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November 29, 2006

「美しい日本」にふさわしい日本人になれる3点セット

「美しい日本」をめざして、教育再生会議で議論が行われている。美しい日本、たいへんけっこうではないか。ただ、委員の方々はまさかそんなことはないと思うが、自分は「美しい日本」にふさわしいといえるのか、日頃お悩みの向きもあろう。何を隠そう私もそうだ。なんとかしたいわけだが、現代人は忙しい。いろいろ難しい注文をされても困る。これさえあれば「美しい日本」にふさわしい日本人になれる3点セット、なんてものがあったら便利ではないか。

というわけで、教育再生会議の議事録やら資料やらを参考に、私なりの3点セットを考えてみた。

なぜ「3」か。語呂もキリもいいし、伝統的に「3」はいい数字とされてきたし。天皇家にも、「三種の神器」というやつがある。庶民にも、その昔はテレビ、洗濯機、冷蔵庫という3点セットがあった。今後めざすべき「美しい日本」を担う下々の日本人にも3点セットがあっていいではないか。それに、3より多いと覚えられないかもしれないし。買うにもお金がかかるし。まあ、ノリだなノリ。

さてと。

1 教育における家庭の役割を見直す
「美しい日本」は教育から。そして教育の根幹は家庭にある。学校がいくらがんばっても、家庭環境が整っていない場合には効果を挙げることはなかなか難しい。家庭での対話、交流を通して基礎的な社会性を身につけ、また外でつらいことがあっても家庭は温かく迎えてくれる。そういった家庭の機能が今こそ求められるときはない。さらに、「食」の問題も重要だ。食は生活習慣の中でも基本中の基本。朝食を抜いて元気が出なかったり集中力がなかったり、あるいは栄養の偏った食生活で体調をくずしたり肥満に陥ったりするようでは、「美しい」日本を担う日本人には程遠い。

そこで、お勧めはこれ。

「温かい家庭」の象徴といえば、なんといってもこたつである。一家でこたつを囲み、鍋をつつきながら楽しく語り合う。あるいは冷凍みかんをほおばりながら、紅白歌合戦を見る。これぞ、「美しい日本」にふさわしい家庭の姿ではないか。こちらはこたつに布団と敷布団の3点セット。ちと高いが、西陣織りだぞ!

2 わが国の歴史と文化を知る
自国の歴史や文化を尊ぶのは、文明国の国民として当然のことだ。国際化が進む社会の中にあって、自らのアイデンティティをしっかり持ち、他国の人々と対等にわたりあい、「美しい日本」の姿をしっかりと主張していくためには、わが国の歴史と文化を深く理解しておかなければならない。そのためには、やはり古典に親しむことが重要であろう。古典にもいろいろあるが、ここは一番、わが国古来の文化の原型を求めて、最初期のものをひもといてみるのがいいだろう。

そこで、お勧めはこれ。

わが国初の「歴史書」といえばやはり「古事記」。ここからは、中国や近代西欧、さらにはアメリカといった外国に「毒」される前のわが国固有の国家観、社会観、道徳観を学ぶことができる。国産み、天岩戸その他さまざまなエピソードを読めば、私たちがもともとどういう民族だったのか、よーくわかる。

3 社会への責任を果たす
わが国の社会から「公」が失われたといわれて久しい。しつこく書くが、「久しい」。今の大人たちが若かったころから、あるいはそれ以前から、「公」は失われた、といわれ続けてきたのだ。何せ約千年前から「世も末」だったわけだし。とにかく、人々は自分のことばかりを気にして、社会に対する貢献をしようと考えなくなっている。これではいけない。「美しい」日本にふさわしい日本人としては、自ら進んで社会への責任を果たしていく姿勢が不可欠だ。

そこで、お勧めはこれ。

社会への責任の中で最も大事なことは、「人に迷惑をかけない」ことではないかと思う。自分のことは自分で始末する。これが「美しい日本」を支える日本人の姿ではないか。そのためには、「お金」をゆめゆめおろそかにしてはならない。きちんと計画を立て、それを実行し、収支をしっかり管理していくことが重要だ。しかし、複雑化する社会の中で、忙しい私たちがそれをきちんとこなしていくことはなかなか難しい。それを助けてくれる優秀なアシスタントがこの「マイクロソフト マネー」だ。

これだけそろえば完璧、というわけではもちろんない。これはあくまで「最低限」だ。これだけにとどまらず、ぜひ「上」をめざしていただきたい。「美しい日本」にさらにふさわしいハイグレードかつ本物指向な日本人必携グッズ、なんてのもある。

たとえば、精神も体も鍛えたい向きにはこんなのとか、

日本人の心である米にこだわりたい向きにはこんなのとか。

それから、日本文化の華、琴をたしなむ美しい日本人になりたい向きにはこんなのも、

これぞ日本男児!の和太鼓を極めたい向きにはこんなのも。

まだある。これまた日本文化の粋、雛人形だって「美しい日本」には欠かせないぞ!という向きにはこんなのだって、

いやいや男子たるもの心は常在戦場、という向きにはこんなのだってある。

いやそういうのはちょっと手が出ない、という方は、こんなところで。これも日本ならでは、だ。最近は国際的にも人気みたいだし。

あとこれも。日本史学の原形を作ったのはこの方ではなかろうか。控えおろう!

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Comments

楽しく拝読させていただいています。
一読者のともです(笑)。
「美しい日本」・・良い響きの言葉ですね。
でも、現実社会の中であくせく生きている私には、正直全く心に響かない言葉でもあります。
しかしながら現実に「あぁ、美しい日本になったわね。」と実感する日がくることを切に祈ります。
私に限って言えば、そんな日は死ぬまで来ないかも知れませんが・・
そんな我が家にも歴史書もございますし、娘はなにやら和楽器を学校で「強制的」に習っているようですし、お習字も2段の腕前で、お雛様も、和服もあります。お茶やお華のお道具もあります。
仕事だってちゃんとしていますし、教育にもたぶん心を砕いてるほうだと思います。
それでも実感のない私が、「美しい日本」を現実にするためにはどう行動したらよろしいでしょうか?
やはり、日常にゆとりのない生活をしているとだめでしょうか?


Posted by: tomo | November 30, 2006 03:11 PM

tomoさん、コメントありがとうございます。
歴史書、和楽器、雛人形、和服。「美しい日本」フルセットをお持ちなわけですね。となると、きっとすでに八ヶ岳あたりに別荘なんかもお持ちなんでしょうし。
なのに実感がわかないと。
これは困りましたね。
しかし、忙しいからだめということはないのではないかと思うのです。何しろ日本で一番忙しいはずの人が言ってることですから。
ふだんは忙しくても、ゆっくりできる時間が少しでもあれば、心にゆとりが生まれるかもしれません。
時間は作るものですから、なんとかやりくりしてみてはいかがでしょうか。

Posted by: 山口 浩 | November 30, 2006 04:28 PM

ものすごく楽しく読ませていただきました(←美しくない日本語でごめんなさい)。

ただ、これ全部揃えたら破産してしまいそうです・・・(にっこり)。

そのなかでも特に「古事記」はお勧めですね。高くないし。

Posted by: マダム・ロセス | December 01, 2006 12:40 AM

マダム・ロセスさん、コメントありがとうございます。
さすがのマダムも、全部は無理ですか。
私も、この中で一番のお勧めは「古事記」ですね。岩波版は昔のことばの響きとかもわかったりするのでお気に入りです。内容としても、やたら人間くさい神々の皆さんのあれこれなんかはマダム的にヒットするのではないかと。

Posted by: 山口 浩 | December 01, 2006 01:21 AM

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