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December 17, 2005

雑誌目次をみる(番外編):「ANA SKY SHOP」

一部の方には好評の「雑誌目次をみる」シリーズ。今回は番外編で「ANA SKY SHOP」。

そもそもこれって雑誌かよ、という声もあろうが、手元にあるものをみると一応Vol. 106とあるから、まあ雑誌の仲間、ということで。

とはいえ、その性格上、目次はきわめてシンプル。

・DUTY FREE(機内免税販売)
・MAIL ORDER(通信販売)
・ANAらくらくSHOP(海外おみやげ)

これだけしかない。ここで終わるのもどうかと思うので、少し内容に入ってみる。

こういう雑誌に出ている機内販売なんかを見ていると、いっちゃ何だが「こんなの買う人いるの?」と思うような商品が多くて、それはそれで興味深いのだが、それ以上に興味深かったのは、スチュワーデス関連商品がいろいろ載っていたことだ。

まず機内販売のところで、「ANA'S PEOPLE」というコーナー。「ANAスタッフがお客様に代わってその商品の使い心地をチェックし、レポートしていきます!」だって。で、成田客室部客室乗務第三課CA(キャビンアテンダント。ANAではこういうらしい)の中村絵美さんが「空で働くCAならではの乾燥を防ぐスキンケアとメイク術をご紹介します」とある。紹介されているのは

・イシマ スーパーアクア スーパーセロム&ナイトクリーム
・ゲラン メテオリット フェイスパウダー
・ラディアントタッチ コンシーラー

だそうだが、それと併せてこの中村さんが機内で運行乗務員とブリーフィング中の写真やら同僚といっしょに滞在先で観光してる写真とかも出ている。目の肥えたCAさんが選んだ品なら確か、という筋書きだろうか。

次は「CA企画」。「皆様と空の旅をご一緒するANA国際線CAが商品の企画・開発に参加。世界各国を飛び回り、おしゃれに詳しいCAならではの視点を活かした“あったらうれしい”“実際に使いたい”アイテムを、注目のブランドとコラボレートしています」だそうだ。今回は田崎真珠との共同開発によるアコヤパールのネックレス。ここでも企画会議だとかの写真が出ていて、CAさんが出ている。

次は通販コーナー。吉永小百合の出演映画のDVDセット「吉永小百合 青春映画DVD BOX~大空に乾杯」。デジタルリマスター版で、吉永小百合が客室乗務員役を演じた「大空に乾杯」が入っている。

さらに注目は、一時話題騒然となったフィギュア「ANAユニフォームコレクション」。「大反響にお応えして、本誌最後のアンコール販売、決定!!」だそうだ。海洋堂による思いっきり萌え萌えのスッチーフィギュア。食玩としての販売ではないため、お菓子ではなくANA特製スープをセットで。コレクションを飾りたい方のために専用コレクションボックスも併せ販売。「今回も品切れ必至、ご注文はぜひお早めに!」だって。

客室乗務員という職業は、業務内容としてはバスガイドに近いように思うのだが、全体として、ここでの扱いはタレントに近い。よく雑誌で「スターがお勧めする商品」みたいな記事があるが、まああんな感じだ。いや別にだからどうだというものではない。多くの女性(男性も、だな)にとって、客室乗務員は憧れの対象であるのは事実だし、実際たいへんな倍率の選考をくぐりぬけて採用され、厳しい訓練に耐えてきたのだろうから。

ただ、こういうタレント扱いをみていると、ここまでやるなら、もっと客室乗務員を前面に押し出した戦略なんてのがあってもいいのではないか、と思った。テレビ局が女子アナを専属タレントとして売り出すように。これまでの航空会社は、この方面にはどうも及び腰だったのではないか。ANAのような大手にはちょっと難しいかもしれないが、新規参入組の会社で経営に余裕がないところなんかは、そういう大胆な手を考えるのも手だと思う。

この「ANA SKY SHOP」みたいな機内販売誌なんかは完全に客室乗務員一色でいいのではないか。客室乗務員が顔写真入りで自分の推薦する商品を紹介する。売上の一部を本人に還元すればインセンティブになって販売にも力が入ると。タレントなんだから写真集でもDVDでも出せばいいし、何なら歌でも歌わせればいい。グループを作って、モーニング娘。みたいにどんどん入れ替えていくのもアリだろう。人気の客室乗務員目当てで乗客が殺到するようになれば、企業の収益も上がろうというものだ。

それから、「卒業」した元客室乗務員だって活用できる。今でも元客室乗務員の人が経営するマナー教室とかがあったりするが、あれを航空会社自体がやればいい。何なら他社のスチュワーデスを目指す人のための予備校もやったらどうだろう。インターンにして飲み物のサービスくらいさせてみるというのも、特殊な興味の方には受けるかもしれない。

うろ覚えだが、海外には、スチュワーデスがかなり「大胆」(どんなのかは忘れたが)な服装で乗務する航空会社があったと思う。まあそこまでするのもどうかとは思うが、客室乗務員に「人気商売」の要素があることが否定できないのなら、むしろ堂々と前面に押し出していけばいい。業務の性質上、きちんとやってもらわなければならない部分があるのは当然だが、ふだんはそうでない部分のほうがより求められるわけだし。

…こんなに力を入れて主張するほどのことでもないか。私なんかからすると、それよりエコノミークラスのシートをもう少し広くしてもらえないか、という要望のほうが先に立ってしまう。なんとかならんかね、あれ。ビジネスクラスに乗れる皆さんには無縁の悩みだが。

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