料への消費税も払わなくて済みますから、そのコストは千九百八十三億円少なくて済むわけですね。したがって、千三百八十三億円の黒字になる、そういう計算になりますね。
ハイまずここでストップ。竹中大臣は、「長短スプレッドが想定の1.3%から1%に縮小した場合」のリスクシナリオについて説明している。これに対して佐々木議員は「600億円の赤字になる、民営化したらそうなると」と、それがあたかも唯一のシナリオであるかのような発言で受けている。つまり、リスクシナリオという考え方を、この人はまったく理解していないか、あるいはわかったうえで議論をすりかえて(それは一般的には「欺瞞」と呼ぶ)いるように見受けられる。いうまでもないが、「リスクシナリオ」というのは、「こういう場合もありうる」ということであって、「それが起きる」こととは全く異なる。リスクについて把握しておくことは、一見不安かもしれないが、知らないことよりもよほど健全なことなのだ。「リスクシナリオは起こりうる。絶対に安全でなければだめだ」という議論は、非現実的であるからというだけでなく、避けられないリスクから目をそらすという意味で、二重に背信的だ。
さらに、郵政公社のままでいれば預金保険料や消費税を支払わないから黒字だという発言は、その免除された金額が国民経済にとっての「機会費用」であるという認識がすっぽり抜け落ちていることの証拠だ。預金保険料や消費税を支払わない状態は黒字なのではなく、本来赤字であるはずのところが補填されて黒字になっているだけだ。誰が補填?政府が、というのは表面的な見方だ。政府の金は国民の金なのであり、政府の負担は国民の、それも郵便貯金をしていない人も含む全国民の金だ。赤字になるリスクがあるとして、それを政府が(つまり国民がだ)補填するとは、そのリスクが国民に移転されたということだ。どこかへ消えてなくなるわけではない。
○竹中国務大臣 まさに、民間に比べて、税金を払わなくていい、そして預金保険料を払わなくていいという優遇があるわけですから、その優遇があればそのような数字になります。
○佐々木(憲)委員 今の答弁で明らかなように、郵便貯金事業の利益でありますが、郵政公社のままなら黒字が一千三百八十三億円、民営化された場合には赤字が六百億円、今大臣がお認めになったわけであります。 郵政公社のままであれば、例えば納付金を納めた場合でも六百九十二億円の黒字になるわけであります。民営化された郵貯銀行の場合は、六百億円の赤字ですから、これは法人税も払えない、こういう悲惨な事態になるわけですね。金融環境が悪化しても、郵政公社の場合は黒字でやっていけるけれども、民営化された郵貯銀行は二〇一六年以降もずっと赤字が続くというのが今の答弁でございます。これでは、わざわざ赤字にするために民営化するようなものじゃありませんか。 先ほど、新しい事業、盛んにそういうことをやるんだとおっしゃいましたけれども、果たして、新規事業をやるということで利益が出るんだろうか。 総理にお聞きしたいんですが、六月三日、この委員会の答弁でこのようにおっしゃっています。公社でやる限りは制約があります、資金運用においても安全を重視しますから、なかなか、ある程度収益は上がるけれどもリスクをとるという場合については運用しにくいというふうに述べました。 総理、リスクをとるということはどういう意味でしょうか。
なるほど。「リスクをとる」とはどういうことかがわかっていないらしい。だから「リスクシナリオ」が出てくると「それが必ず起きる」みたいな議論になってしまうわけだな。それに、「公社がリスクをとらないということは、代わりに(預金者以外も含む)国民がリスクを肩代わりしている」ということにも想像がいかないのだろう。
○小泉内閣総理大臣 公社である限りは、やはり安全運用が重要ですね。リスクなり、ある程度収益が予想されても、多少リスクのある資産運用はできないでしょうね。そういう点から、民間になれば、そういう点について経済的にも活性化させる作用が働くと私は思っております。
○佐々木(憲)委員 活性化すると言いますけれども、非常に危険性を伴うんだと私は思うんですね。 例えば、金融検査マニュアルがここにあります。リスクをとる場合の信用リスクというものは一体何か、これを規定しているわけです。こういうふうに書いてあるんです。「信用供与先の財務状況の悪化等により、資産の価値が減少ないし消失し、」つまり失われ、「金融機関が損失を被るリスクである。」リスクというものはこういうものなんだと。 伊藤金融担当大臣、こういうことですね。
「リスク」は「危険性」と訳すことがある。それ自体はまちがいではない。しかし理解しておかなければならないのは、「リスク」なり「危険性」なりは、郵政民営化に伴うのではなく、現在郵政公社がやっていて、民営化後も続けようとしている事業そのものに本来内在しているということだ。運用先を変えることによって、リスクが量的に増加することはもちろんありうる。しかし民営化しなければリスクがないというのは、誤りだ。
○伊藤国務大臣 お答えをいたします。 検査マニュアルにおきましては、今委員が御紹介されたような規定になっているわけでありますけれども、このように規定をいたしておりますのは、金融機関の役割が、信用リスクを初めとした諸リスクについて適切な管理を行いながら必要なリスクテークを行っていくことにあり、そうした機能を前提としたときに、信用リスクを適切な水準に管理し、リスクに見合った収益を確保するための管理体制の整備が求められているからでございます。
○佐々木(憲)委員 つまり、大変大きなリスクがある、したがって、管理をきちっとしなさいよ、こういう話ですね。だから、信用リスクというのは非常に危険だということなんです。 例えば民間銀行のホームページも、開いてみますと、こういうふうに書いているんですね。信用リスクは銀行が保有する最大のリスクであり、信用リスクの管理が不十分であると、リスクの顕在化に伴う多額の損失により経営に甚大な影響を及ぼしかねません。つまり、もうかるときはどんともうかるけれども、失敗をしたら大損害になる、これがリスクをとるということであります。簡単に言えばそういうことなんです。極めて危険なことでございます。 今国民が求めているのはそういうものではないと思います。安心して預けることができるのが貯金でありますから、利幅が少なくてもいいから堅実で安心できる運用をしてほしいというのが、圧倒的多数の国民の皆さんの願いではないか。だから今そういう運用をしている。先ほど小泉総理も、公社の場合は着実に安全な運用をする、しているとおっしゃいました。それを国民がまさに願っていることではないんだろうか。 新しい事業をやるといろいろおっしゃいましたけれども、新規事業の内容というのは具体的に何でしょうか。民営化準備室が出した資料、採算性に関する試算というのがありまして、この中に、新規事業の内容についていろいろ書いております。 例えば、貸し付け、シンジケートローン、私募債、株式、クレジットスワップ、CDO、ABSなど証券化関連商品、ファクタリング、ローンパーティシペーション、保証業務、こういうふうにいろいろ書いているわけです。 こうなりますと、これはもう聞いただけで頭が痛くてよくわからない。複雑で、極めて投機的な性格を持つものを含む、そういう運用先であります。もともと、郵貯銀行というのはこういう運用をやったことがないんです。それができる人材もノウハウもほとんどない。 そこで確かめたいんですけれども、今私が紹介をいたしましたこの準備室の出しております運用先、この中で元本割れが絶対に発生しないというものはありますか。どれですか。
ハイ再びご注目。「元本割れが絶対に発生しない」運用先はあるかとの質問。これを見逃してはならない。こういう質問が、国会で、国会議員の口から出てくることに対して、日本の社会科教育、金融教育、経営学教育の関係者は等しく責任を感じるべきだ。この点こそ、リスクに関してすべての社会人が身につけるべき知識の基本中の基本、イロハのイ、理科でいえば「地球は太陽の周りを回っている」レベルの最低限の常識ではないか。元本割れが絶対に発生しない運用先は、絶対にない。普通預金でも、国債でも、元本割れのリスクはある。国会の場でもし仮に「クールビズ普及のために夏を暑くないようにしろ」という発言が出たとしたら、絶句するだろう。「元本割れが絶対に発生しない運用をせよ」という発言は、それに類するものだ。
ちなみにだが、一般国民ならともかく、国会議員なら、自分が質問しているまさにその内容について「聞いただけで頭が痛くてよくわからない」などとは口が裂けても発言すべきではない。庶民派を標榜することと無知であることはちがう。本来そんなに難しい内容ではないのだ。理解するまで勉強するぐらい、仕事なんだから当然ではないか。それができないなら国民の代表として質問する資格はない。プリキュアじゃないが「とっととおウチに帰んなさい!」だ。貴重な時間が無駄だから、他の議員に時間を譲ったらいい。
○竹中国務大臣 この三十五兆円の信用リスクビジネスの例示として掲げておりますので、信用リスクビジネスでございますから、元本割れがしないというものは、これは当然ないわけでございます。しかし、これは決して投機的な商品ということではございませんで、リスクとリターンを適切に管理する、それを段階的にノウハウをつけながら行っていただくことによって、民間にもお金が回る、公社の収益力も高まる、そのような姿を想定しているわけでございます。
○佐々木(憲)委員 今はっきり言いましたね、元本割れがしないものはないと。元本割れの可能性がある。つまり、国民が預けた零細な預貯金、零細な貯金ですよ。子供たちも正月にお年玉をもらって預けに行く、そういうものを本当に安心できるような運用をしてもらいたい、堅実にやってもらいたい、これが圧倒的多数の国民の願いです。ところが、民営化をする、そのときの運用先というのは、今言ったように、元本割れするものが、可能性のあるものが全部であると。元本割れの発生しない運用先は一つもない。 ですから、私は、先ほど言いましたように、まずベースが民営化したら赤字になる。赤字になった上で、しかも、その上に今度は、元本割れする可能性のある運用をする。それは、もうかるときはいいかもしれないですけれども、しかし、やってみないとわからない。ある意味ではばくちみたいなものであって、これをやって元本割れしたら一体どういうことになるのかという点を考えなければならないと思うんです。 ノウハウもないのに、元本も保証されないような運用をやる、それはできるわけがないわけですから、結局、この三十五兆円もの資金運用の大半を投資顧問会社あるいは金融機関などにゆだねる以外にはありません。結局、庶民の零細な貯金が食い物になるだけじゃありませんか。運用に失敗して貯金銀行が破綻したら、ユニバーサルサービスもずたずたになるんですよ。膨大な税金も投入しなければならない。そんなリスクを冒してまで、何で民営化しなければならないのか。 私は、根本的なこの発想が間違っているというふうに思います。結局、郵貯、簡保など三百四十兆円の国民の資産を日米の巨大資本に明け渡すということになるんじゃありませんか。いかがですか。
だんだんうんざりしてきたが、気を取り直して。付け加えるまでもないが、過去郵貯資金の運用先であった財政投融資も、形式的にはともかく、国民経済レベルでみれば、リスクがある。むしろこの部分は実はかなりのハイリスクであって、しかも実際すでに見えないところで巨額の損失が発生していると信じるに足る理由がある。仮にまったく運用せず郵貯銀行が「タンス預金」をしたって、インフレまで考えれば、リスクから逃れられるわけではないのだ。リスクはあらゆる事業につきものであって、それは経営形態とは関係がない。郵政公社がリスクをどうしても避けたければ、貯金の受け入れそのものを廃止するしかない。
で、信用リスク関連事業を「ばくち」と呼んだことについては、金融業界の方々は断固として抗議すべきだ。そして、「損失の可能性」をもってばくちと称するのであれば、日本国中の事業会社の方々も同じく抗議に加わるべきだろう。さらにいえば、最長でも4年ごとに身分を失うリスクのある衆議院議員は、この定義からいえば日本国内でも有数のばくち打ちということになる。同類相憐れむ、といったところか。ともあれ、リスクの存在そのものを悪者扱いしても問題は解決しない。
「日米の巨大資本に明け渡す」というあたりも、経済学教育に携わる人なら「私の不徳の致すところ」といいたくなるにちがいない。国会議員ですらこのようなことを口にしてしまう現状は、日本の経済学教育の敗北の象徴だ。それから法学教育関係の皆さんも。仮に郵貯資金が米国金融機関の預金に流れたとしても、それは「資産」を奪われることではない、なんて、わざわざいうまでもない。預金は返してもらうものだよね?そういう契約なんだよね?国民から強制的に取り立てるんじゃないよね?円預金をアメリカに持っていって費消してしまうわけじゃないよね?外銀だって銀行の窓口に立つのは日本人だよね?頼むよほんとに。
○竹中国務大臣 佐々木委員はばくちのようだというふうに言われましたが、信用リスクビジネスとばくちとは違います。これは厳然と異なりますので。 これは、市場の経済の中でリスクとやはり正面から正しく向き合って、このリスクを適切に管理していくことこそが私たちの社会に必要なことであって、そのリスクを乗り越えていかないと、リスクを封じ込めたり、市場の一部を硬直化させてリスクを反映させないようなシステムをつくってしまうと、かつてのソ連邦のように崩壊をしてしまうということではないかと思います。 やはりリスクをしっかりと管理していく、そのための適切な制度をつくっていくことが必要であろうかと思っております。
○佐々木(憲)委員 リスクを乗り越えていかないととおっしゃいましたけれども、何でリスクをわざわざ導入しなければならぬのか。ソ連の問題を出しましたけれども、そんなのは関係ないですよ。 今あなた方がやろうとしているのは、まさに公社を崩壊させようとしているんだ。民営化によって国民の貯金を、運用そのものを、ばくちのようだというのは、素人がやったらばくちになるじゃありませんか。そういういいかげんな民営化によって国民の資産を危険にさらす、絶対にそんなことは認められない。 公社のままだと、例えば準備室の計算を見てごらんなさい、今から十五年先までずっと黒字が続くという試算が、あなた方の試算によっても明確になっているじゃありませんか。利益は少し減るかもしれないけれども安定した経営ができるというのが、政府の試算でもそうなっているわけです。 我々は、今ある公社のさまざまな不十分な問題はあると思います。それは、公社のままで改革を進める。例えば、労働条件の改善、国民サービスの向上、こういうことをしっかりやっていくというのが本来の改革じゃないんでしょうか。それをやらずに、そういう危険な方向にのみ何か活路を求めるというのは、私は、改革とは全く違う方向に行っていると言わざるを得ません。 公社の改革を進めながら、将来にわたって確実にやっていくということが本来の改革のあり方であります。今、例えばサービス残業の問題など、いろいろあります。ここでも塩川議員が指摘をして、改善の方法が出てきたけれども、そういう問題を解決していくというのが改革なんですよ。 国民の財産を危険にさらすというのは改革ではない、民営化法案は廃案しかない、このことをはっきり申し上げまして、質問を終わります。
民営化によって新たに発生する「リスクを乗り越え」るという問題ではない。今すでにあるリスクをどうやって可視化し、管理していくかという問題だ。民営化が唯一の方法かどうか別として、今必要なのはリスクの存在を認め、それを管理するしくみを作ることだ。公社か民間会社かが問題なのではなく、すでに存在するリスクを見ようとしない態度、あたかも存在しないかのように言い張る態度こそが危険だ。
リスクというものをどう教えていくかについて、日本の教育関係者はもっと知恵を絞る必要があると思う。次世代の国会議員がこういう国会質問に時間を無駄遣いしないために。
※追記
ちなみにこの佐々木議員、9月11日投票の衆議院総選挙でも比例区東海ブロックに出馬、みごと当選している。熱意と貢献は認めるから、次に質問に立つ前に学校に戻って、経営学の基礎、リスクマネジメントの初歩だけでいいから勉強しなおしてくれ。特に大阪市立大学には責任があると思うぞ。
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Comments
鼻息が聞こえてきました^^。
ごくろうさまでした。
Posted by: でんすけ | October 06, 2005 02:33 PM
でんすけさん、コメントありがとうございます。
Posted by: 山口 浩 | October 07, 2005 07:02 PM
教育業界で勤めています。
「リスク・リテラシー」教育が重要だということ。本当におっしゃるとおりだと思います。こういう議論の主張と根拠の読み方のようなものも、本当に学校で習わないことだと思います(自分自身の学生時代を考えても)。これからの仕事の中で、何らかの形でこういったものを入れていければと思います。
リスク・マネジメント教育についてもそうですが、こうして議論を分析していくことで、「この議論の何が胡散臭いのか」がわかる能力は、
子どもたちにとってとても重要だと思います。
とても参考になりました。どうもありがとうございました。
Posted by: tame | October 08, 2005 11:29 AM
興味深く拝見しました。議員の質問は、ある意味典型的な、街角インタビューで一般の人から出てきそうな意見に基づいているように思います。(国会で、政府の代表がそれに答える機会をもてること自体は良いことではないでしょうか。そういうレベルの議論ばかりだと困りますが)
それと、最近株式投資を始めたのですが、リスク管理のしかたが全くわからないので、これは、自分にとってはバクチと変わらないと感じています。リスクリテラシー関連のお話も、機会があったらお聞かせください。
Posted by: のんき大将 | October 08, 2005 02:11 PM
tameさん、コメントありがとうございます。
主義主張の是非はともかく、論理をすりかえて相手をやりこめようとする議論はよくありません。こういう「反則」はきちんと見抜けないと困りますね。高校あたりだと確率も扱うでしょうし、経済についても勉強するでしょうから、その中で投資とかリスクとかについてもやったらいいのでは。まずは学校の先生に勉強してもらわなくちゃいけないのでしょうか。
のんき大将さん、コメントありがとうございます。
そうですね。国会議員はこういう質問にも答える必要があります。ただそれは、当該国会議員がわかっていなくていいということにはなりません。件の議員は、最近の質疑でも、「郵便局には税金は投入されていない」といいながら「郵便局が税金を払わないのは当然だ」みたいな矛盾した主張を展開していました。最近は各議員の議論がけっこうかみあって質疑のレベルが上がってきたと思っていたので、そのとんちんかんぶりは群を抜いています。彼の党の主張はつきつめれば「郵便局の全国ネットワークを税金を投入して維持すべきだ」ということであり、「税金は投入されていない」ではなく「いくらまで投入していいのか」を説明する必要があるのに。これは賛否の問題ではなく正誤の問題です。
それから、リスク管理のしかたが全くわからないのであれば、株式投資はお勧めしません。止めた方がいいと思います。どうしてもといわれるのでしたら、ばくちに賭けてもいいと思う程度の金額だけを投資に回すようにしたらいいと思います。
当然ながら、金融機関が行う資金運用はばくちではないので、きちんとプロによるリスク管理が行われます(ばくちのプロもリスク管理はするでしょうけどね)。リスク管理が行われているということは、事後的にみて損失が発生しないということではありませんが、巨額の損失が発生する可能性はかなり低くなっていると思います。
Posted by: 山口 浩 | October 09, 2005 03:59 AM