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October 13, 2005

外国語学習ツールとしてのゲーム

シリアスゲームについてはこのサイトでも何回かとりあげているが、今度は外国語学習ツールとしてのゲームに関する話。PCWEBの記事「外国語レッスン、本格派ゲームの利用効果に期待との研究論文が発表」は見た方も多いだろうから、新しい情報ではないが。

ここで取り上げているのはMITの比較メディア研究プログラム(Comparative Media Studies)。このうち学校教育におけるゲームの利用を研究する「Games-to-Teach Project」の一環としてRavi Purushotma氏が行った、市販ゲームの外国語学習への活用に関する研究論文が、「Language Learning & Technology」に掲載されたという話。

PURUSHOTMA, Ravi (2005). "COMMENTARY: YOU'RE NOT STUDYING, YOU'RE JUST..." Language Learning & Technology Vol. 9, No. 1, January 2005, pp. 80-96.

この研究の特徴は、専門のエデュテインメント・ソフトウェアではなく、一般的なゲームソフトを外国語学習に利用するというもの。特に「The Sims」のような、現実世界での人々の生活・社会活動を仮想世界の中でシミュレートするようなゲームに注目している。日本の「たまごっち」や「シーマン」のような育成型ゲームとの連携も期待できるとしている。

ここまでがニュースの要約。

要するに、ちゃんとしたゲーム性のあるゲームを活用したほうが教育色丸出しのゲームよりも効果が高い、ということだな。このあたりは、言語教育だけではないだろうと思う。変なたとえだが、たとえばNIE(Newspaper In Education)みたいなものでいえば、教育用にアレンジされた記事よりも、普通の記事を使ったほうが臨場感もあるし、教育効果も高いかもしれない。そんな感じだろうか。

とはいうものの、ゲームの側からも少しは寄り添う姿勢があってもいいかもしれない。プロダクトプレースメントがあるぐらいだから、一部のゲームに教育利用向けの配慮をそっとしのばせるぐらいのことは、やってもばちはあたらないのではないか。ゲームの売れ行きが落ち込んでいる日本なら、なおさら。たとえば、教育利用向けのカスタマイズをやりやすいようなMODツールの公開、なんてどうだろう。公開先を限定してもいい。こういうMODならゲーム会社の方も前向きになれるのでは?

市販ゲームの活用という面で考えると、欧米のように格闘やらスポーツやらダンジョンやらみたいなワンパターンでない日本のゲームは、一般論として諸外国のものよりも優れているのではないかと思う。育成型ゲームでみても、上記の「たまごっち」や「シーマン」だけでなく、ユニークなゲームが数多くある。私としては、言語コミュニケーションを学ぶのなら、日本の独壇場である「恋愛シミュレーションもの」との連携が最も有望なのではないかと思ったりする。プレイヤーが高校生になって海外に短期留学する「ときめきメモリアル」の外国語バージョンみたいなものを想定したりするのだがどうだろう。インセンティブの強さという点では18禁系、という手も考えられなくはないが、やはり「そういう手合い」とはなじみにくいだろうな(脳の方に血が行っては意味がないし。…閑話休題)。

それからもう1つ、日本の優位があるところというと、モバイル系だろうか。安上がりにいくなら、外国人のバーチャルメル友と外国語でメール交換をするなんていうのもありそうだが、ここは一つオンライン機能と音声認識を使って、会話学習ができるようなものなんかもいいかも。

よく、外国語を覚えるのに最もいい方法は、その言葉を母国語とする異性と付き合うこと、なんて言ったりする。上記の「恋愛シミュレーションゲームの語学学習への活用」は、それをバーチャルにやってしまえ、ということだ。外国語教育も恋愛シミュレーションゲームも私の専門ではないので、そっち方面の方どなたか研究していただけないかなぁ。

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