小学館が本気でライトノベルをやるらしい
今日の朝刊で広告をみて初めて気づいたのだが、小学館がライトノベルの新しい文庫を立ち上げるらしい。で、作家を大募集!というキャンペーンをやっている。「その筋」の人はもう知ってる話だろうが、自分用のメモとして。
何しろ本気、らしい。少年向けエンタテインメントの「ガガガ文庫」と、少女向けファンタジーを主とする「ルルル文庫」に分けられている。すごい名前だが、意気込みはもっとすごい。サイトを見ると、「ガガガ文庫」のほうはこんな広告。
2007年春、小学館よりマジで本気のライトノベル文庫ガガガガガガガガガガガガガガガガ誕生すルルルルルルルルルルルルルルルル!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!そ・こ・で、小学館第1回ライトノベル大賞原稿大募集!!少年向けエンタテインメント ガガガ文庫!気になる選考委員のかたがたは ○(にすいに中)方丁 仲俣暁生 森本晃司 だガし・か・し、ガガガの全貌はUNDER CONSTRUCTION な・ぜ・な・ら・ば!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!あなたの応募する作品によって……あなたの未来、ガガガ文庫の未来が決まるのです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! アニメ化!ゲーム化!漫画化!舞台化!キャラクターグッズ化!流行語大賞受賞!翻訳出版!ハリウッド映画化!一生印税生活!さあ、皆さん、ペンを手に取りガガガガガガガガガ
見ただけでなんかすごいが、実際にはこれ、Flash画像になっていて、字がガガガッと震えている。一方「ルルル文庫」のほうは、藤間麗氏のイラストにかぶせてこんな<コピー。
ファンタジック ドラマチック ロマンチック 新しいエンタテインメントはあなたからはじまる ルルル文庫でデビューしよう!! 第1回小学館ライトノベル大賞 募集開始!
ちなみにこちらの選考委員は石田衣良、榎木洋子、篠原千絵の3氏。
応募要項をみてみる。「ビジュアルが付くことを意識した、エンターテインメント小説であること。ファンタジー、ミステリー、恋愛、SFなどジャンルは不問。」とある。これが小学館における「ライトノベル」の定義らしい。「400字詰め原稿用紙の場合は、45~420枚程度」というから、2万字~58万字程度か。ずいぶん幅があるな。短編集、みたいなのも視野に入れてるんだろうか。
大賞は「200万円&応募作品での文庫デビュー」、ガガガ賞・ルルル賞は「100万円&デビュー確約」、佳作になると「50万円&デビュー確約」というわけで、ここまでは出版確定、なわけだ。期待賞は「10万円&毎月2万円を1年間支給」だそうで、がんばれ、ということらしい。今までもらったことのある印税が「数万円」のレベルを超えたことのない私としては「100万円」なんてのを見るとムムムと思ったりするが、もとより分野がちがうわけだし。
考えてみると、少年向け、少女向けに分けて一般から募集するあたりや、その後の二次使用の幅広さなんかも含めて、小学館流のビジネスモデル満開!だ。マンガの世界では同様のことをもうやっているわけだが、これで「自分は絵が描けない」とお嘆きの諸兄にもチャンスが生まれたということ。これまでのライトノベルにもこういうやり方はあったんだろうが、最初からここまで視野に入れているのはやはりこの会社ならでは、ということだろうか。日本のコンテンツ産業の競争力の大きなポイントのひとつはストーリーにあるわけで、ここで才能を発掘することは今後のためにもぜひ、といったところ。こうやって才能を見つけ出して版権を押さえていくやり方は、出版社がデジタルコンバージェンスの時代を生き抜いていくためにも有効だろう。
応募の締め切りは9月末。われこそはと思う方はぜひ。ちなみに「年齢不問」なので、心は少年少女、という方もOK。ただし「ライトノベル」がどんなものかちゃんとわかった上で書いてね。
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Comments
サイト見るまでネタかと思いました(笑)。
Posted by: d'n'c | May 04, 2006 12:28 AM
d'n'cさん、コメントありがとうございます。
文庫名は冗談みたいですが、意気込みは本気も本気、ですね。「コロコロコミック」で小学生をがっちりつかんでいる同社ですが、ライトノベルで中高生を、ということなんでしょう。マンガで培ったノウハウがどれだけ有効なのか、要注目です。
Posted by: 山口 浩 | May 04, 2006 02:15 AM