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October 18, 2006

「セレブをおとす英会話―価値ある女性になるために」

マダム・ロセス著「セレブをおとす英会話―価値ある女性になるために」、駿河台出版社、2006年。

この本の著者であるマダム・ロセスについては、以前とりあげたことがある(この記事では「マダム・カルカソンヌ」と書いてあるが、「マダム・ロセス」が本名)。以来私も数多いであろうマダムのファンの1人となったわけだが、このほど畏れ多くも、マダムご本人から新著をいただいた。で、畏み畏み拝読してみてぶったまげ、感嘆し、賞賛の嵐となったわけだ。

この本はすごいよ。いやマジで。

何がすごいってさ。

最初にぱらりと開いたとき、いきなり目に飛び込んできたのがこの表現。でっかいフォントで、

"Can I cum on your face?"

思わず、飲みかけのコーヒーをぶほっと吹き出しそうになったね(かろうじて「寸止め」したけど)。これか!セレブをおとすにはこれか!とひとしきり興奮した後、待てよ欧米のセレブは「on your face」を好むのだろうか?あれは日本発ではないのか?という疑問で我に返った。このあたり、言われた経験もないし(あるわけねぇ)、そうした映像にふれたこともない(ほんとだよ!)のでわからないのだが、どうもこの分野でもCool Japanは大人気、ということらしい。セレブの皆さんもけっこうアレなわけね。もちろん、お好みでない向きのために、「mouth」とか「belly」にしてくれという表現も載ってるからご安心を。豆知識としては、「come」と「cum」は発音が同じでもニュアンスがちがうのだそうで、覚えておくとどこかで役立つかも(どこで)。

ぶっとび具合はもちろんこれだけじゃない。このほかにも、あんな場面やこんな場面で使える、ここではとても書けないようなexplicit、もといpracticalな表現が満載。「当該部分」の正しい発音、ご存知だろうか?こういうの、他では絶対学べないよ?これでセレブもメロメロだ!さらに「おとし方」だけではなく、ケンカ、仲直り、別れの表現もあるし、出会いのためのClassified広告の出し方、読み方もしっかりカバー。私流にいえば「MBA」な場合の表現も。なんと実用的、実際的、実戦的な。「ハンター」たらんとする女性の方は必読。

「Role-playing」というと、人によって思い浮かべるものはさまざまだろうが、本書におけるrole-playingはちょっとちがう。なんでも日本在住の外国人の間ではある特定のジャンルの行動を指すらしい。それが何かは、本書をご購入いただいてお確かめいただきたい。ゲーム業界の人はよく「RPG」ということばを使うが(そういうゲームのジャンルがあるから当たり前だが)、もし在日外国人がこういうのを聞いたら、ちょっとちがう解釈をしなければならないのかも(ちょっと引くね正直)。それとも、セレブはビデオゲームなんかしないから関係ない、かな?

この本にはCDが付いていて、発音もしっかり身につく。当然ながら、その類の表現も(ご本人ではないが女性の声で)読み上げてくれる。もちろんテキストっぽくさわやか系ニュートラルな口調なんだが、これがけっこうくるね。とくにトラック30で「harder!」「More!」「Not yet!」と連呼するあたり、読み上げる声が心なしかだんだん盛り上がっていくのはくらくらもの。

なんだかそっち方向の話ばかりみたいだが、もちろんこうした「実用の知識」だけじゃない。毎日をどう過ごすか、どういう姿勢で生きるかなど、女性たちに向けたマダムからのさまざまなメッセージがちりばめられている。実は本当にすごいのはこの部分だと思う。まさにマダム節が炸裂!甘ったれた女性たちには手厳しいおことばが。たとえば:

仕事を辞めたい一心で結婚したいと思っているなら、転職するのが先。…寂しくてたまらないから結婚したいというあなた。結婚相手ではなく友人を作るのが先です。
早い話が、「自分でバスタブを洗っているうちは、エルメスのショップに近寄るなんてお門違い」ということです。
日本語がきちんと話せなくて、英語がきちんと話せるわけがありません。

こんなにずばっと直球勝負の人は珍しい。いや正論ではないか。ぐぅの音も出ないではないか。どうかね女性の皆さん。セレブさえつかまえられれれば他はどうでもいいというわけではないのだ。自分に正直に、であるがゆえに自分には厳しく。世に満ち溢れる「自分で自分の面倒を見れない」女性では、いくら英語が得意でもエルメスを持っても、セレブをおとすなんて夢のまた夢。厳しいのだよ。

もちろん、だからといって男性に甘いとか、そんなことももちろんない。そもそも「セレブ」でない男性は基本的に視野の外だし。とはいえ、真っ二つにぶった斬られても、なぜかすがすがしくすらあるのが不思議。厳しいが正論であり、あけすけだが誠実であるからだろう。たとえその意見に賛同できなくても、まあそういう考え方もあるよね、と認めざるを得ないわけだ。

読みながら思ったんだが、ひょっとしたらこれは、女性向けとしてだけではなく、男性向けとしてもけっこういい内容なんではないだろうか。「女性はこんなことを考えている」という類の本として読むのもひとつだが、自分を肯定せよ、焦るな、自分の世界を広げていけ、なんていうメッセージは、男性にとっても示唆に富んでいると思う。あ、それから、英語も男性向けの表現がけっこう載っているから、「よぅしオレも」という方には参考になるはず。セレブに生まれつくことはできないが、なることはできる、かもしれない。きちんとがんばっている男性に対しては、まだセレブになっていなかったとしても、マダムはきっと暖かく見守ってくださるであろう。たぶん声をかけてはくれないだろうけど。

なんだか手放しで賞賛ってどうよ、と自分でも思うが、ほんとにすっごいんだってば。というわけで、性別問わず、「価値あるオトナ」でありたい皆さんにお勧め。お子ちゃまはダメ。18禁ね。

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Comments

山口ジョキョージュ
拙著を取り上げていただいてありがとうございます。マダム・ロセスでございます。
お褒めに与かり光栄至極です。

>何がすごいってさ。
"Can I cum on your face?"
でございますね? 
>待てよ欧米のセレブは「on your face」を好むのだろうか?あれは日本発ではないのか?という疑問で我に返った。
さようでございます。アレはCool Japanの誇る文化(?)から欧米に伝播いたしましたようで、私、この本を書きますときによくよく調べましたところ、欧米ではむしろbukkakeの方がよく通じるくらいなようでございます。

>セレブの皆さんもけっこうアレなわけね。
セレブのみなさまもけっこうアレはアレなようでございますよ。セックスはお好きなようでございます。

>この本にはCDが付いていて、発音もしっかり身につく。
私、このCDこそ、日本の出版業界のリミットを押し上げた出色の出来ではないかと考えます。マジかよ?みたいな。たぶんこれまで日本で製作されたなかでいちばんビミョーなCDではないかと自負しております。マジメに作ってる分、ヤバめ、みたいな・・・。

>読みながら思ったんだが、ひょっとしたらこれは、女性向けとしてだけではなく、男性向けとしてもけっこういい内容なんではないだろうか。
恐縮でございます。私、外国人男性にやられっぱなしになっている日本人女性のあまりの体たらくとあまりの数の多さに思わずこの拙著を著しました、いわば日本人女性の味方なのですが、日本人男性にも読んでいただけましたら幸甚です。っていうか、お役に立つこともたくさんあるのではないかと存じますよ。

>セレブに生まれつくことはできないが、なることはできる、かもしれない。きちんとがんばっている男性に対しては、まだセレブになっていなかったとしても、マダムはきっと暖かく見守ってくださるであろう。
もちろんでございます。暖かく見守らせていただきますことよ。志の高い男性、すばらしいではありませんか!
>たぶん声をかけてはくれないだろうけど。
アハハハハハハハ。ハハ。・・・たぶんかけません。どうしてお分かりになったのでしょう? 慧眼でいらっしゃいます。私、内向的な性格なのでございます(爆)。

私、このたび山口ジョキョージュに「解読」していただき、陶酔感を味わいました。
ご紹介、ありがとうございました。

なお、私、この1冊を世に出した後は「国際恋愛」からは引退しようと思っていたのですが、日本人(女性)、セレブをおとすどころではない、ということを具に観察し、急遽「外国人(男性)と対等な関係を築くには」について1冊書き下ろしてしまったことでございます。近々、同じ出版社さまから出せますように働きかけているところでございます。他にも次回作についてはた・く・さ・ん、書き溜めておりますことよ。お楽しみに・・・。

Posted by: マダム・ロセス | October 21, 2006 03:17 PM

マダム・ロセスさん、コメントありがとうございます。

「bukkake」、ですか。なんかうどんみたいですが、ちがうものもぶっかけちゃうわけですね。

>日本の出版業界のリミットを押し上げた出色の出来

いやまさにその通り。というか、これを読んでらっしゃる方、かなりがんばりましたね。

>・・・たぶんかけません。

やっぱり。そりゃそうですよね。ともあれ、私としては、日本女性と同じくらい日本男性にもがんばっていただきたいわけで、そのためにも、マダムにおかれましては「男性版」をご執筆いただきたく。早くも次回作をご用意されているとのことですが、その次あたりにでもぜひ。

Posted by: 山口 浩 | October 22, 2006 01:45 AM

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