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May 30, 2006

原油高は東アジアにとってよいこと、という話

"Higher Oil Prices Can Benefit E. Asia," by Kaoru SUGIHARA (Professor, Kyoto University).

そうなんだよねぇ。同じようなことを思っていても、ここまで簡潔にずばっと書いてあると、読んでて気持ちがいい。こういう文章を書けるようになりたいなぁ、と思った話。

ぜひ原文にあたっていただきたいが、せっかくなので少しだけ引用。

This "Oil Triangle" pattern of settlement between East Asia, the Middle East and the West has been part of the foundation of the world economic order since the 1970s.

ここでいう「oil triangle」とは、中東諸国が東アジア諸国に原油を輸出し、東アジア諸国は欧米に民生品を輸出し、欧米は中東諸国に武器や金融サービスを輸出する、という三角形をさす。「東アジア」は、かつては日本、今は中国なんかも含めたより広い範囲。この3極の間をマネーがぐるぐると回る。で、最もこれから利益を受けたのが東アジア、という指摘。して、そのココロはというと、これ。

In a market economy, higher oil prices stimulate the development of alternative energies and energy-saving technologies. Global competition under a free trade regime is the principal driving force for fuel-efficient economic growth.

豊富な資源は工夫の意欲を失わせる。山口的にいえば「managerial slack」だ。中東諸国も米国もこのslackから逃れられないでいる、というのがこの文章の指摘。この恩恵を世界に広めるべき、という締めくくりはややきれいにまとめすぎだが、いいたいことはわかる。

「窮鼠猫を噛む」というか、「窮鼠チーズを見つける」というか。要するに、最大のエネルギー源は「brain power」ってことなんだろうな。

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