学生のエッセイ その11
先日に引き続き、ゼミ選考のために集めた学生のエッセイ第11弾。これで最終回。今回は「思い入れいろいろ」な3本。
まずは1つめ。
わたしの一生のおやつ *チロルチョコ* by あさひ
チロルチョコは誰しも必ず食べたことがあると思います。 私にとっては非常に身近なおやつです。小さい頃からよく食べています。 駄菓子屋で買うときも必ずチロル。遠足に持っていくおやつにもチロル。
私はよく駅中のコンビニでチロルチョコを購入します。どこも大体レジの横にあります。 よく観察してみると、中年サラリーマンもとっさに購入したりしていて…なんだか微笑ましいような… 手頃な量で手頃な値段がチロルチョコのウリだと思いますが、最近では実に面白い味のチロルが沢山世に出ています。
チロルチョコの歴史を辿ると、1962年に松尾製菓からコーヒーヌガー入りでチロルチョコが初登場。 その当時は3つ山(3つくっついて並んでいる形)で売られていましたが1979年に現在売られているサイズでコーヒーヌガーのチロルチョコが発売されました。
↓1979年から発売
それから現在に至るまで、約80種の味が発売されてきました。 新フレーバーが出るたびにこれは美味しい、これは美味しくないなどといった批評をされてきたチロルチョコですが、 2003年にそれは突然やってきました。
超大ヒットを記録したフレーバー「きなこもち」が登場したのです。
↓きなこもち チロルチョコ
私もこれをコンビニで見つけたときは「ん?もち?」と疑問に思ったのですが、実際食べてみたら、中には本当にお餅が入っていたのです。
↓中身のお餅
また、すごいのはお餅だけではなく、このまわりのきなこ味のチョコがきなこの粉っぽさをうまく表現していて、それがお餅ととてつもなく合っていて何個でも食べたくなるような味に仕上がっています。
秋は「食欲の秋」で、おいしいものがたくさん出てくる時期です。 この「きなこもち」も冬季限定ですが秋になると出てくる商品なので、私の中では秋=きなこもちのチロル! という構造が出来上がってしまいました。 ちなみに今年は11月1日発売でもうお店に並んでいるころだと思います…*
このきなこもちチロルの大ヒットが拍車をかけたのか、平成16年、松尾製菓は企画・販売を独立させた、「チロルチョコ株式会社」を設立。このきなこもち発売の翌年も餅入りの「いちご大福」も発売。 しかしこの「いちご大福」はきなこもちと違い、単品で売られることはありませんでした… 袋売りされていた「いちごがいっぱい」という商品にのみ入っていた「いちご大福」。 レアフレーバーとなってしまいました… これもすごく美味しかったです。単品で売ってほしいです!
そして今年も色んな珍品?が発売されていきました。 夏限定で発売された「かき氷」シリーズ。 私自身の感想を言うと…本物に近づけ過ぎたせいか…なんとなく残念な感じでした。 味はともかく食感はまるでかき氷!チロルはなんでも再現できるんです…! いつかチロルチョコだけで朝・昼・晩の食卓が済ませる時がくるかもしれない…
今現在(2006/11/01現在)発売されている「黒ごまタルト」はとてもおススメです。 私は駅中のコンビニに寄ったときは必ずと言っていいほど購入しています(2個が定番です)
チロルチョコは、たった1粒でもあげるとよく喜ばれるし、小さい包みで可愛いパッケージなので あげる側も楽しくなるとても素敵なおやつだと思います*
どんなものにでもファンというのはいるものだ。何せ「一生のおやつ」。もう決めちゃってるわけね。いきなり「誰しも必ず食べたことがあると思います」と言い切られても困るのだが、まあそれほど好き、ということだろう。チロルチョコにこれほどの思い入れをもった人というのを私は初めて見たな。きなこもちフレーバー登場のくだりの「2003年にそれは突然やってきました」なんて、好き好きビーム全開、ではないか。「超大ヒット」って、どのくらい売れたんだろう?これを書いてもらったのは昨年秋だが、今は冬。さぞやきなこもちチロルチョコを食べまくっていることであろう。今年は初雪がまだない異常な暖冬なわけだが、暖冬ときなこもちチロルチョコ消費量との間に何か関係はあるんだろうか。
楽天でちょっと見てみると、このチロルチョコ、いろいろなフレーバーのバリエーションもさることながら、携帯ストラップ、鉛筆に消しゴム、チロルチョコをモチーフにしたグッズが目立つ。すでにキャラクター化しているわけだ。これはけっこうすごいね。
個人的には、このチロルチョコレート、悪くはないのだが、量が少ないのが不満。まあその分安いんだが。というわけで、チロルチョコすくいどりセットなどはいかがだろうか。チロルチョコ約700個をよりどりみどりで15,750円。これなら食べきれないくらいあるぞ。
続いて2つめ。
タイトルなし by アコンカグア
私事ですがこの度、風邪をひいてしまいました。 幸い今は治りつつありますが風邪をひくと一人暮らしの切なさ、とりわけ食事が侘しく感じられます。(よく言われることですが) 六畳のワンルームで出来合い惣菜を食べていると治るものも治らないどころか「悪化してしまうのではないか?」と弱気になることもありました。
こうしてみると食事というものは「何を食べるか?」にくわえて「どういう状況で食べているか?」というのも重要なのだと痛感させられます。 以前私が友人と外食をしたとき「食事というものは誰と一緒に食べているかで味が変わるものだ」と言っていました。 当時の私は高校生で実家で家族とともに暮らしていたので、その時は「格好良いこと言うなぁ」程度にしか思っていませんでしたが、いざ自分が大学生となり様々な人と食事をすると彼の言葉の重みが実感できました。 特に入学したての頃色々なサークルの新歓コンパに顔を出しましたが、ほとんど落ち着くいて食べることはできませんでしたし。でもこういう大人数での食事、テンションの高い食事というのは自分には向かないんだなと改めて発見できただけでも無駄ではなかったと思っていますが。
ちょっと話が個人的なことに行き過ぎてしまいました。話を戻すと「どんなところで食べるか?」ということですけど、以前とある局のニュース番組を見て知ったのですが、大手外食チェーン「ワタミ」では「食の空間」を強く意識している取り組みが行われているそうです。 具体的に例を挙げると薄暗くムードがある雰囲気の「坐・和民」と明るく広くいかにも宴会用といった「(居食屋)和民」という種類の店を展開しているのですが、この二種の店舗では外見はこれだけ違うにも関わらず食事のメニューはほぼ同一、同値段帯という面白い試みが為されています。 番組の取材に対して多くのお客さんが「知らなかった、同じには感じられない」答えていたのが自分には印象に残りました。
また食事の空間と同じく2人以上で食べるなら食事の分け合い方も重要なってくるのではないでしょうか? これもとある方の著書で印象に残っているのですが 「伝統的な日本食というのは料理を盛る皿が一人一人別々、一方イタリア料理、中華料理というのは大皿で分け合うのが一般的だ。食欲という本能が欲する食べ物を分け合うという行為は人々をより親密にする。冬場の温かい食べ物ならなおさらだ。」 と書かれている一説がありました。
ちょっと眉唾ものの話ではあるかもしれませんが言われてみれば、真冬の鍋料理などは暖かな家庭などをイメージするに相応しい光景と言えますし、あながち間違ってはいないと思います。 これからどんどん昼間の時間が短くなり、寒くなってゆく季節です。 温かい食べ物が美味しくなっていくのはもちろんですが、ちょっといつもとは違った場所、違った食べ方が料理の味を引き立てたり、あなたの健康や元気の源になってくれるのではないでしょうか?
なんだかとっても礼儀正しいのはいいのだが、いきなり「私事ですが」ってあのー。エッセイは基本的に私事なんだが?とつっこんでみたくなり。とはいえ「テンションの高い食事」というのはなかなかうまい表現。確かにそういうのはある。「和民」を「食の空間」と呼ぶのであれば、それはそういう「テンションの高い食事」の場ということになろう。食べる前にさんざん飲んでるだろうし。そういえば和民の社長は、例の教育再生会議の委員をやったり、学校法人の経営をやったりと相当テンションの高い人生を送ってらっしゃる。テンションの高い人生にはテンションの高い食事。さもありなん、か。アコンカグア氏はまだ未成年だと思うので、あまりそういう場に出入りするのはいかがかとも思うが、まあ自分で行ったというわけではなさそうだな。「坐・和民」というのは行ったことがないのだが、「ローソン」における「Natural Lawson」みたいなものだろうか。
「伝統的な日本食というのは料理を盛る皿が一人一人別々」とすると、鍋物は「伝統的な日本食」ではないということになるが、これでは全日本鍋物愛好家連盟(そんなのがあるかどうか知らんが)から猛烈な抗議を受けるだろう。よく知らないが庶民の食事は鍋物もたくさんあったろうし、やはりそれは「眉唾」一族なのではないか。とはいえ食べ物を分け合うことが人をより親密にするというのは感覚的に理解できる。なんでなんだろうねあれ?
冬の食べ物といえばおでん。屋台のおでんの雰囲気が家庭でも味わえるおでん鍋。これで家族団らんにいそしんでくれ。1人暮らしには大きいかもだが、友達を呼んでおでんパーティもありかと。
続いて3つめ。これで最後。
食欲の秋!! 梨の秋!!
by vivi
秋といったらやっぱり、食欲の秋ですよね。私は特に梨が好きです。
私の出身地はとある県の白岡町という町なのですが、その町は実は県内で梨の生産&出荷量がNO.1なのです!!といっても、そこまで有名な町ではないので町民以外で県内でその事実を知ってる人は少ないのですが……。そんな私の町では、町内で生産された梨を使った面白い(?)特産品があるのです!なので、いくつかご紹介しようと思います。
まず1つめ。「幸水の舞」。
これはお酒なのですが、町内で作られた梨「幸水」を焼酎に漬け込んで、熟成させたヘルシーでフルーティーな果実酒です。未成年なので、もちろんまだ飲んだことはないのですが、親いわく、結構飲みやすいそうです。
2つめ。「梨のシャーベット」。
まぁ、これは文字通り梨の入ったシャーベットです。でも、シャーベットの中にゴロゴロ梨が入っていておいしかったです。梨が好きな人にはぜひお勧めですね。
3つめ。「梨の宝石」。
町内で作られた梨を寒天でかためたヘルシーなお菓子です。四角い寒天が袋に入っていて、キラキラと宝石みたいだからこの名前だそうです。
4つめ。「Mrs.ランドホワイト」
これは名前からでは何なのか想像できないと思いますが、まぁひらたく言えば梨のケーキです。じっくり煮込んだ梨が中に入っていてとってもおいしいです。
5つめ。「梨のサクサクバニラ」
さっぱりとしたバニラの中にサクサクしたクラッカーも入っているというアイスクリームです。
特産品はまぁ、こんな感じなんですが、まぁどれも名前通りのものが多いですね。この他に小、中学の給食でも面白いものがありました。
まずは、「ありの実パン」
これを人にいうと、名前だけでは想像できないからか「何それ?」とよく言われてしまうのですが。そもそも「ありの実」が何か分からない人が多いですよね。ありの実というのも梨のことなんですよ。梨から「無し」と連想されるので縁起がよくないとされてかわりに使われる忌み言葉なんです。
で、パンの話に戻りますがこのパンの面白いところは見た目も梨なんですよ。緑色の丸いパンの中に梨のジャムが入っており、パンのてっぺんにあのお菓子の小枝ささっているんです。はじめてみた時はホントにビックリしました。まさか見た目まで似せるとは……。
もう一個あるのですがそれは、「ありの実カレー」。
これもよく驚かれますね。もう想像はつくと思いますが、カレーの中に梨が入ってるんです。もちろん梨の欠片がそのまま入っているわけではありませんよ。よくカレーの中に隠し味でりんごが入っているじゃないですか。あれの梨バージョンです。甘くなりすぎず意外とおいしいですよ。
最後にもうひとつご紹介します。
これは梨のお菓子ではないのですが、まず名前が面白いのです。その名も「しらおかし」。白岡とお菓子をかけているんでしょうね。一応注意!白岡は町ですよ。市ではありませんので。どんなお菓子かというと半生チョコレートをフワフワもちでくるんだ洋菓子です。
最後のは違いますが、他のは全部梨を使っているんですよ。梨を使ったお菓子というのはあまり見ない気がしますが、こんなにあるんです。梨好きとしては、梨のお菓子がもっと一般的になってくれるといいんですがね。
…「とある県の白岡町」って。あのね、その名前の町は1つしかないの。特定できちゃうの。しかも「梨が特産」まで書いてる。「とある」とか書く意味ないじゃん…まあいいかそりゃ確かに知らなかったし。ここで紹介されている町の梨関連特産品はこの白岡町観光協会のウェブサイトの特産品ページに写真が出ている。私としてはこのページに出ている「太陽のブルーベリー」のほうが気になるのだが、まあここはひとつ梨の肩を持つこととする。このページに「ありの実パン」は出ていないのだが、なんだか面白そう。
とはいえ、梨といえば鳥取あたりを思い浮かべるのがふつうだろう、と思ってWikipediaをみたら、今は千葉県が収穫量トップらしい。鳥取県はいまや茨城県にも抜かれて第3位。白岡町のある「とある県」は第8位らしい。産地の盛衰というのもなんだか諸行無常の響きあり、か。
「梨を使ったお菓子」というと、よしあしはあれ、どうしても洋梨に軍配が上がるのではないかと思う。例の「ラ・フランス」というやつだ。
個人的には、洋梨のへなっとした食感がやや苦手なので、しゃきっとした日本の梨にぜひがんばっていただきたいところ。洋菓子とかにけっこう合うんじゃないかと、素人としては思うんだが。
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