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December 31, 2006

やり残していないか

もう仕事納めも終わったわけで、一息ついている人も多いだろうが、今年やるべきことをやり残している人がいる。何を隠そう私もそうだが、背中に火のついた状態が続いていると、どうも心理的に逃げ場を探したくなるのが人情だ。

というわけで、他にも「やり残した人」がいるのではないかと2秒ぐらい考えたら、思い出した。

東京地検特捜部の皆さんは、今年も大活躍だった。さぞかし大忙しだったろう。私は法曹ではないので詳しいところはわからないが、素人考えでは、今年は証券取引法の運用や捜査手法に関する慣行において、少なくとも検察段階では大きな変更が行われたものと理解している。

となれば、まだやり残した案件があると思う。具体的にどことは書かないが、まあわかるだろう。あ、グーグルで「有価証券報告書虚偽記載」と入れて検索すると、最近の案件はまだ出てこないようだから、そのへんはグーグルニュースのほうで「訂正報告書」とでも入れて検索いただければ。

ちなみに、証券取引法の第197条はこんな規定。

第百九十七条  次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一  第五条(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による届出書類(第五条第四項の規定の適用を受ける届出書の場合には、当該届出書に係る参照書類を含む。)、第七条、第九条第一項若しくは第十条第一項(これらの規定を第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による訂正届出書(当該訂正届出書に係る参照書類を含む。)、第二十三条の三第一項及び第二項(これらの規定を第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による発行登録書(当該発行登録書に係る参照書類を含む。)及びその添付書類、第二十三条の四、第二十三条の九第一項若しくは第二十三条の十第一項の規定若しくは同条第五項において準用する同条第一項(これらの規定を第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による訂正発行登録書(当該訂正発行登録書に係る参照書類を含む。)、第二十三条の八第一項及び第五項(これらの規定を第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による発行登録追補書類(当該発行登録追補書類に係る参照書類を含む。)及びその添付書類又は第二十四条第一項若しくは第三項(これらの規定を同条第五項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十七条において準用する場合を含む。)若しくは第二十四条の二第一項(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による有価証券報告書若しくはその訂正報告書であつて、重要な事項につき虚偽の記載のあるものを提出した者
二  第二十七条の三第一項(第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)、第二十七条の六第一項若しくは第二項(これらの規定を第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)、第二十七条の七第一項若しくは第二項(これらの規定を第二十七条の八第十二項並びに第二十七条の二十二の二第二項及び第六項において準用する場合を含む。)、第二十七条の八第八項(第二十七条の二十二の二第二項及び第二十七条の二十二の三第四項において準用する場合を含む。)、第二十七条の八第十一項(第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)、第二十七条の十一第二項(第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)又は第二十七条の十三第一項(第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による公告又は公表に当たり、重要な事項につき虚偽の表示をした者
三  第二十七条の三第二項(第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による公開買付届出書、第二十七条の八第一項から第四項まで(これらの規定を第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による訂正届出書、第二十七条の十一第三項(第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による公開買付撤回届出書、第二十七条の十三第二項(第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による公開買付報告書又は第二十七条の十三第三項及び第二十七条の二十二の二第七項において準用する第二十七条の八第一項から第四項までの規定による訂正報告書であつて、重要な事項につき虚偽の記載のあるものを提出した者
四  第二十七条の二十二の三第一項又は第二項の規定による公表を行わず、又は虚偽の公表を行つた者
五  第百五十七条、第百五十八条、第百五十九条第一項若しくは第二項(これらの規定を同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は同条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
○2  財産上の利益を得る目的で、前項第五号の罪を犯して有価証券等の相場を変動させ、又はくぎ付けし、固定し、若しくは安定させ、当該変動させ、又はくぎ付けし、固定し、若しくは安定させた相場により当該有価証券等に係る有価証券の売買その他の取引又は有価証券指数等先物取引等、有価証券オプション取引等、外国市場証券先物取引等若しくは有価証券店頭デリバティブ取引等を行つた者は、十年以下の懲役及び三千万円以下の罰金に処する。

またしてもカッコ書き炸裂の懇切丁寧な条文だが、第1号の枝葉を除くと「有価証券報告書若しくはその訂正報告書であつて、重要な事項につき虚偽の記載のあるものを提出した者」は 「十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」というもの。そういえばこの件は資金調達もやってるから、そっちのほうでもひっかかるな。

私が今も締切に追われて働いているのは単に私の無能によるものだが、有能なる東京地検特捜部の皆さんが重要な仕事をやり残しているのはどうにも解せない。まさか同種の案件をちがった取り扱いにするつもりではなかろうし。粉飾の金額だって前の事例より多いのに。捜査手法だって「金融当局に任せず検察の手でまず逮捕」に変えたんだから、これも同じにしなくちゃ。あ、そうか前の事例のときも逮捕は年初だったな。そうかそうか今のうちに準備しておいて、来年初めにやるつもりなのかな。

今回のケースのほうがはるかに重大な案件だと思うので、ぜひ入念に準備して万全を期していただきたい。まず逮捕。これが新しいルールだ。年初のサプライズ、待ってるからねー。

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