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November 16, 2005

鳴かぬなら わたしが鳴こう ネットラジオ

ラジオを聴きながら作業をすることがけっこうある。で、最近特に注目しているのは、ラジオ日本の「パケdioチャンネル」という番組だ。

小坂りゆ堀川りょうのご両人がパーソナリティを務める「総合エンタメ番組」。微妙にずれた間とか、毎回唐突に出てくるハワイ情報とかも含めて、ちょっと不思議な雰囲気なのだが、まあそれはおいとくとして、ポイントは、AMラジオと同時にネットラジオやポッドキャスト、携帯電話でも配信されていることだ。提供は株式会社ワールドモバイルサービス。同社サイトにはこの番組について「AMラジオ・ケータイ・パソコン・iPodのコラボレーション!」とある。同社は、このビジネスモデルを他にも使えないか考えているらしい。サイトにはこんな文章があった。

コンセプト
「パケdioチャンネル」は、既存のAMラジオ放送で関東ローカルのリスナーに聞いていただけますが、ケータイラジオ「パケdio」により、日本全国のリスナーに聞いていただくことができます。また、パソコンのインターネットラジオにより、世界中のリスナーに聞いていただくことができます。 AMラジオ放送の地域限定の壁を打ち破るとともに、インターネットラジオ放送の社会的認知度を高める画期的な試みです。
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お問い合わせは
株式会社 World Mobile Service

「総合エンタメ番組」だから当然、音楽もかかったりする。ネット配信向けの権利処理はどうなってるのかと思ったら、これがなんとも斬新なアプローチ。要するに、権利OKな曲を新たに録音してしまえばいい、ということらしい。事実、番組で流されるのはいずれもパーソナリティ2人が歌う曲で、まだCD化されていないもの。要望が多ければCD発売しようという、もろネット系ビジネスモデル。

いってみれば、「鳴かぬなら わたしが鳴こう ネットラジオ」(字余り)という考え方だ。最近は新人女性歌手のオーディションを始めたが、これも同じ動機。初めからネット配信OKの歌手を育成しようということだろう。

いかにも試行錯誤っぽいが、全体として前向きな考え方はいい。いかに権利を守るかというより、まずいかに多くの人々に届けるか、だ。過去のコンテンツの許諾をとるのがたいへんなら、ネット配信を前提とした新しいコンテンツをどんどん作っていけばいい。

もちろん、裏返していえば、競争力のあるコンテンツがなかなか得られないから、という問題はある。巨額の金が動くテレビにはやりにくいアプローチかもしれないが、その点ラジオは比較的身軽だ。テレビに比べれば少しは容易にできるのかもしれない。

事情をよく知らないが、けっこう大規模な投資が必要なのにどの程度競争力があるのか不透明なデジタルラジオよりも、こういう身軽なやり方のほうがいいかもしれない。どうだろうか。

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