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January 07, 2006

その前にやることやってよ

今年9月に任期満了で退陣するらしい小泉首相の後継者に関して、自民党のいろいろな人が意欲を示しているとかいないとか、報道されている。

報道するほうも報道するほうだと思う。

Googleニュースで関連記事をみると、こんなふうに出てくる。

自民総裁選へ駆け引き、安倍・麻生・山崎氏が意欲 日本経済新聞 - 15時間前 安倍晋三官房長官は5日、「ポスト小泉」を選ぶ自民党総裁選について「そうチャンスはない」として出馬への意欲をにじませた。麻生太郎外相は国会議員20 ...
自民総裁選、山崎氏も出馬に意欲 小泉後継争い激化 北海道新聞 - 20時間前 九月の総裁選をめぐって五日、自民党内の動きが活発化してきた。山崎拓前副総裁がパーティーで、「自らが総理総裁になった場合は何をやるのかということだけは、明確にしていきたい ...
安倍氏が意欲にじます 自民総裁選で発言相次ぐ 河北新報 (会員登録) - 2006年1月5日 9月の自民党総裁選をめぐり5日、安倍晋三官房長官が出馬に意欲をにじませたのに対し、麻生太郎外相は「覚悟ぐらい決まっている」と表明、「ポスト小泉 ...
山崎・麻生両氏、総裁選に意欲…他派との連携カギ 読売新聞 - 2006年1月5日 小泉首相の後継首相を選ぶ9月の自民党総裁選で、山崎拓・前副総裁と麻生外相が5日、相次いで出馬に意欲を示した。 山崎氏は、福岡市内で講演し「総裁選に出馬するかしないかは ...
自民・山崎氏、総裁選出馬に意欲 日本経済新聞 - 2006年1月5日 自民党の山崎拓前副総裁は5日、福岡市内で講演し、小泉純一郎首相の後継を決める9月の総裁選について「自らが総理・総裁になった場合に何をやるか明確にし、政策立案したい ...
麻生外相、自民総裁選への出馬「覚悟決まっている」 日本経済新聞 - 2006年1月5日 麻生太郎外相は5日、同行記者団と懇談し、9月の自民党総裁選への対応について「(出馬に必要な推薦人)20人が集まったら出るという覚悟くらい決まっている」と述べ ...
山崎前副総裁が総裁選に意欲 日刊スポーツ - 2006年1月5日 自民党の山崎拓前副総裁(69)は5日、福岡市内の講演で、秋の自民党総裁選への対応について「出馬するかどうかは同志と相談しなければ決められない。ただ首相 ...
今日は突然出馬表明した山崎前副総裁に関心が集まった。このほかにも、竹中大臣は出馬しないのかとかいや実は狙っているとか、他のだれそれが何といったとかいわないとか。

ちょっと待て。
自民党総裁選のことをどうこういう前に、やることがあるだろうやることが。

もちろん、自民党総裁選は現在の情勢下では事実上首相の選挙に等しいから、国民の関心が高いのはわかる。わかるんだけどさ。今から騒いだってしょうがないじゃん。今はそれぞれの役職があるんだから、そちらの仕事に専念してもらって、その仕事ぶりで9月に考えたらいいじゃん。今の「本業」をしっかりやることのほうがずっと大事じゃないか。そのようすを伝えることのほうがよほど大事ではないか。

懸案事項がないならまだいい。そんなことはない。むしろ懸案だらけなのだ。予算案だけじゃなくて、税制だの憲法改正だの、年金だの医療だの、公的金融だのODAだの、防衛だの国内治安だの、農業だの建設業だの地方経済だの、少子化だのニートだの、外国との関係だってアメリカだの中国だの韓国だの北朝鮮だの、そこらじゅうに「世紀の難問」ばかりではないか。いくら放送時間があってもいくら新聞紙面があっても足りないくらいなのだ。だれそれが出馬に意欲だとか何だとかいったって、どうせこれからまだまだあれこれすったもんだするに決まってるのだ。今の段階では正直そんなことどうだっていい。別に大事じゃないとはいわないが、今から時間を割く意味がいったいどこにある。

湯川さんあたりには「またか」といわれそうだが、やはりこれは、報道の人たちの責任だと思う。プロのジャーナリストの存在価値はニュースの軽重に関する判断能力にあると主張する人がいるが、こういう状況をみていると、申し訳ないが深刻な疑問を投げかけざるをえない。あんたらちぃともわかっとらんやないけ、となぜかエセ関西弁ですごんでみたくなる。

報道すべきことは他にいくらでもある。報道機関の中にもわかってる人たちは多いと思う。お願いだから、誰か止めてよ。やるべきことをやってよ。お願いだから。

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