« 返せばすむっていう問題じゃないんだが | Main | ナンバー・ポータビリティ、11月末 »

December 07, 2006

ヘルシンキでよく声をかけられた話

特段主張とかしたいのではないのであらかじめ念のため。ちょっと前にヘルシンキに行く機会があったのだが、街を歩いていると、地元の人によく声をかけられた。東京だとそういうのは完全無視になるわけだが、どうみても怪しげには見えない人たちなんで、ちょっと話を聞いてみた。

声をかけるときのことばは決まって「Are you Chinese?」。まあ見分けつかんだろうな私だってフィンランド人とスウェーデン人の区別つかないし。で、一応「No.」と答えるわけだが、それでも彼らはなにやら紙を取り出して一生懸命説明を始める。どうもかの国の政府に関する内容だ。(かの国は友好的とは必ずしもいいがたい内容のブログ等の閲覧をフィルタリングしていると聞く。gVisit.comによると、かの国からもたまにこのブログへのアクセスがあるらしいので、念のためそのあたりの表現をぼかしてみる。うまくいくかどうかわからないが)

思えば、フィンランドを含むヨーロッパ、特に北欧あたりの国々では、以前から、かの国の政府がその意見に必ずしも大賛成というわけでもない人々に対して直接的あるいは間接的なかたちで利益になるわけではないような影響を与える行為に対して異議を申し立てる活動というのがけっこうさかんだった(なんだこの回りくどい表現)。調べてみたら、ヘルシンキには例の「法」の字がつく3文字の某団体のメンバーが難を逃れようとけっこうきているらしい。

それでよく注意してみると、確かに当地で、かの国からと思しき人々をけっこうみかけた。空港にも、泊まっていたホテルにも出張らしき団体さんの姿が。そういえばノキアってあの国に進出してたっけねぇ。そのほかにも、貿易関係とかでけっこう行き来があるようだ。どうも、私に声をかけてきた人たちは、私をこの出張族の仲間と思ったらしい。つまり彼らはいわゆる「支援グループ」の人たちで、出張で来ているかの国のビジネスマン等に、状況を伝えたい、主張を届けたいという活動をしていたんだろうな。

街角でも、それらしき人たちの姿は見かけなくもない。のだが、しばらくしてあれっと気づいた。歩いているところは見かけるのに、働いているところは見かけないのだ。たとえばアメリカとかイギリスとかなら、街のパン屋だのレストランだのタクシーだので、さまざまな人種の人たちを見かける。日本でも、いまやコンビ二や建設現場、レストランなんかで、あの国の人をはじめ、外国人を見かけないほうが珍しいと思う。もちろん、ベースとなる人数がちがうのかもしれないが、それにしても、ヘルシンキだとほとんど見かけない、というのはどういうことなんだろう。

などと思ったのは、単に私が不注意なだけだった。彼らはちゃんと働いている。ただ、あまり表からは見えないところで。店とかの裏側をのぞいてみればわかる。ホテルならベッドメーキング、レストランなら厨房か洗い場。表は現地の人たちがやり、彼らは裏で働く。待遇はどうなのか知らない。多少ことばが不自由だってレジ係とかならできるだろうにと思う(日本だとそうだよね?)のだが、これが高福祉高負担、「生活満足度の高い」国のやり方なんだろう。ご本人たちが満足なのかどうかは知る由もなし。身の危険がないだけでありがたい、のかもしれないが。

深い事情を知るわけでもないので、コメントとかする気はない。ふーん、という感じ。世界って広いんだなぁ、などというとんちんかんな感想で、オチもひねりもなく本日ここまで。

|

« 返せばすむっていう問題じゃないんだが | Main | ナンバー・ポータビリティ、11月末 »

Comments

そういえば私も違う国で
「Are you Chinese?」。と声をかけられて事がありますが、ビーチでの出来事だったので明らかに上記とは目的違いですね。なるほど世界は広い。
とんちんかんな感想で(笑)。

Posted by: tomo | December 07, 2006 03:57 PM

tomoさん、コメントありがとうございます。
ビーチで。ふむ。Chineseであるかどうかが関係あったのでしょうか。Chinese萌え?世の中いろんな人がいますね。
こちらもとんちんかんな感想で。

Posted by: 山口 浩 | December 07, 2006 11:58 PM

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference ヘルシンキでよく声をかけられた話:

« 返せばすむっていう問題じゃないんだが | Main | ナンバー・ポータビリティ、11月末 »