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April 28, 2006

ひさびさに紙芝居を見た話

紙芝居といえば、「物語などの場面を何枚かの絵にして順に見せながら説明する絵話の一種」であるが(トリビア風に)、子供のころから久しく見ていなかった。それを最近、ひさびさに見た、という話。

どこで?自分の研究室で。

大学くんだりまで紙芝居をしに来たのはいったい誰かというと、某生保の営業のおねえさんだ。修行中らしく、監督役の上司が後ろについていた。つまり、ひさびさに見た紙芝居は、物語ではなく、生保の営業用の資料だったというわけだ。

だから何だといわれればそれまでだが、説明を受けた身としては、これがなかなか新鮮。見せられる絵はいわゆる生保の商品説明のプレゼンそのままだが、裏側、つまり説明者の側にはその説明のための口上が書いてある。初心者でも立て板に水の説明ができるというわけ。ちらちら口上に目を落とすのもまあご愛嬌。この業種も人の入れ替わりが激しいから、人材育成がなかなか追いつかないという構造問題を抱えているはず。まだ知識や経験の充分でない職員をアシストする手法がほしいところだろう。これまで、紙芝居を使った営業なんて見たことがなかったので、うまいこと考えたもんだと感心した次第。どうもこの紙芝居方式、この会社が独自に考えたものらしい。一応写真を撮らせてもらったが、ブログに載せるのは勘弁してくれとのことなので、ここには掲載しない。書くのはOKだそうなので、こうして書いているわけだ。

この紙芝居は、教員向けの生保プランを提案するために作ったもののようだ。「先生方にもわかりやすいと好評で」とのこと。教員には通常の生保の説明はよくわからん、ということなんだろう。上記のように初心者でも説明がしやすいから、営業ツールとしての紙芝居、これからはやるかもしれない、なんて予想してみたりする。特におすすめは、「重要事項説明」が法定になってる不動産業とかそういう関連。法定の説明書を資格者が読み上げる現行の方式は単に「一応やった」という言い訳的色彩が強くて、あまり説明として有効とは思えない。こういうふうにわかりやすい図で口上も決めてあれば、説明がなかったとかいうトラブルにもなりにくいのではないか。

本題と関係ないが、上の文章を書くためにちょっと調べたら、紙芝居は1931年(昭和6)頃に始まったとのこと。もっと前からあると思ったら、けっこう新しいんだな。

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Comments

 金融会社のくーちゃんじゃないけど,わかりやすーいコントの裏には,くろーい陰が,っていうことはないですがか?
 うちは生保さん立ち入り禁止ですので,どこかの生保さんが必ず毎月配っていた腕時計にはめるカレンダーすら,回ってきません。

Posted by: IT | April 28, 2006 11:29 AM

ITさん、コメントありがとうございます。
そこはそれ、リテラシーですな。あらゆるセールストークには都合の悪いところを隠す行為が含まれています。保険に限った話ではありません。

Posted by: 山口 浩 | April 28, 2006 10:14 PM

おぉ、見てみたいです。

自分もよくわかってないまま入ってたりするのですが、説明の難しさ(伝えにくさ)が結構ネックみたいです。

でも、説明以外のところに気を取られそうな気が、、、しないでもないです。

Posted by: d'n'c | April 29, 2006 05:13 PM

d'n'cさん、コメントありがとうございます。
確かにきちんと説明することは難しいと思います。私のところに来られた方も、わかりやすくしようとして、専門用語を使わずに「柔らかい」言い換えを使うのですが、保険業界にいた私にとってはかえって何のことかわかりにくかったりしました。
「説明以外のところ」って、ひょっとして、「説明してる人」のことでしょうか。

Posted by: 山口 浩 | April 30, 2006 11:01 AM

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