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May 01, 2006

「A Tenured Professor」

John Kenneth Galbraith (2001). A Tenured Professor. Mariner Books.

原著は1990年。邦訳は下記参照。数ある著作の中でも個人的に最も好き。知らない人のためにひとことだけ書いとくと、これは小説。経済学者が主人公で、「Index of Irrational Expectations」を開発してしまったことから起こる、抑制の効いたどたばた。公聴会でのやりとりなんかはなんともいえずおかしい。「Index of Irrational Expectations」は現実にはまだ実現していないが、ぜひあったらいいと今でも思う。

今の若い人は、バブルの時代を知らない。私たちは当時、浮かれてなどいなかった。今の目からみると信じられないだろうが、じゅうぶん冷静なつもりでいたのだ。そういう当時の雰囲気を感じ取りたい人にお勧め。ちなみに、上の写真のものもさることながら、ペーパーバック版の表紙絵のほうが軽妙な感じでいい。

似たテーマで、下記の本もお勧め。こちらは日本語訳。バブル本はあまたあるが、頭に血が上ってる感じのものが多い。この本は、なんというかな、冷静なんだな。

経済学を哲学として語れた人はそれほど多くないように思う(経済学の古典をフレーバーとして都合よくとりいれる人はけっこういるけど)。今活躍中の方々のようなぎらぎら感がないあたりが好きだったな。月並みな表現だが、惜しい人を亡くした。合掌。

関連記事「資本主義の暴走に警鐘、経済学者のガルブレイス氏が死去

※2006/5/1追記
ひできさんよりご指摘。邦訳はあった。「ハーヴァード経済学教授―マーヴィン教授の富と野望のロマン」お詫びして訂正。確かに当時見た記憶があった。そのときは「富と野望のロマン」なんて副題はなかったような気がするのだがこれも記憶ちがいか。「富と野望のロマン」ていう感じではないと思うんだがなぁ。

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Comments

やまぐちさん、おはようございます、

私もご冥福をお祈りしたい気持ちです。

本書の日本語訳を読んだ記憶があります。これではないでしょうか?

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478930120/qid=1146437939/sr=1-26/ref=sr_1_2_26/250-4823017-9189009

なかなか興味深い話でした。

Posted by: ひでき | May 01, 2006 08:14 AM

ひできさん、情報ありがとうございます。
そうそう、ありましたありました。うろ覚えで書くとこうなるからいかんですね。失礼いたしました。

Posted by: 山口 浩 | May 01, 2006 08:43 AM

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